「白鯨/MOBY DICK/HERMAN MELVILLE'S MOBY DICK」
1956年製作 米国
監督/製作/脚本:ジョン・ヒューストン 原作:ハーマン・メルヴィル
『白鯨』
脚本:レイ・ブラッドベリ 撮影:オズワルド・モリス
音楽:フィリップ・セイントン
出演:グレゴリー・ペック、レオ・ゲン、リチャード・ベースハート、オーソン・ウェルズ、ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス、ハリー・アンドリュース、バーナード・マイルズ、マーヴィン・ジョーンズ、ローヤル・ダーノ、フランシス・デ・ウルフ、フレデリック・フレデリック・レデブール、フィリップ・ステイントン
ハーマン・メルヴィルによる同名長編小説を巨匠ジョン・ヒューストンが監督、製作と、フランソワ・トリュフォー監督が共同脚本を兼ね、オスカー・ウェルナー主演で映画化したSFドラマ
映画作品
「華氏451」
の原作小説
『華氏451度』
なぞの作者であるレイ・ブラッドベリと共に脚本をも手掛け、名優グレゴリー・ペック主演で
リメイク映画化した海洋アドベンチャー・
ドラマ映画作品です。
幼少の頃、今は亡き母方の祖母の家に行ったときに
テレビで放映されていたのを観て、そのクライマックスで、かつて自身の片足を食いちぎった"白鯨/モービー・ディック"と呼ばれ恐れられる白い巨大マッコウクジラへの復讐に燃え、"白鯨"を倒すため、...傷つけられたプライドを取り戻すため...、執念の追跡を繰り広げた末、遂に"白鯨"と対決を果たす、グレゴリー・ペック扮する捕鯨船、"ピークォド号"の船長、"エイハブ"がその死闘の中で怒り狂った"白鯨"の体に決死でよじ登り、その背中に怨念、憎悪、復讐の執念の銛を突き立てるも、打ち込まれた幾本もの銛綱が絡み絶命し、"白鯨"の横腹に磔のように括られるシーンを目の当たりにして、何やら壮絶な恐怖を感じました。こちらも、観た後、しばらくの間は、そのシーンを思い出して夢に見ては、その怖さに寝付きの悪い夜を過ごしたものです...。
本作は興行的には大失敗に終わったとのことですし、グレゴリー・ペックの"エイハブ"船長役はミスキャストであるとの評価もあるようで、グレゴリー・ペック自身本作を気に入っていなかったとのことですが、私としては原作を読んでいないということもあるのやも知れませんし、今観ると捕鯨や"白鯨"との対決シーンでのミニチュアワークスこそちゃちくて可愛らしかったり、雰囲気、空気感や臨場感にはやや薄い気もしたりしますが、凄みのある迫力とスペクタクルをしていて、何というか観ているうちに、何やらそのじわじわとしたスリリング感に次第にハラハラドキドキ、ぐいぐいと惹き込まれ、釘付けになってしまいますし、"ピークォド号"の乗組員の一人で物語の傍観者的な語部である、リチャード・ベースハート演じる風来坊の"イシュメル"、1884年の嵐の夜に海に憧れを抱き、捕鯨港として栄えるマサチューセッツ州はニュー・ベッドフォードにやって来た"イシュメル"が
宿泊する宿、"捕鯨館ピーター・コフィーン"の同室で彼と無二の親友となり、彼と共に"ピークォド号"に乗組員として乗船する南の島から来た全身刺青の屈強な巨漢の銛打ちの名人、フレデリック・レデバー扮する"クイークェグ"やハリー・アンドリュース演じる粗野で陽気な二等航海士の"スタッブ"をはじめ、決して多くが語られているわけではないにも関わらず、派手やかさや華やかさこそ感じられないものの、示唆と意義を感じさせるやのバラエティに富んだ濃くと深みある魅力的な登場人物・キャラクターと、それらにマッチした男臭い渋く落ち着いた劇映画としてのリアリティーがたっぷりと感じられる配役と演技をした見応えある作品に感じます。そして何といってもグレゴリー・ペックです。鋭い眼光の威風堂々として鬼気迫る、そして復讐の執念と理性の狭間での葛藤、苦闘の微妙で絶妙なバランスが見て取れる上にペックらしい理知的で紳士的な雰囲気をも醸して感じられる演技らしい演技と存在感は圧倒され、魅了されるものがあります。因にペックは、フランク・ロッダム監督が共同製作と共同脚本を兼ねて、パトリック・スチュワート主演でテレビ映画化した海洋アドベンチャー作品
「モビー・ディック」
にも本作ではオーソン・ウェルズが演じている"マップル"神父役で出演しているとのことです。私はまだ未見と思われますので、今度機会がありましたら、観てみたいと思っています。
