2008年08月28日

『不安な童話』

以前の投稿記事『未読の本(積ん読本)』で購入後未読のままになっていた本(積ん読本)の中の一冊、恩田陸さんの『不安な童話』を読みました。
何やら...と思わせられるプロローグにはじまり、唐突に感じられる物語のはじまりと、不安なというより何とも不思議な感覚に陥らされつつ、飽きの来ないバラエティーに富んだある意味新鮮なストーリー展開と、だからこそ時折強く感じさせられるやの恩田陸テイストの魅力にどっぷりとでいうわけでもありませんが、ついつい惹き込まれて読み進めてしまいました。私が好きな恩田陸さんが綴る物語が醸す独特のファンタジックでミステリアスな雰囲気だったり、気象や天気の描写による空気感だったり、感覚描写だったりが強く見て取れる、感じられはするのですが、それが作品全体に行き渡っている風には感じられなかったりもします。それがこの作品の新し味の面白味の一つなのやも知れませんが...。“ノスタルジアの魔術師”と称される恩田陸さんですが、本作にはノスタルジアというよりも回想、追憶感のようなものを感じる気がします。色々なモチーフが軽やかにうまくまとめられているやに思います。ただし、クライマックスからラストにかけての展開や描写はプロローグを見事に踏襲したものとなっていたりもしますし、巧いとは思いつつも、些か物足りなさを覚えてしまいます。その余地、余韻は残されているとは感じつつも、もっとなのか違ったかたちでなのか、ファンタジックでミステリアスなまま閉じて欲しかった気もしたりします。
不思議の内に読み進んでしまうといった飽きさせない微妙(びみょう・みみょう)なバランスのお話の運びをした、興味深い作品やに感じます。娯楽色を感じる気もします。
まずは『不安な童話』の題名に違わぬ雰囲気や感覚をしたお話やに思います。

時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。
posted by ウォルター at 22:22| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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