2005年製作 日本
監督/脚本:ジョン・ウィリアムズ プロデューサー:マーティン・ライクラフト、古川実咲子、戸山剛 エグゼクティブプロデューサー:ブライアン・ホルス 撮影:ベニート・ストランジオ 特殊メイク:原口智生 美術:金田克美 衣装:会田晶子 編集:矢船陽介 音楽
出演:佐藤浩市、木村多江、KIKI、綾田俊樹、歌川雅子、大楽源太、北川さおり、縄田一男、上田耕一、串田和美、柄本明
日本は名古屋在住の英国人映画監督、ジョン・ウィリアムズ(かの有名な米国人作曲家、指揮者と同姓同名ですが、もちろん全くの別人ですし、何ら関係もありません)が、監督、製作、脚本と編集を務めて撮り上げたドラマ映画作品「いちばん美しい夏」に続いて、監督と脚本を手掛けて撮り上げた長編映画第二弾となる古典的な日本の怪談と西洋の童話、ルイス・キャロルこと英国の数学者にして作家のチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンによる古典児童小説『不思議の国のアリス』
ニュートラルながら、日常と非日常、現実と幻想、そしてそれらの狭間と裏側を揺れ動き彷徨い漂う感覚とでもいうやのものを微妙に醸して感じられる気がして、ディープ過ぎも、ダーク過ぎもしない優(・霊)美でデリケートにファンタジックでミステリアスで不安で危うく、そして怪奇でホラーチックもあって、デイヴィッド・リンチの映像作品や小泉八雲の著作品に見るやのテイストの世界観・雰囲気の仄かな漂いや、透き通って冷めた空気感が感じられる綺麗な映像と、その質感や色彩感覚には惹かれるものがあって好きです。欧州の、欧州映画の雰囲気の漂いを感じる気もしたりします。絶妙な和洋折衷を感じる気がしたりもします。
作品、作風や役柄と柄本明さん扮するウサギの着ぐるみを着た不気味な男との出会いをきっかけに、木村多江さん演じる妻、"ちさと"の突然の失踪など不可解な出来事に見舞われるようになり、混沌と迷宮(不思議な国)へと誘われ、徐々に引き寄せられて行き、その淵に立たされる主人公のかつては作家を志したこともあるミステリー小説ファンのサラリーマン、"有須(ありす)"を演じている佐藤浩市さんをはじめとした出演者たちのイメージとの微妙な差異や違和感も魅力やに感じます。
"ちさと"が建築事務所に勤務しているという設定から、"有須"の自宅マンション居間の本棚には、作品の重要な要素となっている"有須"が愛読している串田和美さん演じるミステリー作家、"黒田ジョウ"の小説と並んで英国の建築家、リチャード・ロジャースに関する書籍やオランダ人建築家レム・コールハース、彼が主宰する建築設計事務所のOffice for Metropolitan Architecture(OMA)とカナダ人のグラフィックデザイナーのブルース・マウの共著書である『S,M,L,XL』
"ちさと"の行方を探す"有須"が彼女の鞄の名刺入れの中に残された名刺を見つけて訪ねる上田耕一さん扮する探偵、"森敏郎"の事務所の水槽でもがくように漂い泳いでいるスッポン姿・様は、登場人物達を投影・比喩しているやに感じられたりします。
映像の明暗のコントラスト加減や暗の使い方はとても印象的・効果的で、場面の、作品の雰囲気や世界観を大いに盛り上げているやに感じます。特に、"有須"がKIKIさん演じる不倫相手の"佳世子"の行方を探しに東北にある"スターフィッシュホテル"へ向かう夜の列車内の灯りが消灯したり、点灯したりして、暗くなったり、明るくなったりを繰り返すごく短いシーンの映像描写は、何でもないような気もしつつも、やはりとても印象的・効果的で、場面の、作品の雰囲気や世界観により深みと厚みを持たせていますし、彼の心象をさり気なく(、うまく)仄めかし表現している気がします。"有須"が"佳世子"との密会に"スターフィッシュホテル"へと向かう日中の列車の車窓から臨む雪景色や彼が独り座席に佇む車中の風景は冷たく素敵で印象的に感じます。カメラワークやアングルにも妙を感じるところがある気がします。控え目でデリケートな演出表現はインパクトには薄い気もしますが、かえってうるさくなくて観やすいと感じます。暗転も効果的と思います。
佐藤さんは、上述のように、作風や役と彼のイメージとの微妙な差異や違和感に魅力を感じますし、オーソドックスなようで、独自の雰囲気をまとった渋いダンディーな大人の見応えある演技と存在感を魅せてくれていて、作品を引き締めてくれているやに感じます。戸惑いや狼狽えなぞの心の揺らぎや弱さの演技表現や、どこか虚ろさを漂わせた表情も見応えがあると思います。
KIKIさんは、端整な顔立ちをしていて、クールでエキゾチックでミステリアスな中にコケティッシュさを垣間見せながら、自然に抑制されたクールで朴訥とした演技を魅せてくれていて、作品の雰囲気を盛り上げているやに感じます。妖しさや艶かしさはやや目なのかしら...と感じます。やはり佐伯日菜子さんに雰囲気がチョッと似て映ります。綺麗です...。
純和風の切れ長の目が魅力的なクールビューティーの木村さんは、ナチュラルな艶かしさを醸しつつ、しっとりと落ち着いた雰囲気、演技と存在感を魅せてくれていると思います。
串田さんは、その自然で重厚な趣ある演技と存在感で作品に(謎めいた)深みを与えているやに感じます。
"ちさと"の行方を探す"有須"に彼女が"ワンダーランド"なるいかがわしい会員制クラブで働いていると耳打ちをするウサギの着ぐるみを着た不気味な男を演じている柄本さんは、ややうるさい気もしつつ、インパクトと見応えある演技や存在感と佐藤さんとは異なった意味で作品、作風や役と彼のイメージとの微妙な差異や違和感に魅力を感じる気がします。ウサギの着ぐるみ姿というのは『不思議の国のアリス』をモチーフにしてのことと思いますが、リチャード・ケリー監督、脚本、ジェイク・ギレンホール主演の過去に遡って話しが進むいわゆるリバースムービーと呼ばれ、本国米国のみならず、世界的に話題を呼んだ青春ファンタジーミステリー映画作品「ドニー・ダーコ」
"ちさと"の失踪にまつわる事件の捜査をする刑事役の綾田俊樹さんやその部下の刑事を演じている大楽源太をはじめ、その他脇を固めるキャストの面々も味と癖のある個性的な演技や存在感で作品を支えているやに思います。
日常の...常軌・常気の...暗闇に目が慣れる...混沌、迷宮...ミステリー...錯覚しながら日常を生きている...。
泡沫の夢幻なのか...救いの手を差し伸べに..."デイル・クーパー"のように...惹き込まれるように...堕ちるようにして閉じられるラストも結構好きです..."草薙素子"ならば、誘わない...。
夢の見方を見失い、夢が見難い...心の内外、心と現実、自分と他者や社会...。
現実という幻想に溺れ過ぎているが故に想像を逸している気がしたりします。
想像や妄想に浸っても、幻想に溺れたくはありません。
またしても何が言いたいのやら私は...今回もまた支離滅裂な内容を含んだ苦しい記事となってしまいました...。
本作についても、フランツ・カフカの代表小説の一作、『変身』
しっとりほのかなファンタジックワンダーダークミステリーといった感じの作品で、さして癖無く観やすい気がします。
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時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。
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