2008年06月21日

「殺しの烙印」

「殺しの烙印」
1967年製作 日本
監督:鈴木清順 企画:岩井金男 脚本:具流一栄 美術:川原賢三 音楽:山本直純
出演:宍戸錠、小川万里子、真理アンヌ、南原宏治、玉川伊佐男、南廣、久松洪介、緑川宏、荒井岩衛、長弘、伊豆見雄、宮原徳平、荻道子、野村隆

非情な幻想の世界の中に、必死に自分と自分の居場所を見出そうともがくプロの殺し屋たちの生き果て様を過剰・執拗ともいえる特異なこだわりを感じさせるやの演出、破綻めいたストーリー、微妙で面白いような不可解なような設定、構成の変調(不統一)、モノクロームのスタイリッシュな映像とオープニングで流れる"湯たんぽを抱きな"の台詞パートがインパクトある大和屋竺による主題歌『殺しのブルース』をはじめとした悲哀を漂わせた音楽で魅せられる気がします。ノワールテイストの静かに冷たくピーンと張り詰めた緊張感と虚無感を感じる気もします。炸裂する危険な、危なっかしい鈴木清順ワールドに足を踏み入れてすっかり魅了されてしまったたちです。
刹那的なような...エロティックなような...刹那的なようで...エロティックなようで...気はします。

とにかく飯の炊けるにおいが何よりも好きなプロの殺し屋No.3の"花田五郎"を演じている宍戸錠さんがカッコイイです。顔立ちがチョッともっさりとした感じに映ったりもする気もしますし、カッコイイような、子供じみているというか駄々っ子のような、気障ったらしくて臭いような良くわからない台詞を口にしたりもしますが、そのシビれる表情、野性味に溢れる肉体やモーゼルミリタリーを撃ちまくる姿が匂い立たせる宍戸錠臭さに魅せられます。
"花田"と南廣さん扮する相棒で元ランク入りの殺し屋"春日"が五百万円の報酬で護送を依頼されるある組織の幹部で、凄腕の銃の使い手の"大類進"を演じている南原宏治さんの味わいと風格のある悪党面は何とも魅力的に映ります。"花田"の妻、"真美"を演じている小川万里子さんのちっとも色気が感じられない裸体に騒がしい演技とうるさい存在感や謎の女、"中条美沙子"に扮する真理アンヌさんのエキゾチック、ミステリアス、不気味でクールな美しさ、存在感と味も素っ気もないような演技は作品の不思議な魅力を引き立たせている気もします。"花田"に殺しの依頼をする薮原道彦役の玉川伊佐男さんも味があって効いていると思います。

アタッシュケースに伊藤博文の千円札がぎっしり詰められた"大類"護送の報酬の前金、二百五十万円も何だか凄い気がします。殺しの依頼を遂行する"花田"のテクニック、手口の奇抜さも興味深い気がします。"花田"をはじめとした登場人物たちのキャラクターの何というか突飛さも興味深い気がします。

見たままやも知れませんが、子供の頃に目にした叔父貴が会員だった「キャノンフォトサークル」の月刊会報誌『キャノンフォトサークル』や写真年間『キャノンフォトアニュアル』に掲載されていた応募写真を思い出す気がします。

不思議で変梃で滑稽でスタイリッシュで斬新、奇抜な興味深い雰囲気をムンムンとというよりドライに漂わせるといった、言うなれば鈴木清順映画という感じがする作品やに思います。本作を観た当時の日活の社長、堀久作氏の逆鱗に触れたというのも、わからないではない気もしますが...。

No.1は栄光の座なぞではないということに気づいてはならない...世界観に背を向ける...打ち破る...。

allcinema ONLINE 映画データベース

時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。
posted by ウォルター at 00:36| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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