"白鯨"への復讐の執念に取り憑かれ、独断専行の狂行に及び、"ピークォド号"の船員や水夫たちの命を危険にさらす"エイハブ"船長を必死に諫める物静かで勇敢な捕鯨の名人で
コーヒー好きの一等運転士、レオ・ゲン扮する(世界規模で展開するコヒーチェーン店、スターバックスの店名の由来の一つとのことの)"スターバック"、最も賢明でまっとうなはずの彼が次第に詰まらなく映りようになり、とどのつまりにはなし崩し的にでも、彼をも追従させてしまう"エイハブ"船長に魅入られるようになってしまうから不思議です。オーソン・ウェルズはその圧倒的な存在感でニュー・ベッドフォード港の"捕鯨者の教会"で示唆めいた説教をたれる"マップル"神父を威圧的で怪し気な威厳を漂わせて演じて見せてくれているやに感じます。宿命に引き寄せられるのか、ひた走るのか、知らぬ間にひたひたと静かな高まりをみせる一種異様なテンションの漂いと宿命が忍び寄る中でのじれったい時間経過の描写が何ともいえなかったりもします。"白鯨"との壮絶な対決シーンも然ることながら、自然との(静かな)格闘や捕鯨のシーンにも中々見応えを感じます。あれだけ大漁の鯨、油を摂るだけというのは何とも勿体ないですし、鯨も浮かばれない気がしてしまったりします...。ある意味牧歌的で、ある種カルト的雰囲気を醸して感じられる気がしたりもします。老若女がニュー・ベッドフォード港から捕鯨漁に出航する"ピークォド号"を寡黙に見送るシーンには何か霊妙なものを感じる気がします。海を舞台に繰り広げられるお話ながら、地に足が着いたしっかりした作品で、見せ方に流石の上手さを感じる気もします。ラストも良く出来ていますし、お腹いっぱい映画を観た感じがします。古さはさして感じません。
大いなる自然...神...偉大なものに対する人の...近代化と宗教(キリスト教)信仰に基づく行い、生き方...大いなる自然への挑戦か...神への冒涜か...セントエルモの火ならぬ...人間の傲慢や愚かさなのか対する自然の...神の...雷なのか...。
"白鯨"にとっては甚だお門違いな、迷惑な話でもありながら、何か心を揺さぶる人間の壮絶で衝撃的で感動的なドラマを感じる気もします。
人生は大いなる暇つぶし...命を捨てて...生きる...。
"ダミアン"
をも倒すことが叶わなかったグレゴリー・ペックに心から哀悼の意を捧げたいと思います...。
ウィキペディアの『白鯨』についての記事には、『なお本作の白鯨は全身が白く、アルビノと思われがちだが、……アルビノではなく、全身が白いわけでもないことが分かる』とありますが、アルビノといえば思い出されるのが
ゆうきまさみさん原案
、
押井守さん脚本、原田奈奈さん演出によるアクション・サスペンス・ロボット(レイバー)・アニメ
「機動警察パトレイバー」
TVシリーズ第38話『地下迷宮物件』、その続編、同
後期OVAシリーズ第13巻『ダンジョン再び』とそしてケヴィン・スペイシー監督、
マット・ディロン主演で間の悪いというか、ツキがない三人の強盗犯が、逃げ込んだ出入り口が一つしかないバーの密室で、警察に包囲される中、人質と繰り広げる立てこもり劇の人間・心理模様を描くギリギリくる心理サスペンス映画作品
「アルビノ・アリゲーター」
です。『機動警察パトレイバー』の『地下迷宮物件』と『ダンジョン再び』は、特車二課棟が建つ埋め立て地に地下に存在する地下水路を探査・捜査する第二小隊一行とそこに生息する白い巨大ワニが繰り広げる追いかけっこが抱腹絶倒だったりしますが、「アルビノ・アリゲーター」は、ケヴィン・スペイシー初監督作品にして、マット・ディロンをはじめ、フェイ・ダナウェイ、ゲイリー・シニーズ、ウィリアム・フィクトナーにヴィゴ・モーテンセンらと渋くて粋なキャストとその作品に見事にマッチした(何というかグレ気味の)演技と雰囲気をしていながら、作品が進むにつれ次第に嫌らしく重苦しく密度を増す危険で険悪な緊迫感、そして何といってもぞっとする程後味の悪い愕然とする結末に、何とも憂鬱で嫌な重たい気持ちにさせられることしきりです...。
全くもって久方振りの投稿だというのに、相変らず支離滅裂なかったるい記事となってしまいました...。
*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
『彼は闇の帝王だ』ー"He is a champion of darkness"
allcinema ONLINE 映画データベース
時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。