2008年07月19日

「メゾン・ド・ヒミコ」

「メゾン・ド・ヒミコ」
2005年製作 日本
監督:犬童一心 プロデューサー:久保田修、小川真司 脚本:渡辺あや 撮影: 蔦井孝洋 美術:磯田典宏 衣装:北村道子 編集: 阿部亙英 音楽細野晴臣 音楽プロデューサー:安井輝照明: 疋田ヨシタケ 録音:志満順一 助監督:池上純哉
出演:オダギリジョー、柴咲コウ、 田中泯、西島秀俊、歌澤寅右衛門、青山吉良、 柳澤愼一、井上博一、森山潤久、洋ちゃん、村上大樹、高橋昌也、大河内浩、中村靖日、村石千春、久保麻衣子、田辺季正

監督のお名前、犬童一心さんはカッコイイというか、趣があって印象的に感じられます。脚本を手掛けている市川準監督、池脇千鶴さん主演で剣太郎セガールさんも共演しているドラマ映画作品「大阪物語」や監督を務めている妻夫木聡さんと池脇千鶴さん主演のロマンス・ドラマ映画作品「ジョゼと虎と魚たち」も好かったですし、ファンであるオダギリジョーさんが主演しているということで期待しながらも、テーマがテーマだけに入り込めるかどうか、些か不安を抱きつつ、鑑賞しましたが、違和感なく、面白く観ることが出来ました。程良く見応えある作品やに思います。犬童監督は余り知られていないとのことですが、大林宣彦監督、薬師丸ひろ子さん主演の青春・ファンタジー・サスペンス映画作品「ねらわれた学園」にチョイ役で出演しているとのことです。
大島弓子さんの同名コミックを犬童監督が脚本と編集も手掛け、伊勢谷友介さんと池脇千鶴さん主演で映画化したロマンティック・ファンタジー・ドラマ作品「金髪の草原」を最近になって観ました。ファンタジックでユニークで素敵な映画な気はするのですが、何やらもう一つストンとこなかったりもしました。伊勢谷友介さんは、東京藝術大学美術学部大学院修士課程修了されているのですネ。

静かにゆったりと感じられようと、騒がしく慌ただしく感じられようと、確実に時は流れ行くのですネ。

窓辺から見渡せる砂浜と青い海が美しくも、どこか寂し気にも感じられます。曇り空や暗い波も印象的です。豊かな食卓のシーンには何だかうきうきしてしまいます。

癌で余命幾ばくもないゲイの老人でゲイのための老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ"を設立、運営する"卑弥呼”を演じる田中泯さんは、演技も然ることながら、表情や仕草には味があり、存在感は圧倒的に感じます。舞踏家の鍛え上げられた肉体は美しいですが、末期癌に侵されていることを思い出すと、面白い感じもします。
"卑弥呼”の恋人”春彦"役のオダギリジョーさんの抑制された静かでストレートな中にも、(本作に限ったことではないやも知れませんが、)狂気めいたというかエキセントリックでエクスプローシブなエネルギーを内包した演技が、危う気な隠し味の風味として感じられて好いです。柴咲コウさん扮する"卑弥子"の娘、"沙織”の勤務する塗装会社の"細川専務”役の西島秀俊の擦れて、飄々とした感じの演技も好いやに思います。

愛が深ければ深い程、喪失の恐怖、苦しみや痛みを一入に伴うものなのですネ。

愛憎の描写はシリアスでリアリティーがあり、尚かつ滑稽で馬鹿馬鹿しくありもし、心打たれたり、温かくユーモラスに感じたりして面白かったりします。愛するのにも憎むのにもエネルギーを要するやに思いますが、愛する方が疲れない気がしたりします。ただ、自ら内向きにエネルギーを作用させるのは難しかったりするやに思ったりもします。

ユニバーサルセックスすら意識することなく、一個の人であることと平穏に生きる、生きようとすることの大切さ、尊さ、素敵さと難しさを感じ、考えさせられます。人がエゴイズム、差別、固定観念、嫉妬心、嘲り、欲望、猜疑心、恐怖、弱さや怒りといった一時の感情の昂りや雰囲気に流されてしまうことがあったとして、好ましからざることをしてしまった人ではあっても、その結果傷つけられたり、被害を被った人に許されるか否かは別にして、必ずしも、悪い人とは限りませんし、悪い人ばかりとも限らないやに思います。人の思・想いと人と人の関係性は整合しないこともあり、そうでなくても厄介な面もあるやに思いますが、それでも人と人との繋がりは大切やに思います。諍いがあっても、喧嘩をしようとも、憎しみ合ってさえ、皆仲良く暮らすに越したことはないやに思います。堪え難き苦痛と苦難を伴うこともあるやも知れませんが...。良くも悪くも、私ともあなたとも同じ他者は存在し得ませんし、これは請け売りですが、人は他者が望む通りには生きれないものやに思います(どのような生き方も許されるかどうかとは別ですが...)。

