2009年12月24日

「真木栗ノ穴」

近所のレンタルビデオ店で何度となくDVDのパッケージを棚から手に取っては、エロチックな内容を含んでいるというのが何だかちょっと気がかりなようで、戻し、また手に取ってを繰り返し、借りて観ようかどうかさんざん迷った挙句、主演が結構お気に入りの俳優さんである西島秀俊さんとうことで、以前の投稿記事で取り上げています塚本晋也監督、松田龍平さん主演のサスペンス・ミステリー・ホラー映画作品「悪夢探偵2」と共に山本亜紀子さんのホラー小説『穴』深川栄洋監督が脚本をも手がけて映画化したエロチック・ミステリー・ホラー作品「真木栗ノ穴」を借りて観てみました。その昭和モダンテイストというか大正ロマンテイストとうかが溢れるレトロでクラシカルでノスタルジックで、懐かしく馴染みある身近なような日常の片隅感漂う、白日夢のようなユーモラスで官能的で切ない幻想的奇譚の魅力に酔いしれ魅了され、この間、何度となく借りて繰り返し観ていますが、未だ飽きることはありません。
西島さん演じる売れない作家、”真木栗勉(まきぐりべん)”の担当編集者、”浅香成美”に扮する木下あゆ美さんは、そのクールビューティーさに垣間見せるしおらしさや、座ったスーツのミニスカートから覗かせる太ももには、いやらしい言い回しになってしまいますが、そそられて堪らないものがあります。栗原正尚さんによる同名漫画をTVドラマ化した『怨み屋本舗』シリーズでの”怨み屋/宝条栞(ほうじょうしおり)”役なぞより本作のような役を演じたほうがより魅力的やに感じます。”沖本シズエ”役のキムラ緑子さんとその切なく、哀しい演技にもそそられるものがあります。
椿 Tsubakiさんが歌うエンディングテーマ『めぐり逢えたのは夢じゃない』 はしっとり切なく、哀しく、素敵に耳に心に響くものがあります。何やら葉菜(Bana)さんが歌うTVSFサスペンス・ホラーアニメ作品『Witch Hunter ROBIN』のエンディングテーマ『half pain』を思い出したりもします。

現実逃避的な安らぎのようなものを感じます。

未だ覚めやらぬ「真木栗ノ穴」という夢から覚めたなら、DVDの購入を検討したいと思っています。

現実逃避するのにもってこいの作品やも知れません。

本作についきましてはまたあらためて記事にして投稿したいと思います。

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2009年08月12日

「伊藤の話」

「伊藤の話」
2008年製作 日本
監督:秋原正俊 原作:小泉八雲『伊藤則資の話』 脚本/編集:落合雪恵 音楽:スティーヴ・エトウ
出演:温水洋一、田丸麻紀、加藤夏希、江口のりこ、市川男寅、十日市秀悦、今村祈履、烏丸せつこ

秋原正俊監督が小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんの小説『伊藤則資の話』をモチーフに舞台を現代の青森は八戸久慈にして、温水洋一さん主演で映画化したファンタジードラマ作品です。

拙ブログの投稿記事にて秋原正俊監督による映画作品を取り上げるのはもう今回で6作目になりますが、本作にもまた魅せられてしまいました。新たに作品を観る毎に濃くと深みが増して感じられる秋原監督独特の、透明感があって、淑やかで上品なセンスが感じられる演出、映像とその描写・表現と出演者の飾らない演技が織りなす不思議で微妙でデリケートな趣、雰囲気やテンションとそして体感しているかのように感じられる空気感をした(魅惑的な)魅力に益々惹かれて飽きません。画面に映し出されているものの雰囲気や空気感のみならず、音までもが感じられるようでもあって、とにかく妙に惹かれるものがあります。日常のそこここに見受けられるような何でもなさ気な被写体や場面の切り取り方、カメラワーク、フォーカシング、レイアウト、構図、構成、唐突だったり、ぶっきらぼうだったり、ざっくりとしているやに感じられる繋ぎも見受けられるものの、テンポの良いカット割と編集の妙や光の使い方による描写の仕方に至るまで、とても興味深く、フィルムに撮り切れては...切っては、画面に映し切っては...切れては、描き切っては...切れてはいないものが感じられて、想像力を掻き立てさせられるものがあります。構成(展開)は、もしかしたら絶妙やも知れません...。一見何でもないようなありきたりなようなオープニングのタイトルバックの刺々しく険しく且つ美しくインパクトある何の林なのかの景観の映像と音響からして眩惑されるが如く、どっぶりと魅了されてしまいます。有機的なのに無機的に感じられるカットバック・インサートされる自然の風景・情景描写にはその美しさや不気味さの中に何かを感じさせられます。作品全体にも濃くと深みが増して感じられる気がします。落合雪恵さんによる脚本と編集にも妙を感じます

幻想的で、神秘的で、怪奇的ながら、おどろおどろしい恐怖、不気味さや毒気の押しつけはなされておらず、日常のそこここ(の片隅)に見受けられるような不思議や、そして何というか、イメージを超越したかの幻想と現実の交錯が、日常・日情感がひしひしと感じられる体感的な雰囲気や空気感をもって大人しく、何やら透明という色が感じられるように感覚的に描かれているやに見受けられて、何とも魅惑・眩惑的に魅力的で惹かれます。本作も残念ながら原作は未読ですが、見事な、もしかしたらそれ以上の映像化なのではないかとすら感じます。
日常に異界がいつしかふと、静かに、密やかに浸食するというような片隅感が、抗えない因縁の哀しさ切なさ残酷さ不気味さや不安を増し、深めて感じさせるような気がします。

温水洋一さん演じる"伊藤則資"がビジネス学科の教授として赴任することとなった八戸大学へ向かうタクシーの中で、以前教師として勤務していた熊谷の女子校の卒業式を回想するシーンのひっそりと冷ややかな描写、教室に舞う塵のそれには何やら堪らないものを感じたりもします。江口のりこさん扮する彼の同僚の冷たく理不尽な英語女教師のスピーチはもっともらしいようで何を言っているのか良くわからなくもあったりします。彼女が抱くエゴセントリック・エゴイスティックな人生の美意識というか、美しさに対する幻想への執着心が卑しく嫌らしく恐ろしいものにすら感じられたりもします。"伊藤"と田丸麻紀さん扮する助手の"寺島みや子"が何気ない会話を交わしながら大学の渡り廊下を歩く二人を後方から撮ったシーンなぞも何だか意味あり気で、とても印象的に感じたりもします。

"伊藤"を主演している温水洋一さんは、全く違和感無いどころか、むしろ役にピッタリマッチして見えてくる味と濃くのある演技を見せてくれていて、二枚目にさえ映るところもある気もします。一見冴えない新赴任の教授、"伊藤"に秘かに心惹かれゆく控え目のようで積極的な助手の"みや子"を演じている田丸麻紀さんは、そのすれていない自然体の演技と醸す清楚で無垢な雰囲気と存在感が素敵で好感が持てます。スタスタした感じやチョッとした所作に彼女なりの演技のリアリティーが感じられるようで面白かったりします。自分を大学に迎えた直後、突如失踪してしまった十日市秀悦さん演じる"小田島"教授の行方を探るべく、自分を推薦してくれたという"琥珀館"の女主人を訪ねた帰り道の"伊藤"を奉公しているという屋敷へと招く古風な言葉遣いの少年に扮している市川男寅さんは、以前の投稿記事で取り上げています秋原監督が宮沢賢治さんの名作童話『銀河鉄道の夜』を現代の東北地方を舞台に映画化した文芸青春ドラマ「銀河鉄道の夜 I carry a ticket of eternity」での可愛らしかった"カムパネルラ"役から随分大人びて映ります。凛々しい目をしています。江口のりこさんは少ししか出演ていませんが、個性的なインパクトある演技、存在感と雰囲気で"伊藤"の元同僚の冷たく理不尽な英語女教師を妙演して見せてくれているやに思います。見目麗しき屋敷に住まう姫君を演じている加藤夏希さんは、重要な役ながら、出演シーンがごく僅かなこともあってか、印象に薄くて、魅力ある女優さんやに思うだけにチョッと残念な気がします。"琥珀館"の女主人にして姫君の乳母に扮している烏丸せつこさんも何となく印象に薄い気がします。もっと灰汁のある演技を見せて欲しかった気もします。

いちご煮、締め鯖に八戸ラーメン(お稲荷さん付き)...もっと食事をするシーンを盛り込んでくれても良かったかなと思ったりもします。

千年の因縁と共に久慈の屋敷に住まう長き眠りから目醒めしいにしえの目見麗しき琥珀の妖精の姫君...差し詰め千年カマキリ姫たるあやかしか、魑魅魍魎...に焦がれられ、惑わされ、魅入られたことで、自らの日常現実への幻滅に気づかされるのか、眩惑・錯覚させられるのかして、そして魂を彷徨わせ浮遊させられて、異界へと境界を越え誘われる...愛というのだろうか、如何わしくピュアで、哀しく切なく残酷な想い...迷惑な話...としても...。
ハーロックは宇宙(そら) へ...素子は情報の海へ...そして伊藤は...。
かけがえのない何かを見出してしまったことによる孤独と愁いに満たされぬ自分と自分の心、思・想いに突き動かされ、誘われているかのようで...何やらペーソスとシンパシーを感じる気がします...。

今市子さんの人気妖怪・ホラー・ミステリーコミック『百鬼夜行抄』好きとしても堪らないものがあります。

まどろみにふと現実と異界の狭間の迷宮に陥り、彷徨ってみるのも...。

思い入れのせいもあってか、今回も久方振りの投稿だというのに、またかなり支離滅裂な苦しい記事となってしまいました。語彙、表現力、文章力のなさがもどかしいです...。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
"たつとりあとをにごさず”
"因果性に共時性と受け取れる事象をかけ 交わることのない因縁の別離したバランスを開放し浮遊する そのバランスは無数の(に)根を張り (そして)絡まり 一つの因果として(なって)開放されるのだ (私は)その共時性と受け取れる(思われる)ような事象を (その)浮遊した(自分)自身を安定させるために(開放することを)”
"その内行ってみましょうか"


先日までは涼しい日が何日か続きましたが、夏の暑さもまだまだこれからだと思います。そこでこの夏、暇なお休みの日にでも、がっつりというのではなく、ゆったりとリラックスした気持ちで観れそうな映画作品を過去の投稿記事で取り上げた中からとそれ以外から二三挙げてみたいと思います。まず一本目は大林宣彦監督が「尾道三部作」の第一作とされる青春ファンタジックコメディ映画作品「転校生」の原作ジュブナイル『おれがあいつであいつがおれで』、完結編とされる青春ファンタジックロマンス映画作品「さびしんぼう」の原作ジュブナイル『なんだかへんて子』とノスタルジックファンタジーロマンス映画作品「はるか、ノスタルジィ」同名原作小説に続き児童よみもの作家(児童文学作家)の山中恒さんのジュブナイル『とんでろ じいちゃん』を脚本をも手掛けて映画化した「新・尾道三部作」完結編となる若草の香るような熱く、濃く淡い、切な気な想いの思い出と想・思いやつきまとう苦い記憶と悔恨の念などの想・思いの継承のファンタジックな描写が絶妙な気がするファンタジードラマ作品「あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜」です。二本目はスティーヴン・スピルバーグ監督の大ヒット海洋生物サスペンス・パニック・アドベンチャー映画作品「JAWS/ジョーズ」原作と脚本を手掛けている(TVレポーター役で出演もしています)ピーター・ベンチリー自らがトレイシー・キーナン・ウィンと共に脚本化した自身の同名小説をピーター・イエーツ監督がロバート・ショウ、ジャクリーン・ビセット、ニック・ノルティやルイス・ゴセット・Jrら共演で映画化した中々サスペンスフルで結構な迫力を感じる海洋アドベンチャーサスペンス作品「ザ・ディープ」です。三本目は古屋兎丸(ふるやうさまる)さんの短編漫画集『Wsamarus 2001』に収録されている同名の一遍をミュージックビデオ出身で本作が映画監督デビューとなるウスイヒロシさんが加藤ローサさん主演で映画化した胸騒ぎを覚えるような危う気でファンタジックでメルヘンチックな清涼感ある清々しく綺麗なドラマ作品「いちばんきれいな水」です。そして、おまけとして佐藤竜雄監督によるTVSFラブコメディロボットアニメ作品『機動戦艦ナデシコ』の続編に当たる劇場版アニメ作品「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-」です。「あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜」につきましては、尾道の空の色の青さをはじめ映像は瑞々しく鮮やかで、趣きも感じられますし、暑い夏の映像描写なぞには懐かしき少年(子供)の日を思い出させられるようで、秀逸に感じられます。「ザ・ディープ」につきましては、クライマックス、海底に沈む難破船内で繰り広げられる対決シーンはドキドキハラハラ、エキサイティングで見応えあるやに思いますし、クールで知的に美しくエネルギッシュでセクシーな日焼けしたジャクリーン・ビセットの肢体(白いTシャツ姿)と青く美しい海が眩しくて心地良く、魅惑的に感じます。「いちばんきれいな水」につきましては、とにかく11年間眠り続けていた現代の『いばら姫』"谷村愛"を演じている加藤ローサさんの可愛さ綺麗さに魅了されてしまいます。「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-」につきましては、冒頭、タイトルデザインがスクリーンに浮かび上がるシーンは何だか、何とも(夏)休み映画っぽい感じがしたりします。

