2008年06月08日

「壁男」

「壁男」
2007年製作 日本
監督/脚本/プロデューサー:早川渉 プロデューサー:波多野ゆかり、稲田秀樹(
共同テレビジョン) 原作:諸星大二郎{『壁男』(マガジンハウス刊『夢の木の下で』収録) 撮影:國松正義 美術:高田久男 編集:笹崎寛幸 音楽:阿部一貴 効果/整音:横山達夫 照明:小園善夫 録音:秋元大輔 助監督:川瀬準也
出演:堺雅人、小野真弓、山崎大昇、渡辺香奈子、宮嶋総士、西村麻衣子、水戸ひねき

堺雅人さん主演のホラー映画(にも関わらず)ということで、近所のレンタルビデオ店でDVDを借りて観てみました。諸星大二郎さんの同名短編漫画を初監督の16ミリ長編映画作品 『7/25 nana-ni-go』が1999年の関羽映画祭国際批評家週間に正式出品され高い評価を受けた早川渉さんが監督、プロデュースと脚本を手掛けて映画化した作品です。原作は未読です。ほぼ全編が北海道の札幌市で撮影され、スタッフもその殆どが北海道にゆかりがあるとのことです。全編HD(ハイディフィニション)映像で制作されているとのことでもあります。どんな映画かしらと観はじめ、冒頭、タイトルバックに映し出される雪に覆われた北海道の街の遠景映像には期待が持てる気がしたのですが...HD映像が醸す雰囲気や空気感は悪くない気がしますし、壁の中に潜んでいる人間でも妖怪でもない存在であるという"壁男"の噂に関する投書に興味を抱き、取材をし、レポーターを務めるテレビ局の情報バラエティー番組で"壁男"の噂について紹介をする"金澤響子"役の小野真弓さんや"壁男"に異常な執着を抱くようになる"響子"の同棲している恋人でカメラマンの"仁科光"を演じている堺雅人さんら出演者の皆さんの演技もまずまずですし、コンセプトや設定には面白味を感じるのですが、わかりにくい感じもしますし、作品の世界観や雰囲気、お話の展開や演出に物足らなさを感じてしまい、もう一押し欲しい気がするというか、何というか中途半端というかどっちつかずな気がして、もう少し"納得"や"説得"が上手い具合になされていたらと感じてしまったりします。ホラー映画の恐さを殆ど感じないで済むのは、(面白味に欠けるという向きもあるやも知れませんが、)私にとっては救いです。

98分と短尺にまとめられているのは悪くないやに思いますが、"仁科"が"壁男"への執着を深めて行く様は、もう少し平易に丁寧にじっくり描いて見せて欲しかった気もします。"仁科"を演じている堺さんの演技、取り憑かれたような思い詰めた表情といやらしい目や雰囲気はイイと思います。"響子"を演じている小野さんも悪くないと思いますが、もっと素っ頓狂さがある演技を見せてくれていても白かったやも知れないなぞと思ったりもします。"響子"の上司、"佐藤"を演じているメディアコーディネーター、ロケーションコーディネーターの渋谷明都さんの目の表情は何ともインパクトがあって印象的に映ります。

"響子"と"仁科"が名前のないレストランのカウンターで寛ぎ食事をしながら、内でも外でもない境界(中間、中位)=ミディアムの複数形がメディアである云々について語り合うシーンはとても興味をそそられる気がするのですが...。メディアコミュニケーションの有り様の何たるかなのかしら...都市伝説には謂れがあったりもしますし....壁があるから"壁男"は存在し得るのかしら...それとも...『壁の中に誰かがいる』かも知れませんし...不条理なのかしら...。

あなたは誰ですか...私自身って何...無い物ねだりなのやも知れません...。

allcinema ONLINE 映画データベース

時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。

メディアはことの本質を曖昧にし、遠ざけてしまったりすることがあるやに思います...送り手と受け手双方の問題により...メディアを支えているのは"我々"が構築している社会であるとする決して間違いではない意識・認識のやっかいさ...自分が自分がとは思いつつの"私"の欠如...。
posted by ウォルター at 20:52| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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