子、親、恋人、愛人、同性愛者や異性愛者から人に成長するのやも知れません。

行きつ戻りつしたりするのも人と人の関係やに思ったりします。

ドラマチックで、もどかしくて、興味深く愉快な作品やにも思います。

まやかしに生きていたとしても、常に恋しい、愛しい想いを抱いていれば...。

老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ"のロケーションには静岡県御前崎にある海辺のレストラン「Cafe Welcome Tea」が使用されているとのことです。お店は昨年閉店してしまったとのことです。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
*覚え書き/心覚え
「可愛いひと(娘)、あなたが好きよ」

I have been tormented by an inferiority complex since my birth.

allcinema ONLINE 映画データベース

時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。

咳止めの薬をもらい、特別な薬というわけでもないようなのですが、症状や体質に合っているのか、これが本当に良く効いて、苦しかった咳がかなり楽になりました。ただ眠くなって仕方ありませんが...。お陰様で風邪も良くなってきているのもあると思います。
posted by ウォルター at 00:32| 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | 鑑賞映画について(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日は。

今日も暑いですね!
体調崩されていた様ですが、薬が効いて良かったですね。夏場の風邪は暑くてマスクも出来ないし、辛いですものね〜。

「メゾン・ド・ヒミコ」は、悪い作品ではないのですが、実は私的には今ひとつでした。期待して見ただけあって残念です。テーマに対して、ドラマに深みが足りない・・っていうか・・。
ただオダギリ・ジョーだけは最高に良かったです。彼はいつでも良いんですよね〜。
もちろん 田中泯さんも良かったです。
Posted by ごみつ at 2008年07月19日 14:51
ごみつさんへ

コメントありがとうございます。

いつも温かいお気遣いをいただきまして本当にありがとうございます。この間、色々なことがあったこともあり、またしても体調を崩して風邪を引いてこじらせてしまいました。お陰様でここに来て薬が効いて苦しかった咳も楽になりましたし、風邪も良くなってきています。まだチョッと胸が痛いのが気になったりはしますが...。この暑さの上に発熱でかなり体力を消耗してしまったのも風邪が長引いてしまった原因の一つやも知れません。酷い咳と胸の痛みに苛まれ、高熱に浮かされて起き上がることもままならなかったこともありましたが、少し良くなった後も、げんなりして食事も殆ど喉を通らす、栄養剤で栄養補給をせざるを得ませんでした。
それにしても暑いですネ。流石にクーラーが苦手な私でも短時間で除湿ですがこまめにリモコンのスイッチをオンにしてしまいがちです。除湿のし過ぎも喉に良くないのかも知れません。
といいますか、私のことなぞよりも、ごみつさんの方こそご病気の新薬による治験治療に伴う副作用の利尿作用による喉の渇き、前回の記事を読ませて頂いたときに受けた印象以上に相当辛いものがあるようですネ。いくらこの暑さとはいえ、1日6?もの水分を摂取せねばならず、30分に1度はトイレに行きたくなるというのは、おっしゃられるように相当難儀で苦痛と思います。とはいえ薬の量を減らしたり、完全に立ってしまうというのはそうそうできることではないでしょうし、かといって、水分を摂取せずに脱水症状になってしまっては大変ですし。ただし喉の渇き以外の副作用というのは出ていないようなのは、幸いと思います。
前回ごみつさんのブログ記事に寄せさせて頂きましたコメントの繰り返しになりますが、お薬の効果が病気に有効なもので、ごみつさんが、必ずやご病気を克服されることを切に信じて疑いません。
くれぐれもご無理し過ぎませんように、お大事になさってください。
胃にやさしくて美味しくて飲みやすくて沢山飲まれるので安価な飲み物ってどうなものがあるのかしら...。

ごみつさんの「メゾン・ド・ヒミコ」を観てのご感想は、ごみつ通信10月号(メルマガ版)で読ませて頂いておりました。私にはこうしたテーマをしているからこそ、ドラマの深みや重みが薄目で仄かに伝わり感じられるくらいな、子供っぽさを感じるというのようなところが、観やすかったりするのやも知れません。人への成長過程のステップというのも描かれているような気がしたりします。
オダギリジョーさん田中泯も然ることながら、西島秀俊さんの演技も好いやに思います。


その節は本当にありがとうございました。またあらためてお礼申し上げさせて頂きたいと思っています。
Posted by ウォルター at 2008年07月19日 17:28
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