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2009年07月27日

「君よ憤怒の河を渉れ」

先日ふとしたことから、久しぶりに西村寿行さんの同名小説を佐藤純弥監督が田坂啓さんと共に脚本を手掛け、高倉健さん主演、原田芳雄さんや中野良子さんら共演で映画化したサスペンス・アクション作品「君よ憤怒の河を渉れ」を観ました。以前といっても、随分前に観たときにはかなり面白いと感じた印象を持っていたのですが...。今観てみるとお話自体には、目新しさというのは感じないものの、展開のテンポは悪くないですし、無実の罪を着せられ、警察の追跡を逃れながら真犯人を捜す現職東京地検検事の"杜丘冬人(もりおかふゆと)"を無骨ながらも誠実で男気たっぷりに演じて魅せてくれている高倉健さんはいうまでもなくとにかくカッコイイですし、"杜丘"を執拗な追跡で追い詰める警視庁捜査一課の警部、"矢村"をやさぐれていて、ニヒルで男臭く演じている原田芳雄さんのその魅力を如何なく魅せてくれている演技と存在感は面白く印象的で見応えがありますし、自分を無実の罪に陥れた虚偽の罪の供述をした、田中邦衛さん演じる"寺田俊明"こと"横路敬二"を捜して向かった北海道の様似(さまに)で、待ち受けていた警察を逃れて日高山中に逃げ込んだ"杜丘"にヒグマに襲われ、あわやというところを助けられ、"杜丘"に心惹かれる若く美しい令嬢、"真由美"に扮している中野良子さんは知的で凛々しく美しいですし、"杜丘"の上司で、検察・警察組織の対面の保持ばかりにこだわり、事件捜査(処理)にあたる検事正の"伊藤"を演じている池部良さんと精神病院の院長、"堂塔"に扮している岡田英次さんの小役人ぶりと悪党振りも中々捨て難いものがありますし、ハードボイルドというか、シリアスで硬派な雰囲気の中にチョッピリ可笑しみが盛り込まれていたりもして愉しかたりもしますし、青山八郎さんの手になる音楽、特に沢田靖司さんのスキャットによる『孤独の逃亡』と、どこかで聴いたことがあるような軽快でサスペンスフルなシーンに場違いにも聴こえる『白いサスペンス』のある意味での秀逸さなぞなぞ見所には欠かないものの、展開や演出はインパクトがあって面白く興味を惹かれる反面、些か強引で、それを補う微妙な"説得"や"納得"にも物足らず、どうも些か拍子抜けをしてしまいました。ともあれ何より、題名の「君よ憤怒の河を渉れ」はインパクトがあって印象的なのは確かと思いますが...。

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2009年01月12日

「スターフィッシュホテル」

「スターフィッシュホテル」
2005年製作 日本
監督/脚本:ジョン・ウィリアムズ プロデューサー:マーティン・ライクラフト、古川実咲子、戸山剛 エグゼクティブプロデューサー:ブライアン・ホルス 撮影:ベニート・ストランジオ 特殊メイク:原口智生 美術:金田克美 衣装:会田晶子 編集:矢船陽介 音楽:武石聡、永井晶子 主題歌:ケイコ・リー『夢幻蒼』 コンセプチャルデザイン:斉藤岩男 音響効果:渡部健一照明:仲西佑介 装飾:松田光畝 録音:山方浩 助監督:松田光畝
出演:佐藤浩市、木村多江、KIKI、綾田俊樹、歌川雅子、大楽源太、北川さおり、縄田一男、上田耕一、串田和美、柄本明

日本は名古屋在住の英国人映画監督、ジョン・ウィリアムズ(かの有名な米国人作曲家、指揮者と同姓同名ですが、もちろん全くの別人ですし、何ら関係もありません)が、監督、製作、脚本と編集を務めて撮り上げたドラマ映画作品「いちばん美しい夏」に続いて、監督と脚本を手掛けて撮り上げた長編映画第二弾となる古典的な日本の怪談と西洋の童話、ルイス・キャロルこと英国の数学者にして作家のチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンによる古典児童小説『不思議の国のアリス』をモチーフにしたファンタジック・ミステリー・ドラマ作品です。

ニュートラルながら、日常と非日常、現実と幻想、そしてそれらの狭間と裏側を揺れ動き彷徨い漂う感覚とでもいうやのものを微妙に醸して感じられる気がして、ディープ過ぎも、ダーク過ぎもしない優(・霊)美でデリケートにファンタジックでミステリアスで不安で危うく、そして怪奇でホラーチックもあって、デイヴィッド・リンチの映像作品や小泉八雲の著作品に見るやのテイストの世界観・雰囲気の仄かな漂いや、透き通って冷めた空気感が感じられる綺麗な映像と、その質感や色彩感覚には惹かれるものがあって好きです。欧州の、欧州映画の雰囲気の漂いを感じる気もしたりします。絶妙な和洋折衷を感じる気がしたりもします。

作品、作風や役柄と柄本明さん扮するウサギの着ぐるみを着た不気味な男との出会いをきっかけに、木村多江さん演じる妻、"ちさと"の突然の失踪など不可解な出来事に見舞われるようになり、混沌と迷宮(不思議な国)へと誘われ、徐々に引き寄せられて行き、その淵に立たされる主人公のかつては作家を志したこともあるミステリー小説ファンのサラリーマン、"有須(ありす)"を演じている佐藤浩市さんをはじめとした出演者たちのイメージとの微妙な差異や違和感も魅力やに感じます。

"ちさと"が建築事務所に勤務しているという設定から、"有須"の自宅マンション居間の本棚には、作品の重要な要素となっている"有須"が愛読している串田和美さん演じるミステリー作家、"黒田ジョウ"の小説と並んで英国の建築家、リチャード・ロジャースに関する書籍やオランダ人建築家レム・コールハース、彼が主宰する建築設計事務所のOffice for Metropolitan Architecture(OMA)とカナダ人のグラフィックデザイナーのブルース・マウの共著書である『S,M,L,XL』なぞの建築関連書籍なぞが納まっていたりするのも興味深かったりします。"黒田ジョウ"の小説は読んでみたい気がします。

"ちさと"の行方を探す"有須"が彼女の鞄の名刺入れの中に残された名刺を見つけて訪ねる上田耕一さん扮する探偵、"森敏郎"の事務所の水槽でもがくように漂い泳いでいるスッポン姿・様は、登場人物達を投影・比喩しているやに感じられたりします。

映像の明暗のコントラスト加減や暗の使い方はとても印象的・効果的で、場面の、作品の雰囲気や世界観を大いに盛り上げているやに感じます。特に、"有須"がKIKIさん演じる不倫相手の"佳世子"の行方を探しに東北にある"スターフィッシュホテル"へ向かう夜の列車内の灯りが消灯したり、点灯したりして、暗くなったり、明るくなったりを繰り返すごく短いシーンの映像描写は、何でもないような気もしつつも、やはりとても印象的・効果的で、場面の、作品の雰囲気や世界観により深みと厚みを持たせていますし、彼の心象をさり気なく(、うまく)仄めかし表現している気がします。"有須"が"佳世子"との密会に"スターフィッシュホテル"へと向かう日中の列車の車窓から臨む雪景色や彼が独り座席に佇む車中の風景は冷たく素敵で印象的に感じます。カメラワークやアングルにも妙を感じるところがある気がします。控え目でデリケートな演出表現はインパクトには薄い気もしますが、かえってうるさくなくて観やすいと感じます。暗転も効果的と思います。

佐藤さんは、上述のように、作風や役と彼のイメージとの微妙な差異や違和感に魅力を感じますし、オーソドックスなようで、独自の雰囲気をまとった渋いダンディーな大人の見応えある演技と存在感を魅せてくれていて、作品を引き締めてくれているやに感じます。戸惑いや狼狽えなぞの心の揺らぎや弱さの演技表現や、どこか虚ろさを漂わせた表情も見応えがあると思います。
KIKIさんは、端整な顔立ちをしていて、クールでエキゾチックでミステリアスな中にコケティッシュさを垣間見せながら、自然に抑制されたクールで朴訥とした演技を魅せてくれていて、作品の雰囲気を盛り上げているやに感じます。妖しさや艶かしさはやや目なのかしら...と感じます。やはり佐伯日菜子さんに雰囲気がチョッと似て映ります。綺麗です...。
純和風の切れ長の目が魅力的なクールビューティーの木村さんは、ナチュラルな艶かしさを醸しつつ、しっとりと落ち着いた雰囲気、演技と存在感を魅せてくれていると思います。
串田さんは、その自然で重厚な趣ある演技と存在感で作品に(謎めいた)深みを与えているやに感じます。
"ちさと"の行方を探す"有須"に彼女が"ワンダーランド"なるいかがわしい会員制クラブで働いていると耳打ちをするウサギの着ぐるみを着た不気味な男を演じている柄本さんは、ややうるさい気もしつつ、インパクトと見応えある演技や存在感と佐藤さんとは異なった意味で作品、作風や役と彼のイメージとの微妙な差異や違和感に魅力を感じる気がします。ウサギの着ぐるみ姿というのは『不思議の国のアリス』をモチーフにしてのことと思いますが、リチャード・ケリー監督、脚本、ジェイク・ギレンホール主演の過去に遡って話しが進むいわゆるリバースムービーと呼ばれ、本国米国のみならず、世界的に話題を呼んだ青春ファンタジーミステリー映画作品「ドニー・ダーコ」やデヴィッド・リンチ監督、製作、脚本、撮影、ローラ・ダーン主演の奇妙奇天烈なミステリー・ドラマ映画作品「インランド・エンパイア」を想起したりします。
"ちさと"の失踪にまつわる事件の捜査をする刑事役の綾田俊樹さんやその部下の刑事を演じている大楽源太をはじめ、その他脇を固めるキャストの面々も味と癖のある個性的な演技や存在感で作品を支えているやに思います。

日常の...常軌・常気の...暗闇に目が慣れる...混沌、迷宮...ミステリー...錯覚しながら日常を生きている...。

泡沫の夢幻なのか...救いの手を差し伸べに..."デイル・クーパー"のように...惹き込まれるように...堕ちるようにして閉じられるラストも結構好きです..."草薙素子"ならば、誘わない...。

夢の見方を見失い、夢が見難い...心の内外、心と現実、自分と他者や社会...。

現実という幻想に溺れ過ぎているが故に想像を逸している気がしたりします。
想像や妄想に浸っても、幻想に溺れたくはありません。

またしても何が言いたいのやら私は...今回もまた支離滅裂な内容を含んだ苦しい記事となってしまいました...。

本作についても、フランツ・カフカの代表小説の一作、『変身』にみるような衝撃的な不条理感や不安感よなものなぞはさして感じません。

しっとりほのかなファンタジックワンダーダークミステリーといった感じの作品で、さして癖無く観やすい気がします。

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2009年01月03日

「白椿」

「白椿」
2007年製作 日本
監督:秋原正俊 原作:夢野久作 脚本:落合雪恵 音楽:福原まり
出演:畑野ひろ子、加藤夏希、志村東吾、新倉恵子、うえむらちか、辻玲花、財津一郎

怪奇幻想作家として知られる夢野久作さんの同名短編小説を拙ブログではお馴染みの秋原正俊監督が舞台を現代の広島県は福山市の鞆の浦にして脚色・加味し、映画化した文芸童話ドラマ作品です。本作については、何と珍しく原作を読んだことがあります。

神秘的で寓話的なお話が織りなす不可思議な魅力も然ることながら、秋原監督独特の、透明感があって、淑やかで上品なセンスが感じられる演出、映像とその描写・表現が織りなす不思議で微妙でデリケートな趣、雰囲気やテンションとそして体感しているかのように感じられる空気感をした(魅惑的な)魅力に惹かれて飽きません。福原まりさんによる音楽、テーマ曲の『le pas d'amour(機甲部隊のステップ)』は軽快なリズムをしているようで、アンニュイというか、幻想的というか、情緒的というかで、印象的で、耳に残ります。鞆の浦の景観、街並、風情の美しさと共に作品と作品の趣や雰囲気の魅力を盛り上げていると思います。

本作の主人公の一人で、押し寄せる受験のプレッシャーに押しつぶされそうで、心は現実を受止めるだけで精一杯で、疲弊し、ついつい重苦しく苦い現実から逃げてばかりの日々を過ごしてしまっていて、いつもつまらなそうにしている、そしてそんな自分に辟易している浪人生の"鈴"を演じている加藤夏希さんは力強い目と鼻孔の開きに意思の強さを感じさせる凛々しさと、その中に可愛らしさを垣間見せる顔立ちと表情をしていて、エキゾチックな雰囲気を漂わせる、魅力ある女優さんやに思います。やはり、秋原監督が宮沢賢治さんの名作童話『銀河鉄道の夜』を現代の東北地方を舞台に映画化した文芸青春ドラマ作品『銀河鉄道の夜 I carry a ticket of eternity』を取り上げました投稿記事の中で加藤夏希さんに似ているかしらと記した谷村美月さんに似ているかしらと思います。"鈴"の母親、"澄子"を演じているモデルの新倉恵子さんはその不思議なおっとりしたテンションとテンポで作品の不思議で微妙な趣、雰囲気やテンションを更に盛り上げているやに感じます。本作のもう一人の主人公で、映画のオリジナルキャラクターである仕事に追われて、志村東吾さん扮する夫の"幸治"に家事・家庭をおろそかにしていると言われる小言に辟易しつつ、心の片隅では夫の言う家庭を守る良き主婦になるべきなのかしらと思いながら、いつも辻玲花さん演じる娘の"真琴"の面倒を喜んで快く見てくれる財津一郎さん扮する父親の"薫"の理解と応援もあって何とか忙しない日々を送って来た"知美"を演じている今回映画初出演にして初主演の畑野ひろ子さんは秋原監督もおっしゃられているように、気負いのない自然な演技を見せてくれていると思います。財津さんは演技・芸達者で存在感、遊び心と説得力が感じられる素敵な演技を見せてくれていますし、辻さんは笑い声や走り方も可愛らしい、しっかりした演技を見せてくれていますし、志村さんはそつのない演技を見せてくれていると思います。一見すると少ない登場人物ながら、出演者の皆さんの演技には統一感がないようにも感じられるのですが、その実、不思議で微妙なバランスというか、ハーモニーを見せている気がします。

