2008年10月12日

「魍魎の匣」

「魍魎の匣」
2007年製作 日本
監督/脚本:原田眞人 企画:遠谷信幸 原作:京極夏彦『魍魎の匣』(講談社刊)
撮影:柳島克己 美術:池谷仙克 衣装:宮本まさ江 編集:須永弘志 音楽村松崇継 VFXスーパーバイザー:古賀信明 ヘアメイク:小沼みどり 証明:高屋斉 装飾:大坂和美 録音:矢野正人 助監督:谷口正行
出演:堤真一、阿部寛、椎名桔平、宮迫博之、田中麗奈、黒木瞳、マギー、堀部圭亮、荒川良々、笹野高史、大森博史、大沢樹生、右近健一、寺島咲、谷村美月、清水美砂、篠原涼子、宮藤官九郎、柄本明

本作は、以前の投稿記事で取り上げています京極夏彦さんの同名小説を実相寺昭雄さんが監督を務めて、堤真一さん主演で映画化した伝奇ミステリー映画作品「姑獲鳥の夏」の主人公、"憑物落とし"の京極堂こと中禅寺秋彦が機会な難事件に挑む"京極堂シリーズ"の映画化第二弾ということと、特に原作について◯◯君に幾度か解説をしてもらっていたので、観たいとは思っていたのですが、前作で堤さん扮する"京極堂"の友人で小説家の"関口巽"を演じている永瀬正敏さんが本作では腎尿路結石のため残念ながら降板を余儀なくされて、出演されていないということで見送っていたのですが、先日近所のレンタルビデオ店でDVDを借りて観たところ、思いの外とても面白かったです。最近観た映画作品の中で、"面白さ"では一番やも知れません。1週間レンタルをして、4回観てしまいました。

永瀬さんに代わり本作で"関口"を演じている椎名桔平さんは本作の世界観・作風にピッタリというか、本作の世界観を構築形成する大きな要素になっているような気がします。前作で良いクッションの役割を果たしている存在に映った"京極堂"の妹で”稀譚月報”の記者"中禅寺敦子"役の田中麗奈さんは本作では前面に出ていて、炸裂とまではいきませんが、その存在感と魅力がよりストレートに感じられます。チョッピリ大人びた印象ですが、可愛らしいです。"楠本頼子"役の谷村美月さんは瑞々しい、体当たりの熱演を見せてくれていますし(谷村さんは力強い目と鼻孔の開きに意思の強さを感じさせる凛々しい顔立ちの魅力ある女優さんと思います...)、赤井書房の編集者、"鳥口守彦"を演じているマギーさんや宮迫博之さん扮する刑事、"木場修太郎"の部下、"青木文蔵"を演じている堀部圭亮さんは控え目ながら存在感ある演技を披露してくれていると思います。ヒロインの伝説の女優、"柚木陽子/美波絹子"を演じている黒木瞳さんは役に、もしくは役が黒木さんに合っているようで、合っていないような微妙な感じがしてしまったりします。"美馬坂幸四郎"役の柄本明さんは存在感や演技は申し分ないやに思いますが、何となくインパクトに弱い気がしてしまったりします。新進気鋭の幻想文学作家、"久保竣公"を演じている宮藤官九郎は雰囲気を感じるというか、何だか変な感じがして、面白いと思います。堤さんも"京極堂"と"関口"の旧制高等学校の後輩にして"木場"の幼なじみである薔薇十字探偵社の私立探偵で他人の記憶が見える特殊能力の持ち主の"榎木津礼二郎"を演じている阿部寛さんも役を魅力的に演じて魅せてくれていると思います。宮迫さんは本作では役の立ち位置が唐突、中途半端で、演技が過剰に映ってしまったりもして、チョッと役不足な気がします。

本作についても原作小説を読んでいないので映画化にあたりどういった脚色がなされているのかわかりませんが、演出や映像演出・描写表現にはそそられるという程には作り手(監督)特異テイスト、面白味、趣、洒落、妙や遊び心なぞは感じられませんし、前作の魅力として漂って感じられたミステリアスな幻想感や古風で怪しげな和のロマネスクな雰囲気、空気感、目新しい切り口をしたオリジナリティーに富んだ世界観なぞには薄い気もします。"怪奇"現象に対する学術的且つ陰陽道的アプローチや"京極堂"の学術的・科学的論法の口上もインパクが薄らいで感じられる気がします。私が苦手気味な淫靡、倒錯的、エログロ、オドロオドロしくて、怪・妖しく猟奇的な描写もかなりありますが、不思議と目を背けたくなってしまう程の生々しい不快さまでは感じることなく、然程癖なくすっきりまとまっていて、133分という長目の尺も、終盤クライマックスは何となく盛上りに欠けて、余韻に薄い気がしますが、最後まで適度にワクワクさせられて飽きずに観れる作品やに感じます。時間軸を交錯・錯綜させたストーリー展開、登場人物たちの絡ませ方と彼らが関わる各々の事件の交差・繋がりの描き方はうまくバランスしていて、面白いと思いますし(別アングルからのショットなぞも印象的で効果的やに感じます)、村松崇継さんの手になるメインテーマはとても印象的で素敵に感じます。
認識・理解出来てないだけなのやも知れませんが...色々なエッセンスがほどよいバランスで盛り込まれているような気もします...。

