2007年07月27日

「ブルースチール/BLUE STEEL」

「ブルースチール/BLUE STEEL」
1990年製作 米国
監督/脚本:キャスリン・ビグロー 製作;オリヴァー・ストーン、エドワード・R・プレスマン 製作総指揮:ローレンス・カザノフ 脚本:エリック・レッド 撮影;アミール・モクリ 音楽;ブラッド・フィーデル
出演:ジェイミー・リー・カーティス、ロン・シルバー、クランシー・ブラウン、ルイーズ・フレッチャー、エリザベス・ベーニャ、フィリップ・ボスコ、ケヴィン・ダン、トム・サイズモア

本作はジェイミー・リー・カーティス主演映画作品ということで、劇場公開時に観に行った作品です。監督のキャスリン・ビグローは当時ジェームズ・キャメロンの奥さんでしたが、翌年離婚されています。後に私が意外と好きなアクションドラマ映画作品でキアヌ・リーブスとパトリック・スウェイジ主演の「ハートブルー」やハリソン・フォード主演のサスペンス・アクションドラマ映画作品「K-19」の監督をされています。本作で監督と共同脚本を手掛けているエリック・レッドが脚本を手掛けている監督作品のアクション・ホラー映画「ニア・ダーク/月夜の出来事」は未見ですので(もしかしたら、観たことあるかも知れませんが忘れてしまいました)今度機会があったら観てみたいと思います。 オリヴァー・ストーンが製作に携わっていたのは、今回記事を書くまで知りませんでした。

不思議というか良くわからない作品という感じもしますが、当時としては特にストーカー、家庭内暴力、父娘の確執、現代都市・男性社会に生きる孤独や満たされぬ思いやストレス、狂気の無差別連続殺人など、ある意味斬新で興味深い内容を織り込んだ作品やにも思います。ローレンス・サンダースのベストセラー、壮絶で物悲しい警察小説+サイコスリラー巨編『魔性の殺人ー第一の殺人』をチョッピリ想起させられなくもなかったりします。暗く青みがかって硬質で深みがる映像はスタイリッシュで美しく、ジェイミー・リー・カーティス扮する女性警官、"メーガン・ターナー"と、とある事件を切っ掛けに強さの象徴と崇め妄信する銃の暴力に魅入られ、彼女に執着し執拗に付きまとうロン・シルバー扮する無差別殺人犯、"ユージン・ハント"の二人の日常と隔絶した世界観、空気感や雰囲気を醸して感じられ、リドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演の傑作サイバーパンクSF映画作品「ブレードランナー」のような映像感覚を想起させられもします。思わせ振りにも感じられるオープニングは嫌いではありません。

アル・パチーノ崩れといったら失礼ですが、そう映らなくもない気がするロン・シルバーの質の悪い倒錯無差別殺人犯のストーカー振りが何とも嫌らしく不気味で不快で、何かに取り憑かれたような鬼気迫る迫真の演技とも捉まえられるのですが、他の出演作で目にしてもどうしても不快に感じてしまいます。まあ悪役を演じていることが多いので、具合良く影響ているとも言えなくはないと思いますが...。娼婦を殺害した後の超越感に浸り興奮、歓喜する凄惨なシーンは特に不快で嫌です。"ユージン"が何をいっているのかや心理描写もピンと来ない感じはします。”メーガン"の上司、"ニック・マン"を演じる"" クランシー・ブラウンは珍しく立ち役を演じていますし、控え目で好感が持てる気がします。フィリップ・ボスコは不遜で後ろめた気で情けな気な"メーガン"の父親、”フランク"を見事に演じているやに思います。"メーガン"の親友でエリザベス・ペーニャ扮する"トレーシー・ペレス"が"メーガン"に恋人にと紹介する会計士、"ハワード"を脇役として活躍しているマット・クレイヴンが演じています。ケヴィン・ダンやトム・サイズモア(この俳優さんは意外に若くてチョッと驚きです)らが脇を固めて意外に作品を締めている気がします。最初の犠牲者となるビジネスマンのおじさんを演じるThomas Dorffという俳優さんは好い味を出している気がします。警視監役のマイク・スターは容姿からも存在感のある役者さんやに思いますが、本作では余り印象にありません。ジェイミー・リー・カーティスは難しい役を体当たりで好演していますし、何より実に少年のようにハンサムで宝塚の男役が似合いそうに綺麗でカッコイイです。特にクライマックスで"ユージーン"と繰り広げる壮絶な銃撃戦のシーンでの凛々しさには惚れ惚れしてしまいます。本作では(も)襲われ役の彼女が後に主演するサスペンス映画作品「マザーズボーイ/危険な再会」では、狂気の悪女を見事に演じているのも本作でのトラウマのせいかと思ったりもします(笑)。近年は児童書作家や慈善活動かとしても活躍されているようですし、引退を仄めかしたりしたこともあるようですが、まだまだ女優業も続けられて、素敵な役に巡り合って欲しいと思います。

演出意図なのか、編集意図なのか釈然としないところもありますし、ラストは意図的なのか、セオリー通りなのかも知れませんが、個人的にはデヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット主演のサスペンス・ミステリー映画作品「セブン」同様とても残念な気がします。

allcinema ONLINE 映画データベース

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明日は、以前の投稿記事で触れました待望の渡辺信一郎監督による近未来SFアクションドラマ作品『カウボーイビバップ』(TVシリーズ)を取り上げる『BSアニメ夜話』横浜市記念会館で開催される公開収録を観覧に行って参ります。
posted by ウォルター at 21:12| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(外国映画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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