現実逃避をしているばかりでも、もしくは現実へ逃避してばかりいても...それが生きるためならば、でなければ...綺麗と愛でる...綺麗さに魅せられる...白椿...残酷な仕打ちをして気づき、確かめをもたらす...気づき、確かめた...そのときは後の祭りなのだろうか...変化を、再生を遂げられたにせよ、促したにせよ、もたらしたにせよ、何れにせよ...(ありがた)迷惑な話ではないだろうか...シニカル・アイロニカルな(現代社会への)風刺を感じる気がします..."はっくしょん!!"とくしゃみをすると"ハクション大魔王"が飛び出てくるのだったらよかったとつくづく思ったりします...。
新年早々何が言いたいのやら私は...。

フランツ・カフカの代表小説の一作、『変身』にみるような衝撃的な不条理感や不安感のようなものなぞはさして感じません。

"People need to live the life they want to live," Jesse said. "They can't live it the way somebody else wants them to."
Dix smiled and raised his eyebrows.
"Everybody knows that," Jesse said.
Dix nodded.
"And few people actually believe it," Jesse said.
"There's often gap between what we know and what we do," Dix said.
"Let me write that down," Jesse said.
              ロバート・B・パーカー著『 STONE COLD』より

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2008年11月16日

「けものがれ、俺らの猿と」

「けものがれ、俺らの猿と」
2000年製作 日本
監督/編集:須永秀明 プロデューサー:小澤俊晴、長谷川真澄、平田樹彦、小椋悟原作:町田康『けものがれ、俺らの猿と』(文藝春秋刊『屈辱ポンチ』所収) 脚本:木田紀生、久保直樹 撮影:北信康 音楽プロデューサー:曾田茂一
出演:永瀬正敏、鳥肌実、小松方正、車だん吉、ムッシュかまやつ、松重豊、田口トモロヲ、立川志らく、手塚とおる、石堂夏央、鮎貝健、中山マリ、山本ふじこ、阿部能丸、ゴリ(*猿)、降谷健志(友情出演)

町田康さんの小説集『屈辱ポンチ』に所収されている同名作品をミュージック・ビデオ畑出身の須永秀明監督が私がファンである永瀬正敏さん主演で映画化した作品です。

シュール、アバンギャルド、アングラで、パンキッシュなインパクトがあり、癖のあるドライブ感というのかトリップ感に溢れて、不条理感漂う奇矯というか下手物趣味というかのニヒルでシニカルな痛々しい笑いとファンタジックさをした作品やに感じます。不快感をもよおさせる映像・音響描写やバラエティに富んだ音楽が作品を煽っているやに感じます。妙や趣はさして感じられない気がします。何をか言わんやについては、何かは伝わって来る感じはしつつも、書き記せるほど良くはわかりません。私にとってはいちいち面白かったりして、何だか癖になる作品で、ついつい何度となく観返してしまいます。石橋義正さんなる監督が脚本、撮影監督、美術、編集、照明、製作をも手掛けているコメディ・モンド・ミュージカル映画作品「狂わせたいの」のような感覚をしているやにも感じます。

家の柱に画鋲で無造作にとめられたしわくちゃの紙っぺらに、"私はもっと有意義な人生を送りたい"、と殴り書きされた書き置きを残して妻が英国に留学してしまって以来、自堕落な生活が故に仕事はほとんど途絶え、車だん吉さん扮する"義父"に借りて住む閑静な住宅街にある廃屋寸前の一軒家は荒れ放題、近所の人たち、仲間たちからすらも疎まれ、家の壁には"ナイス害"なぞといった誹謗の落書きをされ、庭にはゴミを不法投棄される始末で、部屋の中は無法地帯と化し、得体の知れない奇怪な肉食中まで繁殖しているようなひどい有様の日常を送る中、その上"義父"からはその家からの即刻退去するよう命じられて、いよいよにっちもさっちも行かなくなる廃人寸前のしがない脚本家の"佐志"を演じている永瀬正敏さんは私がファンだからやも知れませんが、エキセントリックな役を緩急微妙なバランスをコントロールした抑制的な演技(と存在感)をもって自然に、かつ魅力的で見事に演じて魅せてくれているやに感じます。ヘッドギア、ライダースーツ、ゴム長、ゴム手袋に身を包んだ姿もカッコイイと思います。着ているシャツが気になります。
"佐志"にゴミの処分場を巡る社会派サスペンスにして美男美女が活躍する娯楽作品でもある映画のシナリオの執筆を依頼する邦画界の至宝にして半世紀に渡る映画人生の足跡は正に偉大な社会派プロデューサーという何とも胡散臭い"楮山"をひょうひょうと怪演している小松方正さんをはじめ、脇を固めるキャストの面々もエキセントリックだったり、シュールだったり、ファンキーだったりする役を個性的でインパクトのある演技と存在感で演じて見せてくれていると思います。そして何といっても地元出身のセメント会社の会長が資材を投じて建設したというツートンカラーの巨大大仏のいる涅槃パークの駐車場で卒倒してしまった"楮山"のために助けを呼ぼうと電話を探していて道に迷ってしまった"佐志"を助け、自宅に招きもてなす"田島"を演じている鳥肌実さんです。油で撫でつけた髪もギラギラと、不気味でアブナイ魅力炸裂でインパクト強烈、とにかく可笑しくて堪りません。F氏の大学の先輩にあたる車だん吉さんは本作で唯一ともいえるまともな登場人物に思える"義父"を味のある微妙な演技と存在感で演じていると思います。ゴミ処分場のあるある町(このロケ地が気になります)をシナリオハンティングで訪れた"佐志"を立ち寄った本屋で暴れたとして防音設備が整った部屋に監禁し、"あーたは私に.."と警棒でいたぶる自警員を演じている松重豊さんの演技もオカシクてインパクトあると思います。草村で倒れていた"佐志"を助けるゴミ捨て場の青年を演じている降谷建志さんは存在感ある演技を見せてくれていると思います。八つ墓村な田口トモロヲさんも何だか良くわかりませんが、オモシロイです。石堂夏央さんがゴミ処分場のあるある町の本屋の女店員役で、『ROCK FUJIYAMA』のKENNY GUYこと鮎貝健さんが終盤クライマックスに喫茶店のお客さん役で出演しているのも私的には見所だったりします。

"俺がいったい、何をした!?どいつもこいつも、なめやがって!"と恨み言を吐く(自分にツバを吐きつけていることに気づかない)俺自らが見せる(一種の逃避的)ファンタジックバッドドリーム(ファンタズム)なのやも知れません...正体の曖昧な俺という迷宮に落ちる..."楮山"も..."田島"も...猿の"アンジー"も皆、俺自身、もしくは自分と同じなのやも知れません...現夢...。

...トンボ...鈴木清順監督作品っぽかったりもするかしら...。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
活写 (スル)物事のありさまを生き生きと描き出すこと。

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2008年10月18日

「ショコラの見た世界」

「ショコラの見た世界」
2006年製作 日本
監督:行定勲 脚本:伊藤ちひろ 撮影:中山光一
出演:竹内結子、大塚ちひろ、和田聰宏、藤本七海

ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の携帯電話端末SO903iの4本のテレビCM(ストーリーCM)を、視聴者からの反響が大きかったことから、追加撮影された映像を加えて50分の完全版として劇場公開された映画作品とのことです。

幻想的で綺麗な映像と主人公の"ショコラ(初子)"を演じている竹内結子さんの凄みさえ感じる美しさ、透明でストレートな演技、存在感や雰囲気が醸し出すファンタジックで素敵な世界観に惹かれてしまう気がします。50分という尺にコンパクトにまとめられていて、あれこれと説明がないのもすんなりとその世界観を受け止め、受け入れやすくしてくれているやに思います。

七つ違いの亡き姉、"ショコラ"が小学生の頃に熱を出して寝込んだときにだけ話してくれた旅先で遭遇したという不思議なおとぎ話を聞くのが大好きだった妹の"テンコ(典子)"を演じている大塚ちひろさんはほんわかした自然体の雰囲気が可愛く面白くて魅力があると思います。小学生時代の"テンコ"を演じている藤本七海さんは素直で真っ直ぐで、普通っぽくて可愛らしいですし、しっかりした演技を見せてくれているやに思います。七年のときを経て思いがけずテンコ"と再会を果たした"ショコラ"のかつての恋人、"ジダン(治男)"を演じている和田聰宏さんのどこかやや浮き上がっているやにも感じられる控え目ながら個性的で味と雰囲気のある演技、台詞回しや存在感は作品を日常的で親近感があるものにしてくれているやに思えますし、好きです。

そもそもドラマチックで見応えがある、妙や趣が感じられるといった感じでもない気がしますし、竹内さんありきとも思いますが、彼女の綺麗さ、魅力や作品の世界観に浸れたら、美しく、優しく、ほんのり心温まり、清々しい気持ちにさせてもらえる気がする(ほんのりしっとり)爽やかで素敵な作品と思います。

想いが気づかせて、見せて、感じさせて、体験させてくれるものなのやも知れません...。

竹内さんは2002年の第126回芥川賞受賞作に輝いた長嶋有さんの処女作品集『猛スピードで母は』所収で、前年の第125回芥川賞候補となった同名作品を根岸吉太郎監督が映画化したドラマ作品「サイドカーに犬」でも大らかで自由奔放でさっぱり男勝りで優しくて、そしてどこか陰があって謎めいてもいるヒロイン、"ヨーコ"を微妙に素敵に演じているやに思いますが、彼女のキャスティングについては、原作は未読ですので、映画を観た限りに於いてですが、面白味は感じつつも、無難というのが正直な印象です...."ドロップハンドルのロードレーサー.(タイプの自転車)"を颯爽と駆るイメージはあまりなかったりもしますし...。古田新太さん扮する"ヨーコ"の愛人、"近藤誠"の内気で真面目な小学4年生の娘、"薫"を演じている松本花奈さんも素直で真っ直ぐで、普通っぽくて可愛らしいですし、機微を感じるやのしっかりとした魅力的な演技を魅せてくれていると思います。竹内さんとの息の合った演技は素敵に感じます。現在の"薫"を演じているミムラさんは昭和の思い出を感じさせるかというと、どうなのか気になりますが、好きな女優さんですし、役のイメージに違っているということはないやに思います。ほんわかノスタルジックで、仄かな余韻を漂わせて感じられる作品やに思います。体験・経験で受けて心に刻まれたイメージ・インパクトの記憶...人との巡り逢い、触れ合いと別れの思い出のイメージ・インパクト...謎・不思議...。

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2008年10月12日

「魍魎の匣」

「魍魎の匣」
2007年製作 日本
監督/脚本:原田眞人 企画:遠谷信幸 原作:京極夏彦『魍魎の匣』(講談社刊)
撮影:柳島克己 美術:池谷仙克 衣装:宮本まさ江 編集:須永弘志 音楽村松崇継 VFXスーパーバイザー:古賀信明 ヘアメイク:小沼みどり 証明:高屋斉 装飾:大坂和美 録音:矢野正人 助監督:谷口正行
出演:堤真一、阿部寛、椎名桔平、宮迫博之、田中麗奈、黒木瞳、マギー、堀部圭亮、荒川良々、笹野高史、大森博史、大沢樹生、右近健一、寺島咲、谷村美月、清水美砂、篠原涼子、宮藤官九郎、柄本明

本作は、以前の投稿記事で取り上げています京極夏彦さんの同名小説を実相寺昭雄さんが監督を務めて、堤真一さん主演で映画化した伝奇ミステリー映画作品「姑獲鳥の夏」の主人公、"憑物落とし"の京極堂こと中禅寺秋彦が機会な難事件に挑む"京極堂シリーズ"の映画化第二弾ということと、特に原作について◯◯君に幾度か解説をしてもらっていたので、観たいとは思っていたのですが、前作で堤さん扮する"京極堂"の友人で小説家の"関口巽"を演じている永瀬正敏さんが本作では腎尿路結石のため残念ながら降板を余儀なくされて、出演されていないということで見送っていたのですが、先日近所のレンタルビデオ店でDVDを借りて観たところ、思いの外とても面白かったです。最近観た映画作品の中で、"面白さ"では一番やも知れません。1週間レンタルをして、4回観てしまいました。

永瀬さんに代わり本作で"関口"を演じている椎名桔平さんは本作の世界観・作風にピッタリというか、本作の世界観を構築形成する大きな要素になっているような気がします。前作で良いクッションの役割を果たしている存在に映った"京極堂"の妹で”稀譚月報”の記者"中禅寺敦子"役の田中麗奈さんは本作では前面に出ていて、炸裂とまではいきませんが、その存在感と魅力がよりストレートに感じられます。チョッピリ大人びた印象ですが、可愛らしいです。"楠本頼子"役の谷村美月さんは瑞々しい、体当たりの熱演を見せてくれていますし(谷村さんは力強い目と鼻孔の開きに意思の強さを感じさせる凛々しい顔立ちの魅力ある女優さんと思います...)、赤井書房の編集者、"鳥口守彦"を演じているマギーさんや宮迫博之さん扮する刑事、"木場修太郎"の部下、"青木文蔵"を演じている堀部圭亮さんは控え目ながら存在感ある演技を披露してくれていると思います。ヒロインの伝説の女優、"柚木陽子/美波絹子"を演じている黒木瞳さんは役に、もしくは役が黒木さんに合っているようで、合っていないような微妙な感じがしてしまったりします。"美馬坂幸四郎"役の柄本明さんは存在感や演技は申し分ないやに思いますが、何となくインパクトに弱い気がしてしまったりします。新進気鋭の幻想文学作家、"久保竣公"を演じている宮藤官九郎は雰囲気を感じるというか、何だか変な感じがして、面白いと思います。堤さんも"京極堂"と"関口"の旧制高等学校の後輩にして"木場"の幼なじみである薔薇十字探偵社の私立探偵で他人の記憶が見える特殊能力の持ち主の"榎木津礼二郎"を演じている阿部寛さんも役を魅力的に演じて魅せてくれていると思います。宮迫さんは本作では役の立ち位置が唐突、中途半端で、演技が過剰に映ってしまったりもして、チョッと役不足な気がします。