是非原作小説を読んでみたいと思います。

前作の「姑獲鳥の夏」という題名をはじめて目にしたときは"のなつ"しか読めませんでしたが、本作の題名「魍魎の匣」をはじめて目にしたときは"の"しか読めませんでした...(汗笑)。

allcinema ONLINE 映画データベース

時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。
posted by ウォルター at 01:51| ☁| Comment(4) | TrackBack(1) | 鑑賞映画について(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今晩は。

「魍魎の匣」(もうりょうのはこって読むんですね。)、そんなに面白かったんだ〜。
4回も見ちゃうなんて、よっぽどですね!

私もこの手の作品は大好きなので是非見たいのですが、いかんせんこのところレンタルショップには全く足を運んでいないんですよね〜。

でも見たいな〜。「姑獲鳥の夏」とあわせてレンタルに行こうかしら。ショップが2駅も先なんで、面倒なんですよね・・。
Posted by ごみつ at 2008年10月12日 23:32
ごみつさんへ

コメントありがとうございます。

面白かったです...というか、私のテイストに合っているだけやも...それもチョッと違うかしら...とにかく私には何だか癖になる作品で、とりあえず、何度観ても飽きない感じです。

ご興味がおありでしたら、機会の折りにご覧になられてみてはと思います。私には本作は、前作の「姑獲鳥の夏」とはかなり異なったテイストをしているやに感じられますが、前作も未見でしたら併せて観て観比べてみるのも一興かと思います。最寄りのかしらのレンタルビデオ店が二駅も先にあるというのは、それは面倒ですネ...横須賀線程は一駅の間隔が長くないとは思いますが...。

ごみつさんはもうご覧になられましたかどうか、一昨日これまた近所のレンタルビデオ店でコーマック・マッカーシーの小説『血と暴力の国』をジョエル・コーエンとイーサン・コーエンが監督、製作、脚本と編集を手掛け、トミー・リー・ジョーンズ、バビエル・バルデムやジョシュ・ブローリンら共演で映画化し、昨年の第80回米アカデミー賞で作品賞をはじめ主要6部門のうち4部門を獲得した犯罪サスペンスドラマ作品「ノーカントリー」を借りて観ましたが、最初から最後まで画面に釘付けでした。
追って記事にして投稿したいと思ってはいますが...。
Posted by ウォルター at 2008年10月13日 02:28
再び今日は。

横須賀線の1駅は、都内の地下鉄の3〜4駅に相当しそうじゃない?(笑)

ところで「ノーカントリー」は公開時に劇場に行きましたよ!凄い作品でした・・。
AOLブログの記事にもしました。

http://diary.jp.aol.com/applet/emmks7f3/20080317/archive

ウォルターさんの記事楽しみにしてます。そしたらTBもさせて下さいね。
Posted by ごみつ at 2008年10月13日 14:13
ごみつさんへ

またまたコメントありがとうございます。

横須賀線の各駅間の平均所要時間は約5分程で、長さはごみつさん、おっしゃるとおり、都内の地下鉄のそれの3〜4駅分、駅によってはそれ以上に相当するやも知れません(苦笑)。

そうでしたそうでした、そもそもレンタルビデオ店で「ノーカントリー」のDVDのジャケットを目にしたときにAOLブログの『ごみつ通信』での作品の記事を思い出して借りてみることにしたのでした。うっかり忘れていました。失礼しました(汗)。

「ノーカントリー」の記事投稿は今のところいつになるのやら...ですので、期待せずに気長にお待ち下さいませ(汗笑)。ごみつさんからのトラックバックでしたら、特にいつでもウェルカムです(笑)。
Posted by ウォルター at 2008年10月13日 17:06
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/107950642

この記事へのトラックバック

田中麗奈主演「思い出トランプ」
Excerpt: 田中麗奈さん主演の 舞台「 思い出トランプ 」 を観て来ました! とてもよかった...
Weblog: 田中麗奈の秘密
Tracked: 2008-10-12 18:15