2007年10月28日

「悪夢探偵/NIGHTMARE DETECTIVE」

「悪夢探偵/NIGHTMARE DETECTIVE」
2006年製作 日本
監督/プロデューサー/脚本/撮影/美術/編集:塚本晋也 プロデュサー/助監督:川原伸一 プロデュサー:武部由実子 エグゼクティブプロデューサー:牛山拓ニ 撮影:志田貴之 音楽:石川忠 VFX:GONZO REVOLUTION エンディングテーマ:フジファブリック『蒼い鳥』 音響効果:北田雅也 特殊造形:織田尚 黒木久勝
出演:松田龍平、hitomi、安藤政信、大杉漣、猪俣ユキ、村木仁、ふせえり、鈴木卓爾、原田芳雄、塚本晋也

前評判にしては劇場公開後の評価や反響にはかなりばらつきが見受けられた気がしましたので、些か不安な気持ちを抱きつつ観ましたが、まずまず面白かったです。
 
お話は斬新とは思えませんが、アプローチと切取り方というか、設定やキャラクター設定は興味深いですし、塚本晋也監督のテイストが感じられて、まずまず面白いと思います。ただ、エンターテイメント作品ですし、ロードショー作品ということもあるやも知れませんが、映像が醸す陰惨、殺伐とした雰囲気や描写は控え目というか、寸止めな感じが、私としては、かなりグロテスクで痛い凄惨な描写もありますので、怖くなり過ぎずに済む分、救いではありますが、塚本監督作品の魅力という意味ではやや物足りない気がしなくもありません。主要な登場人物が少な目なのは好いやに思います。勘所意外のシーンにより塚本監督のテイストが感じられる気がします。第9回ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞した塚本監督の初期サイバーパンク・ホラー映画作品「鉄男」は私には不快極まりなく好きな作品ではありませんが、かなり衝撃的ではありました。この作品を見たお蔭で、次第に肉体が金属化していくサラリーマン、"鉄男"を演じている田口トモロヲさんが暫く嫌いでした。塚本監督は顔つきがチョッとミュージシャン、作曲家、音楽プロデューサー、音楽評論家の近田春夫さんに似ている気がします。

事件の起因である"0(ゼロ)"の"ヤツ"の悪夢の囁き(が明かされる段で)は(矛盾も含めて)そうでもないです(弱い気がします)が、事件の結末や終いには説得と納得、そして何となくカタルシスというか、シンパシーを感じてしまう気がします。残酷な仕方だけど、...気づかせられる気がします。

悪夢の描写は過激、不気味、不快でスピード感ある気がしますが、迫り来る恐怖には緊迫感というよりもめくるめくような不快感、焦燥感と昏倒感を強く覚える気がします。

アンパンを食べたくなってしまったから不思議です。

警察署内の雰囲気や課員の一風変わった顔ぶれなど、面白さはどうかわかりませんが、遊び心・ユーモアは忘れていない気がします。

ちらつかされる"影沼"と"霧島"の曰くありげな過去の暗示にも興味を惹かれる気がします。

俳優としても活躍されていて、これまでも自身の作品に主演・出演している塚本監督ですが、本作にも出演しているというのは知りませんでしたので、その登場には役も含めて、少しオヤッと思いましたが、インパクトある演技と存在感を見せてくれているやに思います。
立て続けに発生した不可解な自殺事件の捜査に当たる警視庁キャリアの女性刑事、"霧島慶子"を演じている歌手のhitomiさんについては、まだその演技を観慣れていないこともあってか、特に独白っぽい台詞回しと声のトーンに芝居じみたというか、取って付けたような違和感を感じてしまいます。異質な感じが面白いのかも知れませんが、かなり重要な役所を演じていますので、彼女に対する印象評価が作品の印象評価を多分に左右する気がします。どうしても引っ張られてしまう気がします。
安藤政信さん扮する"若宮刑事"は可哀相な気がします。
"関谷刑事"を演じている大杉漣さんの役どころはありきたりなようでいてありきたりになっておらず、役も大杉さんの存在も作品のクッションとして効いている気がします。大杉さんは意外に薄味だけど、しっかり(面白)味がある重宝な役者さんやに思います。
冒頭のエピソードと登場する"大石恵三"を演じている原田芳雄さんの演技は面白く感じます。
上で触れている"0(ゼロ)"の"ヤツ"の悪夢の囁きよりもここで描かれ語られている思・想いの方がより辛辣かつ平明で印象的な気がしたりします。悪夢に苛まれる父親の恩師である"大石"を救うために彼の夢の中に入る他人の夢に入ることが出来る因果な特殊能力を有する青年、"影沼京一"、又の名を"悪夢探偵"を演じる松田龍平さんと原田さんとのツーショットは嬉しいです。
龍平さんは役にピッタリやに思います。他人の悪夢を共有することのよる精神的苦悩を見事に表現しているやに思います。悩まし気でぶっきらぼうで妖しく繊細な雰囲気には惹かれます。苦悩、ひるみや感情の吐露などの表情、微妙な表情の変化や演技は何とも魅力的に感じます。思い詰めた表情が美しく綺麗で様になって映ります。どうしてもついついお父さんの優作さんの面影を探してしまいますが、それは宿しつつも、クール・寂し気・悲し気な妖艶さに独特のユーモラスさを垣間見せる魅力的な存在感と雰囲気を感じます。登場時間は意外と短い気がします。

悪夢に気づかされる自分もあるやも知れません...。
呪縛と思えば思う程、逃れられなかったりするのやも知れません...。

2作目の製作が既に始動しているとのことで、まずまず楽しみです。

怖い怖い、苦手苦手といいつつ、最近ホラー系の映画作品を立て続けに観てしまっています。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
「ああ、いやだ、ああああ、いやだ。ああ、いやだ...」

allcinema ONLINE 映画データベース

昨日何気なくTVを観ていましたら、お風呂で手鼻をかむのかまないのという話題が出ていて、チョッと汚い話ですが、そういえば、中学生の時、手鼻を器用に飛ばし、自らの半径50cm〜1mくらいのところにかなりの精度で当てることができる同級生がいたのを思い出しました。
posted by ウォルター at 00:05| ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 鑑賞映画について(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: し・しまった。なんの情報もなしに観てしまった。先入観が待ったく無いと何が起きるのか楽しい。『悪夢探偵』というくらいだから江戸川乱歩の作品イメージで、明智小五郎みたいなも...
Weblog: CARAMEL*PAPA
Tracked: 2007-12-19 22:06