本作についても原作小説を読んでいないので映画化にあたりどういった脚色がなされているのかわかりませんが、演出や映像演出・描写表現にはそそられるという程には作り手(監督)特異テイスト、面白味、趣、洒落、妙や遊び心なぞは感じられませんし、前作の魅力として漂って感じられたミステリアスな幻想感や古風で怪しげな和のロマネスクな雰囲気、空気感、目新しい切り口をしたオリジナリティーに富んだ世界観なぞには薄い気もします。"怪奇"現象に対する学術的且つ陰陽道的アプローチや"京極堂"の学術的・科学的論法の口上もインパクが薄らいで感じられる気がします。私が苦手気味な淫靡、倒錯的、エログロ、オドロオドロしくて、怪・妖しく猟奇的な描写もかなりありますが、不思議と目を背けたくなってしまう程の生々しい不快さまでは感じることなく、然程癖なくすっきりまとまっていて、133分という長目の尺も、終盤クライマックスは何となく盛上りに欠けて、余韻に薄い気がしますが、最後まで適度にワクワクさせられて飽きずに観れる作品やに感じます。時間軸を交錯・錯綜させたストーリー展開、登場人物たちの絡ませ方と彼らが関わる各々の事件の交差・繋がりの描き方はうまくバランスしていて、面白いと思いますし(別アングルからのショットなぞも印象的で効果的やに感じます)、村松崇継さんの手になるメインテーマはとても印象的で素敵に感じます。
認識・理解出来てないだけなのやも知れませんが...色々なエッセンスがほどよいバランスで盛り込まれているような気もします...。

是非原作小説を読んでみたいと思います。

前作の「姑獲鳥の夏」という題名をはじめて目にしたときは"のなつ"しか読めませんでしたが、本作の題名「魍魎の匣」をはじめて目にしたときは"の"しか読めませんでした...(汗笑)。

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2008年08月12日

「最も危険な遊戯」

「最も危険な遊戯」
1978年製作 日本
監督:村川透 企画:黒沢満/伊地智啓 脚本:永原秀一 撮影:仙元誠三 美術:小林正義 編集:田中修 音楽大野雄二 助監督:崔洋一
出演:松田優作、田坂圭子、荒木一郎、内田朝雄、草野大悟、見明凡太郎、市地洋子、名和裕、入江正徳、片桐竜次、山西道広、榎木兵衛、石橋蓮司、苅谷俊介、大前均、阿藤海、団厳、原田力、岡本麗、柴田恭平、内田裕也

本作が劇場公開されたとき、私はまだ小学校5年生だったこともあり、リアルタイムでは観れなかったのですが、何の映画だったか、恐らく「東映まんがまつり 」を地元の映画館に観に行ったときに予告編を目にして以来ずっと観たいと思っていて、大藪春彦さんの処女作にして代表作の一作、『伊達邦彦』シリーズの第一作である同名小説を角川映画が本作の監督を手掛けている村川透監督、黒澤満プロデューサー、丸山昇一脚本、仙元誠三撮影、小池要之助助監督で映画化し、勿論主演は松田優作さんのハードボイルド・アクション・サスペンス作品「野獣死すべし」公開時劇場に観に行った後しばらくして、テレビ放映でだったか、どこぞの名画座でだったかではじめて観て(かなりインパクトを受けたのですが、その後何度も観ていることもあって、今となってはどれが最初だったのやら...ハッキリは思い出せなかったりします...)、優作さんと彼が演じる愛用の44マグナム拳銃を手に暗躍する巨大な陰謀に立ち向かうユニークな孤高のヒットマン、"鳴海昌平"のカッコ好さと面白さにシビレました。「遊戯・鳴海昌平」シリーズ第ニ作の「殺人遊戯」("津山美沙子"役を演じている中島ゆたかさんの大人のセクシーさが堪らなく魅力的に感じられました)も同時期に観ているのですが、「処刑遊戯」を観たのはもう少し後になってからです(ラストのブラインドだったかがとても印象的です)。

防衛庁の第五次国防計画の最新防空警戒システム導入問題で、東日グループと激しい争いを繰り広げた末、東日グループに受注を奪われたことから、五洋コンツェルンとその裏で暗躍する見明凡太朗扮する政界の黒幕、"足立精四郎"による東日グループ壊滅の陰謀のため政財界の大物たちを次々と誘拐する誘拐犯一味を率いる名和宏さん演じる"足立"の右腕、"居郷忠司"の情婦、"田坂杏子"役の田坂圭子さんは、たどたどしく、ぶっきらぼうな台詞回しがぽくて好いです。冒頭の麻雀荘のシーンでイカサマ麻雀でカモられる"鳴海"と石橋蓮司さんや柴田恭兵さんら演じるイカサマ師の輩たちとの掛け合いも可笑しくて好きです。特に蓮司さんはやさぐれた如何にも、という感じがハマっていて何ともイイです。そのシーンでゆら〜として映るイカサマ師の輩の一人を演じている内田裕也さんは何か可笑しかったりします。ラストのストリップ劇場のシーンでの岡本麗さん演じるストリッパーと"鳴海"の掛け合いも面白くて、大好きです。『人間の証明のテーマ』草刈正雄さん...。
不謹慎やも知れませんが、優作さんと清水宏さんとの絡みのシーンがとてもインパクトがあって印象的だったりします...。
初めて本作のテレビ放映を観た際に一緒に観ていた叔父貴と叔母たちが警視庁特捜部の"桂木彰"刑事役の荒木一郎さんをテレビ画面で目にして、"荒木一郎が出てるんだ"と口にしていたのが、とても印象に残っています。当初は荒木一郎さんが何者なのか全く知らず、随分朴訥というか、ぶっきらぼうな雰囲気・感じと演技をした役者さんだな〜と思たりなぞしていました。
苅谷俊介さん扮する"桂木"刑事の部下、"石崎"がしているマスクが気になったりします。同じく"桂木"刑事の部下役を演じている柔道五段の大前均さんは現在どうされているのかしら...。

兎に角、私には若き優作さんの魅力を十二分に満喫・堪能することができる作品です。優作さんが全力疾走する姿...それもブーツで...や獣のように力強くしなやかな躍動はカッコ良く、美しくさえあって、魅せられます。特にクライマックスシーンで、港湾内の貨車の引き込み線を全力疾走する優作さんにはシビレます。過去の役者さん、作品や作品のキャラクターを踏襲している気もしますが、それでも尚、新鮮さ、斬新さ、を感じる荒々しくも綿密な台詞回し、所作動作、{極真会館池袋本部道場で真樹日佐夫元師範代(三代目/現真樹道場宗師)にも指導を受けて、二段の腕前を持つ空手による}格闘アクション・アクション・殺陣やコミカルさ、軽妙さをはじめとしたリアルにデフォルメされたリアルに映る吐き出される感じの演技というか表現なぞ何もかもが絶妙にカッコ良くて(、悪くて)、面白くて、魅力的です。悶絶苦悶の表情や演技も生々しく、(絶妙にデフォルメされた)リアリティーが感じられて面白くて、見応えがあります。

大野雄二さんが音楽を担当していることもあってなのか、優作さんはそのシルエットも相俟ってこの頃から既に"ルバン三世"の雰囲気を漂わせて感じられる気がします。

大野雄二さん手になるジャジーなスコアも渋くてクールで素敵です。

この手の作品としては、お話はそう悪くはない気もしますが、取り立ててどうこうということもない気もしますし、編集や演出は荒削りというか、編集や演出は荒削りというか、大雑把なところもある気はしますが、ロケーション撮影は雰囲気や空気感がとても感じられる気がしますし、何といっても村川透監督は、当時の優作さん、優作さん的ハードボイルドやそのアクションの見せ方をわかっておられると思います。

"鳴海昌平"、孤独の悲哀、寂しさと自由の機微を漂わせた優作さん的ハードボイルド・ピカレスクヒーロー...もしくは寅さん的ハードボイルド・ピカレスクヒーロー...私にとっての...。

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2008年07月25日

「水の女」

「水の女」
2002年製作 日本
監督/脚本/編集:杉森秀則 製作:河村光庸、猿川直人 プロデューサー:甲斐直樹、根岸洋之 製作総指揮:中村雅哉 撮影:町田博 美術:林田裕至 衣装:北村道子 音楽菅野よう子 ラインプロデューサー:大里俊博 証明:木村太郎 整音:杉山篤 録音:林大輔 助監督:猪腰弘之
出演:UA、浅野忠信、HIKARU、江夏豊、大浦龍宇一、塩見三省、大久保保鷹、流山児祥、川又邦広、町田忍、樋口圭太、谷崎亜門、杉山りん、都家歌六、松島一夫、頭師佳孝、石井光三、ぼんちおさむ、YUKI、小川眞由美

*おことわり*
この記事には、まだ本映画作品を見ていない方が読まれると多少とも作品の面白さを損なう可能性がある内容が含まれているやも知れません。気になる方はお読みにならないことをお勧めします。


この映画はファンである菅野よう子さんが音楽を担当されているということと、浅野忠信さんが出演しているということ以外には殆ど予備知識がないまま近所のレンタルビデオ店でDVDを借りて観ました。本作がスクリーンデビューとなる主演のシンガーソングライター、UAさんについても殆ど知りませんでした。俳優の村上淳さんの元奥様だったのですネ。

何というかファンタジックで精霊的な雰囲気と題名が「水の女」というだけに、瑞々しく生々しく苛烈、壮絶で危ういリアリティーが感じられて、興味と不安に胸をさわさわと掻き立てられるような気もする作品です。この危うい感じが何とも嫌だけれども、また強く惹き付けられもしてしまいます。私にとっては目にしたことがあるような日常の非日常的風景や情景、ノスタルジアというよりも日常の片隅感というか異世界感を感じる気がします。"水"、"火"、"風"と"大地"をモチーフにしているそうですが、それについてはチョッとスタイリッシュな描写に過ぎるところがある気もしてしまうせいか、ストンとはこないものもあります。"水の女"と"火に取り憑かれた男"の宿命の出会いと恋についても、ジュワッとはくるのかも知れませんが...惹かれ合い、求め合うということの意味...命...生きること...。

銭湯に雨というのは、流石にややくどくてうっとしいイメージを抱きそうなものでもありますが、結婚直前に大浦龍宇一さん演じる婚約者の"ヨシオ"を交通事故で、そして共に関西の小さな町で銭湯"ひかり湯"を営んでいた江夏豊さん扮する父親の"清水忠雄"を心臓発作で失ってしまい天涯孤独となってしまった身の回りで何かが起こる度に雨が降ることから、いつしか"雨女"とあだ名される"清水涼子"を演じているUAさんが醸す不思議な魅惑的(セクシャルでもないのかしら...)な雰囲気と存在感もあってか、観てみると全く違和感を感じることなく観ることができます。

唯一の家族を失ってしまい、しばらく銭湯を閉めて旅に出て戻った"涼が"釜場を任せることになる勝手に家に上がり込んで食事をしていた見知らぬ謎だけれども、不思議な魅力を感じさせる火を眺めていると心が安らぐという男、"宮沢優作"を演じている浅野忠信さんは正しく謎の不思議な魅力を漂わせていて、決して押し付けがましかったり、うるさかったりもせずに、自然に、印象的にスクリーンに溶け込んでいて、もはや演技云々ではない(浅野さんが演じている役の中では、どちらかというと演技を魅せてくれているようにも感じられますが...)、何か凄さと恐さを感じる気がします。優作についていえば、同じ"火に取り憑かれた男"でも佐藤卓哉監督/脚本の私が大好きなテレビSFコメディアニメ作品『NieA_7』の舞台となる宇宙船が着水した港にある、小さな町、荏ノ花唯一の銭湯”荏ノ花湯"の釜炊き、安全第一、シャイな憎めない男、"吉岡稔侍"みたいだったらな〜なぞと思ったりもします。恐いといえば、荏ノ花クレーター地区の宇宙人の地位向上と社会的認知を訴え、元+5で、自らをエリート宇宙人と称するプライドが高く高飛車な中華風宇宙人の女の子、"カーナ"がその自慢の超高性能アンテナで変な電波を受けてトリップしてしまうとき保けた顔が恐いです。

"涼"が傷心の旅先の富士山の樹海の奥で出逢い、後にひょんなかたちで再開を果たすことになるモデルのHIKARUさん演じる風のように自由奔放に生きるバイカーの女性、"ユキノ"というのは、作品のモチーフからしても重要な存在なのだろうけれど、"涼"との絡みも含めて何となく私にはピンとこないものがあったりします。風のようなというのでは、そうなのかも知れませんし、精霊的な雰囲気の漂いは感じなくもないですが、何だか実態がない気がして...それが主人公の"涼"を生々しくバイタルに見せるのに効果していたりするのやも知れませんが...何というか何だかチョッと唐突というか、取って付けたような気もして...。

"忠雄"役の江夏さん、ほんのチョッとしか登場しませんが、犬の散歩をさせている男を演じているぼんちおさむさんや時々"あさひ湯"に訪れては"涼"に風呂に入れてもらう自分は"涼"の母親だと思い込んでいているホームレスの女性、"翠"に扮している小川眞由美さんらも生々しくリアルな危う気さを漂わせた味がある素敵で見応えがある演技を魅せてくれているやに感じます。

私としては、事故や災害などの異常事態、本作ではそれが阪神淡路大震災なだけに、被災者が被った被害や人害について、虚実は別として痛烈に突きつけられ、考えさせられる思いをする作品でもあります。

