2007年09月07日

「雨の町」

「雨の町」
2006年製作 日本
監督/脚本:田中誠 プロデューサー:松浦強 エグゼクティブプロデューサー:小澤俊晴、林瑞峰、阪上仁志、栗田陽子、宇田川寧 原作/出演:菊地秀行『雨の町』 脚本協力:奥寺佐渡子 撮影:松本ヨシユキ 美術:安宅紀史 衣装:宮本まさ江 編集:大永昌弘 音楽:遠藤浩二 エンディングテーマ/出演:菊地成孔『愛の感染』 照明:矢部一男 助監督;武正晴
出演:和田聰宏、真木よう子、成海璃子、武重勉、長島弘宜、前橋聖丈、品川徹、光石研、安田顕、江口のりこ、内田春菊、桂亜沙美、土屋良太、北山雅康、永野哲志、清水昭博、渡部駿太、上田耕一、絵沢萌子、草薙幸二郎

未読ですが、以前の投稿記事で取り上げた川尻善昭監督/脚本/絵コンテのホラー・アクションアニメ映画作品「バンパイアハンターD」の原作者で伝奇小説家の菊地秀行さんによる幻想ホラー短編集『死愁記』に収録されている一遍『雨の町』をこちらも以前の投稿記事で取り上げた鳥肌実さん主演のコメディドラマ映画作品「タナカヒロシのすべて」で監督/脚本を手掛けている田中誠監督が同じく監督/脚本を手掛けて映画化した作品です。内容は原作と異なるとのことです。是非読んでみたい気がします。

かなり私好みの作品です。

恐怖に、惨さに、嫌悪感に目を覆い、眉間に皺よ寄せ、罵り、切なさに涙しながら観ました。特に序盤の目を覆いたくなるような大人たちの子供に対する酷く惨い仕打ちには、怒りと恐怖と哀れさと無力感の悔しさに反吐が出る気分になり、涙が込み上げます。私もそうではないとは言い切れないのやも知れませんが、ロクデナシ共をぶっとばしてやりたい気がしてしまいますが...。
怖くて、切なく遣る瀬なくて、怖い作品やに思います。もう一押しが切なく遣る瀬なくて怖くて堪りません。

怖いのは人の心...利己心と無関心と好奇心と無知と思い込みと畏れと恐怖...過疎と都会化...信頼と誤解と裏切り...責任と無責任...小鬼と鬼畜。

以前の投稿記事で取り上げた諸星大二郎さんの漫画、処女連載シリーズである『妖怪ハンター』の一作、『生命の木』をホラー映画作品「リング」シリーズ「呪怨」シリーズのプロデューサー・製作者でもある一瀬隆重さんのプロデュース、藤澤恵麻さんと阿部寛さん主演で映画化したミステリー・サスペンス作品「奇談 キダン」と同じような雰囲気をした作品やに感じます。市川崑監督、石坂浩二さん主演による映画作品「金田一耕助」シリーズに漂って感じるような切なさ、遣る瀬なさを感じる気もします。ジョン・バンダムの原作小説『呪われた村』をジョン・カーペンターが「スーパーマン」シリーズのクリストファー・リーヴ主演でリメイク映画化したSFホラー作品「光る眼」を想起させられる気もします。

主人公のルポライター、"兼石荘太"を演じている和田聰宏さんは浅野忠信さんに似た雰囲気を感じる気がします。役にとても合っている気がします。指がセクシーと思います。村役場の福祉課の職員の女性、"香坂文緒"役を演じている真木よう子さんは、本作では一応ヒロイン役ながら登場シーンが少な目な気もしますし、やや印象に薄い気がしますが、彼女らしい独特の存在感と演技で魅せてくれているやに感じます。どことなく思い詰めたような表情が悩ましく感じます。35年前に丙村で集団失踪した小学生の内の一人、"高橋絇子"を演じている成海璃子さんは切な気な微妙な表情が印象的な雰囲気を持った女優さんやに感じます。失踪した小学生の一人、"内田伸"の父親を演じている草薙幸二郎さんは久しぶりに観ましたが、相変わらず味のある存在感を放っていて、嬉しい気がします。内田春菊さんはリアルでインパクトある憎々しい演技を見せてくれています。上田耕一さんはチョコッとしか出演していませんが、存在感ある演技を見せてくれていて、作品を引き締めているやに思います。“伸"の弟で集団失踪した小学生唯一の生還者、"安場サダヒロ"役の武重勉さんと"伸"と"サダヒロ"の母親役の絵沢萠子さんも存在感と味のある演技を見せてくれていて、特に武重勉さんは結構気になります。菊地秀行さんの弟さん、菊地成孔さんが手掛けているエンディングテーマも中々好いやに思います。お二方共本作に出演されています。

スパゲッティとライスというのはどうかと思います。

民話・もののけ話と現実の現実のミクスチュアをモチーフにしていて、今市子さん『百鬼夜行抄』好きとしては堪らないですし、意味深く見応えあるとても興味深い作品やに思います。

人にも天ん邪鬼にも人格・天ん邪鬼格があるということやも知れません。

社会の、人の有り様を抉っている...人の卑しさや惨さの戒めを痛烈痛切に感じる気がします。恐れども目を背けず、見据え、向き合わねばならない(のに、そうし難い)事実が世の中にはあると思います。いつまでもは傍観者のままでいられるものでもないやにも思います。利己のために他者の存在を蔑ろにすることに依存し切ってしまうということは...。幸か不幸か全知全能ではない人による不情、不条理や矛盾に満ちた世の中とはいえ...。生き難かったり、都合が悪かったりするのは、悪い他者がいるいるせいばかりではないやに思います。
ならば…どうにかせねば...どうすれば...。

作品をどれだけ読みとれているのかわかりませんが、意味ありげな雰囲気や空気感は私好みで、とても惹かれるものがあるのは確かと思います。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
「見えない見えない何にも見えない」

allcinema ONLINE 映画データベース
posted by ウォルター at 00:25| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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