そして何といっても...ある意味、私が最も恐怖したシーンがある映画でもあるのです..."ひかり湯"の煙突に上り、雷にうたれて炎上しながら落下するチョッと変てこな映像のあの浅野さんの表情と姿には震撼を覚え、今でも目に焼き付いて離れなかったりします...。煙突といえば、小沼勝監督、金子修介脚本/助監督、五月みどりさん主演の日活ロマンポルノ作品「ファイナル・スキャンダル 奥様はお固いのがお好き」を思い出したりなぞします。

銭湯の壁といえばお馴染みの富士山の絵が壁いっぱいにペンキと筆で見事に描き変えられるシーンは圧巻で目を奪われてしまいます。ちあきなおみさんの『雨に濡れた慕情』も素敵に響きます。

お話やストーリーテリングの上手さや面白さはさておき、上述の繰り返しになりますが、危うい微妙なバランスの雰囲気が私にはうざったく感じられるのではなく、嫌だけれど魅力的な緊張感、緊迫感に感じられて惹かれてもしまいます。感覚の素敵さなのか、愛称の良さを感じる気がします。ただ、何度も観たいかというと...。

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2008年07月20日

「Wの悲劇」

「Wの悲劇」
1984年製作 日本
監督/脚本:澤井信一郎 製作:角川春樹 プロデューサー:黒澤満、伊藤亮爾、瀬戸恒雄 原作:夏樹静子『Wの悲劇』 脚本:荒井晴彦 撮影:仙元誠三 美術:桑名忠之 編集:西東清明 音楽久石譲 音楽プロデューサー:高桑忠男、石川光 助監督:藤沢勇夫
出演:薬師丸ひろ子、世良公則、三田佳子、三田村邦彦、高木美保、蜷川幸雄、志方亜紀子、清水紘治、南美江、草薙幸二郎、西田健、香野百合子、日野道夫、仲谷昇、梨本勝、福岡翼、須藤勘一郎、藤田恵子

先日ひょんなことから公開時に劇場で観て以来、二十数年ぶりに夏樹静子さん原作の同名小説を澤井信一郎さんが監督と脚本を手掛け、薬師丸ひろ子さん主演で映画化したサスペンス・ドラマ映画作品「Wの悲劇」を観ました。初めて観たときには、先に読んでいた原作に何というか匂いのある読み応えを感じるというような本格ミステリという印象を得ていただけに、原作が劇中劇として描かれてしまっていることに物足りなさを感じたりもしたものですし(同時上映の森村桂さんの同名小説大林宣彦さんが監督/潤色/編集を手掛けて、原田知世さん主演で映画化したロマンス作品「天国にいちばん近い島」も観る前に原作を読んでいたこともあって、本作以上に物たらなさを感じた覚えがあります...大林監督作品ということできたしていましたし、キャストも面白いと思ったのですが...原田知世さんはカワイイですし、彼女が歌う主題歌もイイです...)、薬師丸ひろ子さん扮する"三田静香"が研究生として在籍している劇団『海』の看板役者の一人、"五代淳"を演じている三田村邦彦さんや"静香"が女優としての幅を広げるために先輩である"五代"と一夜を過ごした翌朝の帰り道に自宅近所の公園で知り合った不動産屋に勤める"森口昭夫"役の世良公則さんらのアッサリしているのかくどいのか良くわからなかった演技や演出も今見てみると時代や当時風の角川映画的リアリティーが懐かしさと共に感じられながら観れてしまいますし、構成もしっかりして、そつなくて中々見応えがあって結構惹き込まれもしていました。雰囲気や空気感に不思議な緊張感が漂って感じられているのも面白い気がしますし、何気ない日常的なシーン、"静香"が住まうアパートとその部屋、静香が所属する劇団『海』の劇団員たちが居酒屋に集い、舞台上演することとなった『Wの悲劇』の台本を読み上げるシーンや静香と森田昭夫が偶然再開する銭湯のコインランドリーのシーンなぞも何だか惹かれるものがある気がします。上述の"静香"と"昭夫"が出逢うシーンも何だかイイと思います。稽古のシーンは三谷幸喜さんが脚本を手掛ける人気シットコム『やっぱり猫が好き』シリーズのもたいまさこさん、室井滋さんと小林聡美さん扮する恩田三姉妹が素人探偵として活躍するコメディ・サスペンスドラマ『やっぱり猫が好き殺人事件』のそれが想起されてならなかったりしますが...。

薬師丸ひろ子さんは、魅力的かどうかはともかくとして、コクのある印象的な存在感を醸した見応えを感じる演技を魅せてくれているやに思いますし、ともあれ、嫌いではありません。劇団『海』の看板女優、"羽鳥翔"役の三田佳子さんや劇団『海』の次回公演作『Wの悲劇』で準主役である娘役を射止める"静香"と同じ研究生の"菊地かおり"を演じている高木美保さんも、個人的には魅力的かどうかはともかくとして、見応えある演技と存在感を魅せてくれているやに感じます。

人生、人間ドラマとして、パッション、壮絶さ、残酷さ、(情熱的)諦観や一過程性が当時風の意外とさらりとしたタッチで描かれた興味深い映画に思えなくもない反面、そつなくまじめに撮られ過ぎている嫌いも否めない気もして、もう一つ面白味にも重厚さにも欠ける気がしてしまうのは残念な気もするのと、もう一つアクセントなり癖なりのある演出をもって露に描くなり、作品の世界観からすると異質のタイプのインパクトのあるというか、惹きのある魅力的な登場人物もしくはキャストの存在が加味されなぞしていたら、もう一つ面白く、印象的な作品と感じられたやも知れないなぞと思ったりします。青春期に観たこの手の作品を観返してみて、ありがちな気恥ずかしさは感じませんでした。劇中劇のシーンは劇団『海』の演出家、"安部幸雄"を演じている蜷川幸雄さんが演出を手掛けているだけあって見応えありそうな舞台に映ります。それと巧いかどうかは別にして、蜷川さんの何気ない微妙なディテールの演技は何となく興味深くて惹かれものがある気がします。

個人的には自覚的にかどうかはいざ知らず、切なさを決然と振り払う唯一無二の女優としてというより、一人の女性としての"静香"の明日に興味をそそられるカーテンコールポーズのラストもカッコ良く素敵でチョッピリ胸熱くなったりもしますし、エンディングで流れる薬師丸ひろ子さん歌うところの主題歌『Woman〜Wの悲劇〜より』も懐かしく素敵で涙してしまいます{本作ではこの歌が一番好いかも知れないなぞとはいいませんが...(笑)レコードも買いましたっけ...}。”静香"を拍手で見送る”昭夫"の男振りも演じる世良さんも私は好いと思います。"さよならはわかれのことばじゃなくて ふたたびあうまでのとおいやくそく"とも歌ってますし...。

悪い印象ではなく、ある意味微妙に馬鹿が入っていて怖くも感じられる明日向きな性格の"静香"もまた(観ている分には)不思議に興味深く素敵で魅力的に感じたりします。このことにもよって生じて映る他の登場人物達との微妙なミスマッチも面白い気がします。

久石譲のスコアも効いてますし、聴かせてくれます。

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2008年07月19日

「メゾン・ド・ヒミコ」

「メゾン・ド・ヒミコ」
2005年製作 日本
監督:犬童一心 プロデューサー:久保田修、小川真司 脚本:渡辺あや 撮影: 蔦井孝洋 美術:磯田典宏 衣装:北村道子 編集: 阿部亙英 音楽細野晴臣 音楽プロデューサー:安井輝照明: 疋田ヨシタケ 録音:志満順一 助監督:池上純哉
出演:オダギリジョー、柴咲コウ、 田中泯、西島秀俊、歌澤寅右衛門、青山吉良、 柳澤愼一、井上博一、森山潤久、洋ちゃん、村上大樹、高橋昌也、大河内浩、中村靖日、村石千春、久保麻衣子、田辺季正

監督のお名前、犬童一心さんはカッコイイというか、趣があって印象的に感じられます。脚本を手掛けている市川準監督、池脇千鶴さん主演で剣太郎セガールさんも共演しているドラマ映画作品「大阪物語」や監督を務めている妻夫木聡さんと池脇千鶴さん主演のロマンス・ドラマ映画作品「ジョゼと虎と魚たち」も好かったですし、ファンであるオダギリジョーさんが主演しているということで期待しながらも、テーマがテーマだけに入り込めるかどうか、些か不安を抱きつつ、鑑賞しましたが、違和感なく、面白く観ることが出来ました。程良く見応えある作品やに思います。犬童監督は余り知られていないとのことですが、大林宣彦監督、薬師丸ひろ子さん主演の青春・ファンタジー・サスペンス映画作品「ねらわれた学園」にチョイ役で出演しているとのことです。
大島弓子さんの同名コミックを犬童監督が脚本と編集も手掛け、伊勢谷友介さんと池脇千鶴さん主演で映画化したロマンティック・ファンタジー・ドラマ作品「金髪の草原」を最近になって観ました。ファンタジックでユニークで素敵な映画な気はするのですが、何やらもう一つストンとこなかったりもしました。伊勢谷友介さんは、東京藝術大学美術学部大学院修士課程修了されているのですネ。

静かにゆったりと感じられようと、騒がしく慌ただしく感じられようと、確実に時は流れ行くのですネ。

窓辺から見渡せる砂浜と青い海が美しくも、どこか寂し気にも感じられます。曇り空や暗い波も印象的です。豊かな食卓のシーンには何だかうきうきしてしまいます。

癌で余命幾ばくもないゲイの老人でゲイのための老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ"を設立、運営する"卑弥呼”を演じる田中泯さんは、演技も然ることながら、表情や仕草には味があり、存在感は圧倒的に感じます。舞踏家の鍛え上げられた肉体は美しいですが、末期癌に侵されていることを思い出すと、面白い感じもします。
"卑弥呼”の恋人”春彦"役のオダギリジョーさんの抑制された静かでストレートな中にも、(本作に限ったことではないやも知れませんが、)狂気めいたというかエキセントリックでエクスプローシブなエネルギーを内包した演技が、危う気な隠し味の風味として感じられて好いです。柴咲コウさん扮する"卑弥子"の娘、"沙織”の勤務する塗装会社の"細川専務”役の西島秀俊の擦れて、飄々とした感じの演技も好いやに思います。

愛が深ければ深い程、喪失の恐怖、苦しみや痛みを一入に伴うものなのですネ。

愛憎の描写はシリアスでリアリティーがあり、尚かつ滑稽で馬鹿馬鹿しくありもし、心打たれたり、温かくユーモラスに感じたりして面白かったりします。愛するのにも憎むのにもエネルギーを要するやに思いますが、愛する方が疲れない気がしたりします。ただ、自ら内向きにエネルギーを作用させるのは難しかったりするやに思ったりもします。

ユニバーサルセックスすら意識することなく、一個の人であることと平穏に生きる、生きようとすることの大切さ、尊さ、素敵さと難しさを感じ、考えさせられます。人がエゴイズム、差別、固定観念、嫉妬心、嘲り、欲望、猜疑心、恐怖、弱さや怒りといった一時の感情の昂りや雰囲気に流されてしまうことがあったとして、好ましからざることをしてしまった人ではあっても、その結果傷つけられたり、被害を被った人に許されるか否かは別にして、必ずしも、悪い人とは限りませんし、悪い人ばかりとも限らないやに思います。人の思・想いと人と人の関係性は整合しないこともあり、そうでなくても厄介な面もあるやに思いますが、それでも人と人との繋がりは大切やに思います。諍いがあっても、喧嘩をしようとも、憎しみ合ってさえ、皆仲良く暮らすに越したことはないやに思います。堪え難き苦痛と苦難を伴うこともあるやも知れませんが...。良くも悪くも、私ともあなたとも同じ他者は存在し得ませんし、これは請け売りですが、人は他者が望む通りには生きれないものやに思います(どのような生き方も許されるかどうかとは別ですが...)。

子、親、恋人、愛人、同性愛者や異性愛者から人に成長するのやも知れません。

行きつ戻りつしたりするのも人と人の関係やに思ったりします。

ドラマチックで、もどかしくて、興味深く愉快な作品やにも思います。

まやかしに生きていたとしても、常に恋しい、愛しい想いを抱いていれば...。

老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ"のロケーションには静岡県御前崎にある海辺のレストラン「Cafe Welcome Tea」が使用されているとのことです。お店は昨年閉店してしまったとのことです。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
*覚え書き/心覚え
「可愛いひと(娘)、あなたが好きよ」

I have been tormented by an inferiority complex since my birth.

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咳止めの薬をもらい、特別な薬というわけでもないようなのですが、症状や体質に合っているのか、これが本当に良く効いて、苦しかった咳がかなり楽になりました。ただ眠くなって仕方ありませんが...。お陰様で風邪も良くなってきているのもあると思います。
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2008年06月21日

「殺しの烙印」

「殺しの烙印」
1967年製作 日本
監督:鈴木清順 企画:岩井金男 脚本:具流一栄 美術:川原賢三 音楽:山本直純
出演:宍戸錠、小川万里子、真理アンヌ、南原宏治、玉川伊佐男、南廣、久松洪介、緑川宏、荒井岩衛、長弘、伊豆見雄、宮原徳平、荻道子、野村隆

非情な幻想の世界の中に、必死に自分と自分の居場所を見出そうともがくプロの殺し屋たちの生き果て様を過剰・執拗ともいえる特異なこだわりを感じさせるやの演出、破綻めいたストーリー、微妙で面白いような不可解なような設定、構成の変調(不統一)、モノクロームのスタイリッシュな映像とオープニングで流れる"湯たんぽを抱きな"の台詞パートがインパクトある大和屋竺による主題歌『殺しのブルース』をはじめとした悲哀を漂わせた音楽で魅せられる気がします。ノワールテイストの静かに冷たくピーンと張り詰めた緊張感と虚無感を感じる気もします。炸裂する危険な、危なっかしい鈴木清順ワールドに足を踏み入れてすっかり魅了されてしまったたちです。
刹那的なような...エロティックなような...刹那的なようで...エロティックなようで...気はします。

とにかく飯の炊けるにおいが何よりも好きなプロの殺し屋No.3の"花田五郎"を演じている宍戸錠さんがカッコイイです。顔立ちがチョッともっさりとした感じに映ったりもする気もしますし、カッコイイような、子供じみているというか駄々っ子のような、気障ったらしくて臭いような良くわからない台詞を口にしたりもしますが、そのシビれる表情、野性味に溢れる肉体やモーゼルミリタリーを撃ちまくる姿が匂い立たせる宍戸錠臭さに魅せられます。
"花田"と南廣さん扮する相棒で元ランク入りの殺し屋"春日"が五百万円の報酬で護送を依頼されるある組織の幹部で、凄腕の銃の使い手の"大類進"を演じている南原宏治さんの味わいと風格のある悪党面は何とも魅力的に映ります。"花田"の妻、"真美"を演じている小川万里子さんのちっとも色気が感じられない裸体に騒がしい演技とうるさい存在感や謎の女、"中条美沙子"に扮する真理アンヌさんのエキゾチック、ミステリアス、不気味でクールな美しさ、存在感と味も素っ気もないような演技は作品の不思議な魅力を引き立たせている気もします。"花田"に殺しの依頼をする薮原道彦役の玉川伊佐男さんも味があって効いていると思います。

アタッシュケースに伊藤博文の千円札がぎっしり詰められた"大類"護送の報酬の前金、二百五十万円も何だか凄い気がします。殺しの依頼を遂行する"花田"のテクニック、手口の奇抜さも興味深い気がします。"花田"をはじめとした登場人物たちのキャラクターの何というか突飛さも興味深い気がします。

見たままやも知れませんが、子供の頃に目にした叔父貴が会員だった「キャノンフォトサークル」の月刊会報誌『キャノンフォトサークル』や写真年間『キャノンフォトアニュアル』に掲載されていた応募写真を思い出す気がします。

不思議で変梃で滑稽でスタイリッシュで斬新、奇抜な興味深い雰囲気をムンムンとというよりドライに漂わせるといった、言うなれば鈴木清順映画という感じがする作品やに思います。本作を観た当時の日活の社長、堀久作氏の逆鱗に触れたというのも、わからないではない気もしますが...。

No.1は栄光の座なぞではないということに気づいてはならない...世界観に背を向ける...打ち破る...。

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2008年06月09日

「水霊 ミズチ」

「水霊 ミズチ」
2006年製作 日本
監督/脚本:山本清史 プロデューサー:大橋孝史 原作:田中啓太 撮影:喜久村徳章 美術:井上心平 編集:高橋信之 音楽:和田貴史 音楽プロデューサー:倉田真ニ 照明:才木勝 助監督:阿部満良
出演:井川遥、渡部篤郎、星井七瀬、山崎真実、松尾政寿、入江昌己樹、矢沢心、三輪ひとみ、鈴木美生、でんでん、柳ユーレイ

田中啓文さんによる同名小説を山本清史さんが監督と脚本を手掛け、井川遥さん主演で映画化したホラー作品です。小説と映画では内容が大きく異なっているとのことです。

『古事記』や『日本書紀』にあるイザナギ・イザナミ神話の黄泉国に湧くとする"死に水"や"水霊"と呼ばれる呪われた水をからまた着想は興味深くて恐いものがあるやに思えますし、東京の西部エリアで続発する自殺事件の取材をする主人公の京中央新聞の記者、"戸隠響子"を演じる井川遥さんや"響子"の元夫で東京都水道局の多摩技術センターの水質分析の研究員である"岡祐一"役の渡部篤郎さんをはじめ、出演者の皆さんはしっかりした演技と存在感を見せてくれている気はするのですが、作品としてはお話も見せ方もどうも唐突でまとまりがないない気がして、良くわかりませんし、ピンとも来ません。趣に欠けていて、忙しない感じもしたりします。見せたいのか、推察・想像・想起を促したのか、どっちつかずな感じがしますし、そのどちらもなのだとしたら、バランスが悪くて、意図的にままにしたり、描いて見せないでいたりしているにしても何れにせよ"納得"や"説得"に欠けているやに思います。何というか、思わせ振りにすらなっていない上、何より観ていてさして恐怖が感じられないのには、私のような恐がりでも面白味に欠けて、何とも複雑な気持ちになります。興味を惹かれる描写、雰囲気や空気感をしたところ(シーン)もあるのですが...。効果音の使い方はステレオタイプに感じられてならず、効果していないという意味で不快です。
失踪してホームレスとなり、果ては自ら両目をえぐり出して自殺した『黄泉』や『死に水』、「水霊(みずち)」と呼ばれる呪われた湧き水について研究していた大学教授の"杜川乙一郎"を柳ユーレイさんが演じていたり、"響子"が取材のために訪れ、『みずち』と書かれた紙切れを握り締め、ハサミで両目を潰して自殺した老人の死体を発見した武蔵野市にある老人ホームの事務員、"白鳥夏美"を三輪ひとみさんが演じていたり、東京中央新聞の"響子"の上司、"殿村肇"をでんでんさんが演じていたりするのですが...。山崎真実さんと鈴木美生さん演じる友人の同級生、"野田美里"と"矢沢弘美"を相次いで不可解な自殺で失い、"響子"のもとを訪れる女子高生、"渚由美"を演じている星井七瀬さんは自分の色というかテンションなり、雰囲気なりを持った演技の出来る面白い女優さんと思うのですが、本作での役はチョッと役不足な気もします。東京中央新聞の記者で"響子"を慕う後輩の"志度浩太郎"役の松尾政寿さんはハンサムで存在感が感じられて印象的な気がします。
井川さんはふっくらした唇や、飾らないしっとりとした雰囲気や存在感が魅力的に映ります。渡部さんにはご自身の魅力を更にもっと発揮できる作品に出演して欲しい気がしたりもします。

何やかやいって、またしてもホラー映画を観てしまいました...。

参照 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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昨日6月8日の日曜日、白昼の東京は秋葉原で7名が死亡、10名が重軽傷を負うという史上希に見る凄惨な無差別殺傷事件が起きてしまいました。事件直後の現場の被害者の方々の姿を映し出すニュース映像を目にするに、恐怖や怒りよりも何よりも、深い悲しみに涙を禁じ得ず、虚脱感や無力感をに陥り、目眩をもよおします。秋葉原は以前、一時期、毎週末のように訪れていたこともあり、色々と話題に事欠かず、危ないところもなくはないようでしたが、安心・安全に買い物なりを楽しめる街と思っていただけに衝撃も一入です。お亡くなりになられた方々のご冥福と、重軽傷を負われた方々の回復をお祈りするものです。被害者のご家族、ご親族、お友達やお仲間はもとより、現場にて事件の惨状を目の当たりにされた方々の心への影響も心配・気がかりだったりもします。
posted by ウォルター at 21:24| ☁| Comment(0) | TrackBack(2) | 鑑賞映画について(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

「壁男」

「壁男」
2007年製作 日本
監督/脚本/プロデューサー:早川渉 プロデューサー:波多野ゆかり、稲田秀樹(
共同テレビジョン) 原作:諸星大二郎{『壁男』(マガジンハウス刊『夢の木の下で』収録) 撮影:國松正義 美術:高田久男 編集:笹崎寛幸 音楽:阿部一貴 効果/整音:横山達夫 照明:小園善夫 録音:秋元大輔 助監督:川瀬準也
出演:堺雅人、小野真弓、山崎大昇、渡辺香奈子、宮嶋総士、西村麻衣子、水戸ひねき

堺雅人さん主演のホラー映画(にも関わらず)ということで、近所のレンタルビデオ店でDVDを借りて観てみました。諸星大二郎さんの同名短編漫画を初監督の16ミリ長編映画作品 『7/25 nana-ni-go』が1999年の関羽映画祭国際批評家週間に正式出品され高い評価を受けた早川渉さんが監督、プロデュースと脚本を手掛けて映画化した作品です。原作は未読です。ほぼ全編が北海道の札幌市で撮影され、スタッフもその殆どが北海道にゆかりがあるとのことです。全編HD(ハイディフィニション)映像で制作されているとのことでもあります。どんな映画かしらと観はじめ、冒頭、タイトルバックに映し出される雪に覆われた北海道の街の遠景映像には期待が持てる気がしたのですが...HD映像が醸す雰囲気や空気感は悪くない気がしますし、壁の中に潜んでいる人間でも妖怪でもない存在であるという"壁男"の噂に関する投書に興味を抱き、取材をし、レポーターを務めるテレビ局の情報バラエティー番組で"壁男"の噂について紹介をする"金澤響子"役の小野真弓さんや"壁男"に異常な執着を抱くようになる"響子"の同棲している恋人でカメラマンの"仁科光"を演じている堺雅人さんら出演者の皆さんの演技もまずまずですし、コンセプトや設定には面白味を感じるのですが、わかりにくい感じもしますし、作品の世界観や雰囲気、お話の展開や演出に物足らなさを感じてしまい、もう一押し欲しい気がするというか、何というか中途半端というかどっちつかずな気がして、もう少し"納得"や"説得"が上手い具合になされていたらと感じてしまったりします。ホラー映画の恐さを殆ど感じないで済むのは、(面白味に欠けるという向きもあるやも知れませんが、)私にとっては救いです。

98分と短尺にまとめられているのは悪くないやに思いますが、"仁科"が"壁男"への執着を深めて行く様は、もう少し平易に丁寧にじっくり描いて見せて欲しかった気もします。"仁科"を演じている堺さんの演技、取り憑かれたような思い詰めた表情といやらしい目や雰囲気はイイと思います。"響子"を演じている小野さんも悪くないと思いますが、もっと素っ頓狂さがある演技を見せてくれていても白かったやも知れないなぞと思ったりもします。"響子"の上司、"佐藤"を演じているメディアコーディネーター、ロケーションコーディネーターの渋谷明都さんの目の表情は何ともインパクトがあって印象的に映ります。

"響子"と"仁科"が名前のないレストランのカウンターで寛ぎ食事をしながら、内でも外でもない境界(中間、中位)=ミディアムの複数形がメディアである云々について語り合うシーンはとても興味をそそられる気がするのですが...。メディアコミュニケーションの有り様の何たるかなのかしら...都市伝説には謂れがあったりもしますし....壁があるから"壁男"は存在し得るのかしら...それとも...『壁の中に誰かがいる』かも知れませんし...不条理なのかしら...。

あなたは誰ですか...私自身って何...無い物ねだりなのやも知れません...。

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メディアはことの本質を曖昧にし、遠ざけてしまったりすることがあるやに思います...送り手と受け手双方の問題により...メディアを支えているのは"我々"が構築している社会であるとする決して間違いではない意識・認識のやっかいさ...自分が自分がとは思いつつの"私"の欠如...。
posted by ウォルター at 20:52| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月06日

「祭りの準備」&「正午なり」

「祭りの準備」
1975年製作 日本
監督:黒木和雄 制作:大塚和、三浦波夫 企画:多賀祥介 原作/脚本:中島丈博撮影:鈴木達夫 美術:木村威夫、丸山裕司 編集:浅井弘 音楽:松村禎三 助監督:石山昭信
出演:江藤潤、馬淵晴子、ハナ肇、浜村純、竹下景子、原田芳雄、石山雄大、杉本美樹、桂木梨江、三戸部スエ、絵沢萌子、原知左子、真山知子、阿藤海、森本レオ、斉藤真、芹明香、犬塚弘

「正午なり」
1978年製作 日本
監督:後藤幸一 製作:西村隆平、合田浩久 製作/脚本:長門弘之 脚本:福地泡介 撮影:西浦清 編集:鈴木昌春 音楽:レイ・デービス 助監督:森清和夫
出演:金田賢一、田村幸司、結城しのぶ、原田芳雄、若杉愛、手塚さとみ、津山登志子、南田洋子、垂水悟郎、長門弘之、萩本欽一、渡辺真由美、いとうめぐみ、水谷美香

先週の土曜日、5月31日の深夜24:30〜26:30にNHK-BS2の『衛星映画劇場』にて放映されていた脚本家の中島丈博さんが自身の同名小説を脚本化し、黒木和雄監督、江藤潤さん主演で映画化されたATG製作の青春ドラマ映画作品「祭りの準備」をビデオにエアチェックして観ました。未見と思っていましたが、随分昔に観たことがあり、江藤潤さん演じる南国土佐は高知県の中村市なのかの信用金庫に勤める主人公の青年、"沖楯男"の祖父、"沖茂義"役の浜村純さんの鬼気迫る熱演にそのときは大層不快したのを思い出しました。生々しい薄汚れた汗臭さにも嫌な感じがしました。今観ると西原理恵子さんの漫画作品『ぼくんち』の舞台となっている水平島を想起したりします。阿藤海さんや森本レオさんも出演しています。それと同じATG製作の映画作品ということと、観て不快な思いをしたということで丸山健二さんの同名小説を黒木和雄監督の助監督を務めた後藤幸一監督が金田賢一さん主演で映画化した(青春)ドラマ作品「正午なり」を思い出しました。この作品が劇場公開された当時私はまだ12才だったこともあり、リアルタイムでは観ておらず、多分後々テレビ放映された際に観たのだと思います。一度きり、それも何というか生々しい不快さを感じたにも関わらず(からか)、金田賢一さん扮する都会の生活に挫け、故郷に帰って来た主人公の青年、"忠夫"の田中幸司さん演じる幼なじみの"哲治"がティッシュペーパーをボックスからひっぱり出し散らすシーンをはじめ結構良く覚えていたりします。南田洋子さん演じる"忠夫"の母親の優しさが何だか恐いようで嫌でした。何とも観後感の悪い作品ながら、ラストシーンは印象的だったような記憶があります。この作品にも原田芳雄さんが出演されていますし、他にもこの映画がスクリーンデビュー作である若かりし手塚さとみ(現在は理美)さんや萩本欽一さんも出演しています。
両作共青春の生と性の葛藤が大きなテーマになっているように見受けられますが、前者は主人公のシナリオライターになる夢を持つ南国土佐の信用金庫勤めの青年、"楯男"が馬淵晴子さん扮する一人息子である彼を溺愛する母、"沖ときよ"の束縛、地縁・血縁のしがらみ、住む町の閉塞感や竹下景子さん演じる幼なじみの"上岡涼子"に秘かに寄せる恋心なぞに苦悩しながらも都会(東京)へ旅立つ夢と希望に清々しさを感じますが、後者は都会生活に挫けた青年、"忠夫"が、故郷の信濃大町に帰り、自分の居場所と生活を見出そうともがくも、思・想い(幻想)と現実と沸き起こる抑え切れない衝動の齟齬の果てに至る破滅に悲劇を見る気がします。

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2008年05月29日

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
2007年製作 日本
監督/脚本:吉田八大 プロデューサー:柿本秀二、小西啓介、鈴木ゆたか 協力プロデューサー:吉田博昭、遠藤日登思 原作:本谷有希子『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(講談社刊) 撮影:阿藤正一、尾澤篤史 美術:原田恭明 編集:
岡田久美 音楽:鈴木惣一郎 音楽プロデューサー:日下好明 主題歌:チャットモンチー『世界が終わる夜に』 スタイリスト:藤井牧子 ヘアメイク:佐藤光栄照明:藤井隆二 録音:矢野正人 助監督:芦澤康久
出演:佐藤江梨子、佐津川愛美、永作博美、永瀬正敏、山本広司、土佐信道、上田耕一、谷川昭一、芳本菜穂、湯澤幸一、ノゾエ征爾、米村亮太郎、大原真理子、高橋睦美、金沢まこと、大川婦久美

桜沢エリカさん(綺麗な方だったのですネ)の漫画『天使』と『天使の巣』を宮坂まゆみさんが、深田恭子さん主演で映画化したファンタジー・ロマンスドラマ作品「天使」以来の永瀬正敏さんと永作博美さんの共演ということと、題名の語呂が町田康さんの小説『屈辱ポンチ』に所収されている同名作品を須永秀明監督が永瀬正敏さん主演で映画化したコメディドラマ作品「けものがれ、俺らの猿と」に似ている気がして、近所のレンタルビデオ店でDVDを借りて観てみました。因に本谷有希子の同名舞台劇は観たことがありません。

シニカルで、アイロニカルで、哀しくて、滑稽で、ドラマチックで、戦慄を覚えるようで、痛々しくて、苛立たしく感じたりもしますが、とても面白いと思います。設定、登場人物の性格設定に配置、主要な出演者の皆さんの演技や不穏から緊張へ、緊張から緊迫へ、緊迫から開放へ、開放から緊迫へ、そして緊迫から不確かで危ういきもする鎮静なのかへの展開とお話の持って行き方やシフトチェンジは絶妙に感じます。クライマックスでの小癪なほど妙を得て感じられて、嬉しくなってしまう意表を突かれるドラスティックな展開と仕掛けはとても興味深く素敵で見応え十二分と思います。寒気を漂わせた暑い夏の空気感や雰囲気も妙味あるやに感じます。

両親の訃報を受け、北陸の山間部の村に帰省する女優になることを夢見て上京したものの、その自意識過剰な勘違いも災いして、泣かず飛ばずな”和合”家の長女”澄伽”を演じている佐藤江梨子さんは、気負い過ぎなように見受けられないでもないですが、そのギリギリ感が面白くてイイと思います。面白い存在感を放って感じられますし、相変らずスタイルは抜群です。"和合"家の長男で"澄伽”の義兄である"宍道"を演じている永瀬正敏さんの思い詰めてどこか虚ろな何ともいえない表情と一貫してシリアスな抑制を利かせた演技は見事に感じます。優しさは弱さなのかしら...やり切れなさ、情けなさ、不甲斐無さ、後悔、恐れや思・想いなのかがひしひしと滲み出て感じられる気がします。"宍道"のお嫁さんで、孤児として育った過去を持ち、家族に憧れながら家族の一員として溶け込めず、"宍道"が”澄伽”と交わしたある約束を守らんとしているがゆえに、本当の夫婦にすらなれないでいる"和合待子"役の永作博美さんのとぼけていながらも凄みが感じられる演技と存在感はとても魅力的で興味深く感じます。かなり効いていると思います。そして、何といっても実の姉である"澄伽”に怯えながらも、心に沸き上がる抑え難い姉の痴態をホラー漫画にして描きたいという創作の衝動を膨らませる可憐で、か弱くて、健気で、いじらしく何かを秘めた(腹に一物ある?)"清深"を演じている佐津川愛美さんの大人しやかであったり炸裂したりするような微妙な演技と憂いを帯びた存在感は興味深く、素敵で見応え十二分に感じます。佐津川愛美さんか細い声でつぶやく"いいよ"の台詞回しにはノックアウトされてしまいます。メガネの奥の瞳が魅惑的な素敵で可愛らしく今後更なる活躍が期待出来る女優さんと思います。

うまくいい表せないのですが、同じシーンにおける異なる質の演技の混在や、それによって生じるズレのようなものを力技ではなく、微妙・絶妙な間やバランスにして繋ぎ合わせて、不思議さを漂わせつつも、自然な流れにせしめている脚本、演出と演技には妙を感じる気がします。また、そのことは、微妙に異なる作品の世界観の要素のいくつかを同じ画面の中に混在させ、その中で生じる微妙な変調を見せることにより不思議な印象を受けさせてくれている気もして、興味深く感じたりします。微妙な寸止め感も好きです。

”澄伽”は本人が"あたしは絶対、人とは違う。 特別な人間なんだ"と思い込み言い張るように、確かに彼女は人とは違う、特別な人間には違いないと思います。それが良いのやら悪いのやらはわかりませんし、根拠のない自信を抱くことも大切やにも思いますが、間違った、誤った仕方をしている気はします...仕方ないのやも知れませんが...。私としては、”澄伽”をして面白いとする"清深"は大したものと思ったりしてしまいます。

思・想っているのか、騙されているのか、騙されていることに気づいているのか、思・想っていると思ているだけなのか、騙されていたいのか...

先の投稿記事で取り上げましたファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督/脚本、ローラン・リュカ主演の異色ホラードラマ映画作品「変態村」と同じような何かを感じるところもある気もしますが、こちらの方が、面白味や趣が感じられる気がします。

エンディングに流れるチャットモンチーによる主題歌の『世界が終わる夜に』も印象的に響きます。橋本絵莉子さんのボーカルには心を揺さぶられるものがあります。

哀しく、愛おしいと思いさえしろ、蔑むなぞ出来ません...。

秘めたる思・想い...。

今回もまたまたかなり支離滅裂な取り留めのない苦しい記事となってしまいました。

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2008年05月25日

「お葬式」

「お葬式」
1984年製作 日本
監督/脚本:伊丹十三 製作:玉置泰、岡田裕 プロデューサー:細越省吾 撮影:前田米造 美術:徳田博 鈴木晄 音楽:湯浅謙二 助監督:平山秀幸
出演:山崎努、宮本信子、菅井きん、大滝秀治、奥村公延、財津一郎、江戸屋猫八、友里千賀子、尾藤イサオ、岸部一徳、津川雅彦、横山道代、小林薫、池内万作、西川ひかる、海老名みどり、津村隆、高瀬春奈、香川良介、藤原釜足、田中春男、吉川満子、加藤善博、関弘子、佐野浅夫、関山耕司、左右田一平、利重剛、井上陽水、笠智衆

英国に二度目の英語語学遊学をしていたときに開催されたロンドン映画祭にて、エミリー・ブロンテの同名小説を吉田喜重監督が脚本をも手掛け、松田優作さん主演で映画化したドラマ映画作品「嵐が丘」が上映されるのを『Time Out London Magazine』を見て知り、早速ウェストエンドのチケットオフィスにチケットを購入しに走りましたが、生憎チケットは既に完売で入手には至らず、その帰りがけだったのか、別の日だったのか、とにかく10月30日の土曜日にウェストエンドだったかにある何という映画館だったかでかわりに本作を観ました。
菅井きんさん扮する"雨宮きく江"が奥村公延さん扮する亡き夫、"真吉"の火葬を終え、火葬場からお骨を自宅に持って帰り、最後に皆に挨拶するシーンがスクリーンに映し出されると前の席に座っていたドイツ語と思しき(発音の関係で英語をドイツ語に聞き違えたのやも知れません)言葉で会話する初老の女性二人連れが感涙して(風邪を引いていたわけでも、花粉症だったわけでもないと思いたいです...)。鼻をかんでいたのがとても印象に残っています。
宮本信子さん扮する女優の"雨宮千鶴子"の父親、真吉"が亡くなり、葬儀を初めて出すことになる山崎努さん演じる"千鶴子"の夫で同じ俳優の主人公、"井上佗助"が高瀬春奈さん扮する愛人の"斉藤良子"と林の中で繰り広げる濡れ場のシーンは結構インパクトがあってビックリしました。
因に本作と同じく伊丹十三監督/脚本で奥様の宮本信子さん主演の犯罪サスペンスドラマ映画作品「マルサの女」は、本作を観る前に英語語学遊学のためニューヨークはマンハッタンに滞在していたときの6月4日(土)リンカーンセンター内だったか、近くだったかのLincoln Plaza Cinemas-1( Broadway Between 62nd and 63rd)という映画館で観ました。「マルサの女」が上映されていることを教えてくれた通っていた英語語学学校の担任のケイト先生は、山崎努さんが渋くてカッコイイと大層気に入っていました。
"千鶴子"の妹、"綾子"を演じている友里千賀子さんは、苗字の字も違うものの、何故かずっと由利徹さんの娘さんだとばっかり勘違いしていました。

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2008年05月15日

「自虐の詩」

「自虐の詩」
2007年製作 日本
監督:堤幸彦 製作:松本輝起、遠谷信幸、高橋一平、久松猛朗、島本雄二、渡邊純一、平林彰、長坂信人、山崎浩一、喜多埜裕明、大下勝朗 プロデューサー:植田博樹、石田雄治、中沢晋 エグゼクティブプロデューサー:北川淳一 製作総指揮:迫本淳一 企画:細野喜朗 原作:業田良家『自虐の詩』(竹書房刊) 脚本:関えり香、里中静流 撮影:唐沢悟 美術:相馬直樹 編集:伊藤伸行 音楽:澤野弘之 主題歌:安藤裕子『海原の月』 VFXスーパーバイザー:野崎宏二
照明:木村匡博 録音:鴇田満男 助監督:白石達也
出演:中谷美紀、阿部寛、遠藤憲一、カルーセル麻紀、ミスターちん、金児憲史、島田洋八、松尾スズキ、岡珠希、丸岡知恵、Mr.オクレ、佐田真由美、アジャ・コング、斉木しげる、業田良家、名取裕子、西田敏行

業田良家さんによる本作の同名原作4コマ漫画は、漫画を読むのが不得手な私が、同作が取り上げられているBS2(NHK衛星第二テレビジョン)で不定期に放送されている私の大のお気に入りの番組『BSマンガ夜話』の第29弾を観て、即文庫版を購入して読み、そのペーソスに溢れた笑いで綴る4コマの人生大河ドラマに笑い、号泣してしまい、ページを開くだけで条件反射的に涙がこみあげてきてしまい、容易に読み返せません。『BSマンガ夜話』第34弾が6月17日(火)、18日(水)と19日(木)の何れも24時から放送されるとのことです。ラインナップは一夜目が山田芳裕さんの『へうげもの』、二夜目が雁屋哲さん原作、池上遼一さん作画の『男組』で三夜目が羽海野チカさんの『ハチミツとクローバー』とのことです。私が読んだことがあるのは『男組』のみで、それも全部は読んでいません。

場面場面で、いちいち原作を想起しては、涙と笑いが込み上げてしまい、映画化作品としてどういう出来かなぞ二の次三の次と思えます。特に中谷美紀さん演じる主人公の"森田幸江"の中学生時代の回想シーンは堪らないものがあります。その中でも特に西田敏行さん演じる仕様もない父、"森田家康"が銀行強盗事件で逮捕されてしまったことで周囲から孤立してしまった岡珠希さん扮する"幸江"が、所詮上辺に過ぎないにも関わらず、憧れの"藤沢"さんグループのクラスメートに相手にされたいがために友情を蔑ろにしてしまった同じ貧しい境遇にありながら決して"幸江"のように卑屈さを人に見せることのない心強い丸岡知恵さん演じるクラスメートで唯一本当の友人といえる"熊本"さんと殴り合いの末劇的な仲直りを果たし、生涯の友情を誓うシーンや"熊本"さんの勧めもあり、中学卒業後単身上京する"幸江"をその"熊本"さんが駅で見送るシーンは涙無くしては観れません。その別れの際、"熊本"さんが"幸江"に渡す真鍮のお弁当箱に"豪勢なおかず"が詰められたお弁当と"せんべつ"にも泣かされます。熊本"さんが、"幸江"の心ない裏切りに傷つき、人知れず涙するシーンも号泣を誘います。原作同様本作でも、せめて"幸江"には借金取りのおじさんの優しさに触れさせてあげたい気はします。

冒頭の"幸江"の中学生時代の回想シーンで降りしきる雨は哀しく恨めしく映る気がします。タイトルテロップ表示後に"幸江"の内縁の夫、"葉山イサオ"に扮する阿部寛さんがゴミの山に突っ伏している様は、何故か笑えてしまいます。ちゃぶ台返しは豪快ですが、"でえ〜い"と引っくり返して欲しい気もしたりします。関西国際空港で"幸江"とアジャ・コングさん扮する"熊本"さんが再開を果たすラストシーンも感動的やに思います。エンドロール明けのシーンには止めを刺される思いがします。登場人物は皆愛おしく素敵に感じます。"幸江"と"イサオ"が住むアパートの隣の部屋に住むカルーセル麻紀さん演じる"福本小春"の部屋にカルーセルさんの若き日のポートレイトが貼ってあったりして面白いです。"幸江"役の中谷美紀さんのさり気ない所作、"イサオ"にちゃぶ台返しをされたときの飛び方、のけぞり方や"イサオ"役の阿部寛さんの目は面白くて印象的に感じます。幸せそうな表情の"幸江"を演じる中谷さんは、とりわけ美しくてカワイイと思います。"幸江"が昔ヘルズ・エンジェルスもどきに襲われそうになったときに"イサオ"が百人斬りならぬ六人斬りをして助けてくれたことを回想するシーンも好きだったりします。阿部さんの脚の長さにうっとりしたりもします。"幸江"が作るご飯やお弁当は美味しそうに映ります。遠藤憲一さん扮する"幸江"が働く食堂、あさひ屋のマスターが"幸江"に横恋慕する様は哀しくも愉快に映る気がします。遠藤さんはこの設定のこの役にピッタリですし、目に余り変化が見られない表情の演技は味があって素敵と思います。原作者の業田良家さんもどこかに出演されているのかしら...。あさひ屋のマスターが、哀しくも通い詰めるソープランドの"ユキエ"嬢を演じている信川清順さんはチョッとしか出演していませんが、何だか凄くてインパクトあるやに思います。中谷さんや阿部さんをはじめ、出演者の皆さんはとても愛おしく素敵で見事な演技を魅せてくれている感じがします。

USJとUFJ...。

水の中をふよふよ漂うクラゲには、黒沢清監督/脚本、オダギリジョーさん主演のドラマ映画作品「アカルイミライ」や、渡辺信一郎監督の連続テレビSFアクション・ドラマ・アニメ作品「COWBOY BEBOP」の映画化作品「COWBOY BEBOP 天国の扉」の蝶を思い出す気がします。

中学生時代の"幸江"と"熊本"さんを演じている岡珠希さんと丸岡知恵さんは役のイメージに合っていますし、とても素敵な演技を魅せてくれているやに思います。カワユクもそうではなくも映る気がします。岡珠希さんの走り方は面白くてイイやに思います。

"熊本"さんは、"幸江"をも凌ごうかという極貧生活の憂き目にあり、その粗野な外見や言動から周囲から冷たい目で見られるにも関わらず、何故にあれ程までに毅然として賢明で大きな心を抱いていれるのかしら...とても凄くて素敵に感じます。

最近観た映画では、最も泣いた作品と思います。それだけ原作の印象が心に深く刻まれているということなのだと思います。私にはもはや一個の映画作品として観るということは出来ませんし、コミカルというよりもややドラマチックにし過ぎてる嫌いがなくはない気もしますが、要所は押さえられていて、下手なうるさい細工(脚色や演出)も打たれておらず、さり気ない思い遣りが込められていたりもして、感動的で、かなり上手い具合に映画化されているやに思いますし、少なくとも原作を損なってはいない気がします。構成は絶妙な気もします。監督の堤幸彦さんの本領が発揮されているというよりも、映画監督としての堤さんの力量・才能が発揮されている作品やに思います。これならば今年8月30日より劇場公開される浦沢直樹さん原作の感動のSFサスペンス漫画『20世紀少年』の堤幸彦監督による実写映画化作品もまずまず期待出来る気もします。

安藤裕子さんが歌うところのエンディングで流れる主題歌の『海原の月』もとても素敵で涙を誘います。

人の心は、強くも弱くも、そのどちらにも、どちらでもなくもなり得る...独ぼっちなぞではない愛を感じられる幸せ...。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
『幸せになりてっすか〜』
『鍋燃えてんで』

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今季これまで、アレックス・ロドリゲス選手やホルヘ・ポサーダ選手など主力選手を怪我で欠き中々好調の波に乗れないでいる好調松井秀喜選手所属のニューヨーク・ヤンキースは、5月15日(現地時間5月14日)、ここ11試合連続安打を放っている岩村明憲選手が所属する絶好調レイズ戦に、先発の200勝投手のムースことマイク・ムッシーナ投手が得意のナックル・カーブを武器に6回 1/3を1失点の好投を見せ、不振に喘ぐロビンソン・カノー選手が復調の兆しを感じさせる4打数4安打、貴重な先制点となる1打点の活躍.、守護神のマリアーノ・リベラ投手が9回を魔球カットファーストボールで見事零封し、そして松井選手も先制点の口火を切る2塁打を4回に放つなどの活躍により2対1で勝利を収めました。松井選手の活躍とヤンキースの今年こそのワールドシリーズ制覇を信じて応援しています。
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2008年05月08日

「伝染歌」

「伝染歌」
2007年製作 日本
監督/脚本:原田眞人 企画/原作:秋元康 脚本:羽原大介 撮影:藤澤順一 美術:福澤勝広 衣装:宮本まさ江 音楽:配島邦明 照明:上田なりゆき 録音:松本昇和
出演:松田龍平、伊勢谷友介、阿部寛、木村佳乃、大島優子、秋元才加、小嶋陽菜、前田敦子、AKB48、堀部圭亮、小山田サユリ、遊人、矢島健一、矢柴俊博

これまでも投稿記事の中で幾度も記していますように、元来からしてホラー映画やオカルト映画の類いは不得手なもので、観ようかどうしようか迷ったのですが、松田龍平さん伊勢谷友介さん、阿部寛さんや木村佳乃さんが出演しているということで、近所のレンタルビデオ店で借りて観てみました。現存する記録はないものの、曲を聴いた数多くの人が自殺をしたと語り継がれていて、ヨーロッパ各国で放送禁止に指定された記録も存在するという1933年にハンガリーで発表されたヤーヴォル・ラースロー作詞、シェレッシュ・レジェー作曲による歌『暗い日曜日』をモチーフに秋元康さんが原作/企画を、原田眞人さんが監督を手掛けて製作された作品とのことです。因に『暗い日曜日』は各国数多くのアーティストによって今尚唄い継がれているとのことです。この曲を元にニック・バルコウという人が著した小説をロルフ・シューベルという人が監督/脚本を手掛け、ドイツとハンガリーで合作映画化した同名のロマンスドラマ作品があるとのことです。中学生から専門学校生の頃に良く読んでいた仁木悦子さんの小説にも素人探偵の仁木兄妹が活躍する『暗い日曜日』という短編作品があります。

秋元康さんプデュースのAKB48なる女性アイドルグループ(もの凄い大所帯なのですネ)のメンバーである大島優子さん、秋元才加さん、小嶋陽菜さんと前田敦子さんが、ある日、校内で突然不気味な歌を口ずさみ、間際に"お先に"と告げて短刀による不可解な自殺を遂げた女子高生の"香奈"、その場に偶然居合わせたクラスメイトの"夏野あんず"、"あんず"と共に"香奈"の自殺の謎を解くべく、自殺間際に口ずさんでいた不気味な歌について調べる学校のトライアスロン部の部員仲間や"香奈"の親友でAKB48のメンバーの"松田朱里"といった主要な役で出演していますが、AKB48を知らないこともあってか、存在感や印象が薄目に映り、魅力が充分に活かされていないやにも感じます。まあ、でもカワイイので、今後も映画作品に出演するようでしたら、に期待はしたい気もします。

細かいところまで面白味が感じられる演出が施されている気はしますし、設定や登場人物の性格設定はユニークで興味をそそられるものはありつつも、演出意図なのか、描写・説明が充分になされていな気がして、メリハリが薄く、不明瞭なところがあり、漂う雰囲気や空気感も余り感じられないこともあり、ニュアンスとしてもミステリアスさも、スリリングさも、本作なりのリアリティーも、ファンタジックさもそれ程感じられませんし、何となくピンと来ないというか、なおざりな感じ、不自然さや違和感を感じるところがあります。観る前に心配していた過激だったり、グロテスクだったりする恐怖描写は施されておらず、恐怖、不安感や不快感におののかずに済むのは私にとっては救いではあります。お話にアクセントや抑揚はさして感じられず、インパクトに欠け、編集に苦労されたのではないかと思ったりもして、上手くまとめ切れていない気がしますし、正直何を言わんとしているのか、社会風刺なのか、生死を感じさせてくれているのかをはじめ、何だか良くわからないところもあり、何となく言い訳がましさ、ごまかしや責任転嫁の卑しさの漂いを感じる気もしたりしますが、上述の通り、細かいところまで面白味が感じられる演出が施されている気はしますし、共感を覚えるところもありますし、展開のテンポは悪くないですし、そつなく撮られている気がすることもあり、128分という比較的長丁場も飽きることなく観れてしまいました。虚ろな焦燥のようなものを感じる気もしたりします。

歌うと死ぬという"伝染歌"をめぐる都市伝説の調査をする三流風俗雑誌『月刊MASACA』の編集部員、"長瀬陸"役の松田龍平さんや先輩編集部員の"太一太一"を演じている伊勢谷友介さんの微妙な演技は魅力的で面白く、見応えがあると思います。AKB48の公演を最前列で鑑賞し、大人しめにノル龍平さんも微笑ましくて、素敵に映ります。"あんず"たちの通う高校の校長先生、"寄居直弼"さんを演じている矢島健一さんも見応えがあり好感と共感が持てる演技を見せてくれていると思います。"あんず"の叔母、"鏑木蘭子"に扮する木村 佳乃さんや超能力パホーマーの"ジェイク方丈(ほうじょう)"を演じている阿部寛さんは役不足な気がします。木村さんの表情の演技は好いです。"陸"の同僚編集部員、"モロ"を演じている本作の監督、原田眞人さんのご子息である遊人さんも面白くて見れる演技を見せてくれているやに思います。

上手い出来なのかどうかわかりませんが、面白味は感じられますし、思いの外それなりに観れる作品という気はします。ラストは些か感傷的だったり、あっけなかったり、思わせ振りだったりもしますが、あっさり目で悪くないやに思います。味も素っ気もないとまではいいませんが、上述のように、作品に漂う趣、雰囲気や空気感がニュートラルに感じられるのは私としては些か惜しく残念な気がしますので、もうチョッと色味が加味されていただけでも、かなり違ったもっとインパクトある印象を受けることが出来て、私好みの作品になったやも知れません。お話はともかく、キャストも演出も悪くありませんので、チョッと勿体ない気もします。人がやたらと死んでしまわないのは、面白いというか、好いやに思います。本作の主題歌で、劇中、歌うと自殺してしまう"伝染歌"とされるAKB48の元メンバーの五井道子(星野みちる)さんなるシンガーソングライターがその美しい歌声で歌う『僕の花』という歌は、儚気で切なくも繊細で綺麗で印象的です。"伝染歌"として必ずしも相応しいのかどうかというところも良いのやも知れません。

以前の投稿記事でも記しました支離滅裂な戯言やも知れませんが、死は出来得る限り回避すべきやに思います。でも、あえて自ら命を絶ってはいけないなどとは申すつもりはありません。本当に生きていたくなくて死を渇望しているのならば、一度きりのことでもあるので、出来るだけ後回しにした方が手にしたときの喜びも一入と思えるやも知れませんし、急いては事を仕損じるとも申します。生きているほうがましだろうがなんだろうが...それは死ぬまでに感じたり、思ったりすることに過ぎぬことやに思います。生きていると、もういっそあのときに死んでいればとか、生まれてこなければ、などと感じたり思ったりすることもあるやも知れませんが、死んでしまったらあのとき死ななければとか、生まれてこなければとか、死んでよかたなど感じも思いも抱くことは出来ず、生きているうちにそう思い信じることであるに過ぎぬやに思います。例えあの世があったとしても、同じやに思います。死は終いであることの外はわかりませんし、少なくともそれ自体が何れかの問題等の解決であるとは思い難いです。出来得るならば、息をしているだけでも良いやに思います。人生に特段の意味などないやに思います。意味は必要とあらば、見出したり、付け足したりするのでも良いやに思います。如何なる場面で、どういうものかはさて置けば、妥協と言い訳(寛容と反省)なしに生きるのはかなり困難やに思います。

生きてるから、死ねる。いつでも死ねるが、死んだら終い、その後の世界があるか否かはわからないが、何れにしろもう生きれない。急がずとも死はいつか必ず訪れる。行ける(生ける)ところまで行って(生きて)みましょう。

"死者にわかっていることは、ただ一つ、生きているほうがましだということだ”
                   ージェイムズ・エルロイ・フレッカーー                             (英国の詩人)

狂っていることなどごく僅かに過ぎず、大抵の...は、犯した・犯された過・誤ちよるやに思います。そして、過・誤ちは、必ずしも犯さざるべきとも言えないやに思いますし、過・誤ちとしてばかりにあるとは限らない気もします。

元来からしてホラー映画やオカルト映画の類いは不得手といいつつ、結構そうした作品を観ていたりする私でした。

またしても取り留めのない記事となってしまいました。

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現在テレビで放送されているアサヒフード&ヘルスケア『バランスアップ SOYクリプス』のCMで同じホリプロの大先輩で、1976年、ホリプロタレントスカウトキャラバン初代グランプリある榊原郁恵さんと共演している2007年、第32回ホリプロタレントスカウトキャラバングランプリの足立梨花さんはとてもカワイイと思います。新ウナコーワクール『もろこしヘッド』のCMにも出演しています。溌剌としていて宜しいと思います。北乃きいさんが同CMに出演されていたときよりも若い15才とのことです。

時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。
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