2008年04月26日

「催眠」

「催眠」
1999年製作 日本
監督/脚本:落合正幸 製作:柴田徹、原田俊明 原作:松岡圭祐『催眠-hyponosis- 』 脚本:福田明 撮影:藤石修 
出演:稲垣吾郎、菅野美穂、宇津井健、大杉漣、小木茂光、升毅、渡辺由紀、絵沢萌子、佐戸井けん太、白井晃、四方堂亘、高橋克実、堀部圭亮、でんでん、甲本雅裕、甲本雅裕、星野亜希、井手史保子、及森玲子、長田江身子、前田昌明、喜多道枝、朝生つぐみ、石川真希、伊藤洋三郎

松岡圭祐さんのベストセラー小説『催眠 -hyponosis- 』を落合正幸監督が共同脚本も手掛け、稲垣吾郎さんと菅野美穂さん主演で映画化したサスペンス・ホラー作品です。翌年には同じく松岡さんの同名ベストセラー小説を麻生学監督が水野美紀さんと黒木瞳さんで映画化したサイコ・サスペンス・アクション作品「千里眼」が製作公開されています。映画化作品は両作共に観ていますが、原作は何れも未読です。両原作小説共にシリズ化されているとのことです。稲垣さんと瀬戸朝香さん主演で、テレビドラマ化された本作の同名続編サスペンス・ロマンス作品は途中までしか観ていません。

とても興味深い着想に派手さはないながら、中々の顔ぶれのキャスティングで、主演のお二方や死に際に"ミドリの猿"という言葉を残すという都内各所で続発した一見自殺のような変死事件を捜査するベテラン刑事、"櫻井孝典"を演じている宇津井健さんをはじめ出演者の皆さんは、しっかりした面白い演技を魅せてくれているものの、作品の構成や出演者同士の演技の絡みが、どこかしっくり来ないチグハグした感じを受けるところが、大きな魅力に感じられたりします。怪し気、いかがわし気で、どこか作品を茶化してさえ感じられ、結局なんだか良くわからない気がしつつも、上述のように出演者の皆さんのしっかりした面白い演技の見応えもあってか、破綻しているようで破綻していない興味深い作品やに感じます。

"櫻井"刑事に捜査協力を求められ、死者にはなんらかの催眠暗示がかけられていた可能性があると示唆する心理研究所・カウンセラーの"嵯峨敏也"を演じている稲垣さんは、役に合っている気がしますし、本作での演技は大好きです。"ミドリの猿が襲ってくる"と升毅さん扮するテレビの催眠ショウでパフォーマンスを披露している怪し気な小悪人の催眠術師、"実相寺則之"に助けを請いに表れ、治療を施されるどころか、ショウに出演させられ、見世物にして連れ回される多重人格症の少女、"入絵由香"役の菅野さんの演技は興味深く見応えがあるやに思います。升毅さんや"由香"の取り調べを科警研に依頼された精神鑑定士"下元"を演じている白井晃さんのステレオティオピカルな設定や大袈裟な芝居じみた演技も作品にはピッタリな気がします。"櫻井"と捜査を共にする部下の"三井恵子"を演じている渡辺由紀さんは、役柄のせいもあるかもしれませんが、面白い存在感、雰囲気と演技を見せてくれているやに思いますし、"櫻井"らの主張する変死事件の他殺説を否定する"牟田悦司"刑事役の大杉漣さんは相変らず味のある存在感と正しく体当たりの演技を見せてくれています。警察署長、"朝生俊之"役の中丸忠雄さんもイイ味を出してくれているやに思います。宇津井健さんは、誠実・堅実な演技、雰囲気と存在感をもって、作品全体を引き締めてくれている気がします。これら皆さんの演技の絡みが何処か微妙に噛み合っていないというか、しっくり来ないチグハグした感じを受けるのも面白く感じます。心理研究所・心療研究室室長の"倉石勝正"役の小木茂光さんの演技、雰囲気と存在感は安定感が感じられて、何というかホッとさせられるところがある気がします(トラは出てきませんが...)。

連続して起きる変死事件とクライマックスで語られることに矛盾感を抱く、抱かされるのも恐くて面白いところやに思えたりします。改めて加減というか、今更加減も好い気がします。

この作品が製作された頃の映画で菅野さんが主演、出演している江國香織さんの同名小説を合津直枝さんが監督、プロデュースと脚色を手掛け、原田知世さんと渡部篤郎さん主演で映画化したロマンスドラマ作品「落下する夕方」、くじらいいく子さんの同名漫画を錦織良成さんが監督と製作を手掛けて、菅野さん主演で映画化したアクション・ロマンス・コメディ作品「守ってあげたい!」や伊藤潤二さんの代表作のホラー漫画『富江』を菅野さん主演で映画化した「富江」シリーズ第一作の「富江 tomie」は劇場公開時に劇場に観に行ったり、ビデをリリース時にレンタルビデオ店でビデオを借りて観たりしましたが、その後テレビドラマ出演をメインに、着実にキャリアを重ね活躍されているものの、映画に余り出演されていないのは、何だか残念な気もします。
稲垣さんには、また魅力を充分に発揮できる映画作品・役に巡り会われんことを願って止みません。

何やかやと書きましたが、正直何だか良くわからないけれども好きな作品の一つです。

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時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。
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2008年03月31日

「0093 女王陛下の草刈正雄」

「0093 女王陛下の草刈正雄」
2007年製作 日本
監督:篠崎誠 プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ 脚本;加藤純也 撮影:伊藤昭彦 美術:金勝浩一 編集;佐野由里子 音楽:遠藤浩二 主題歌:草刈正雄『コードネームは0093』 効果:小山秀雄 殺陣:秋永政之 照明:梨本茂 整音:野宮聡 装飾;吉村昌悟 録音:重松健太郎 助監督:井上雄介
出演:草刈正雄、黒川芽似、麻有(草刈正雄さんの娘さんです)、和田聰宏、唐橋充、水野晴郎、森田正光、嶋田久作、森下能幸、諏訪太郎、中原和宏、内木英二、松澤仁晶、浜崎茜、角秀一、西歩見、砂央里、榎本有希、桜木涼介、林和義

BS-iで放送されている人気連続サスペンス・ミステリードラマ作品『ケータイ刑事』シリーズのプロデュースを手掛けている丹羽多聞アンドリウさんがプロデュースしています。丹羽多聞アンドリウさんの若手女優さんを発掘する能力は大林宣彦監督に匹敵する気がしたりします。{赤川次郎さんの小説『午前0時のわすれもの』を大林監督が監督/脚本/編集を手掛けて、大林組常連キャストで映画化したファンタジードラマ作品「あした」は面白さの云々と尺の長さはともかく、とても素敵な作品と思います。出演者はみなさん素敵ですが、"朝倉恵"役の宝生舞さん、"金澤弥一郎"役の植木等さん、"綿貫ルミ"役の朱門みず穂さん、そして特に水泳部の"安田沙由利"を演じている椎名ルミ(現在の芸名は椎名亜衣さんとのことです)さんが村田雄浩さん扮する勤務する会社の水泳部のコーチだった"唐木隆司"との永久の別れを交わす切なく感動的な名シーンでの演技は主人公の"原田法子”を演じている高橋かおりさんの美しいヌードよりもなによりも、素晴らしく感じます。この作品には藤谷美紀さん、 野村佑香 さんや中江有里さんも出演されています。とてもファンタジック、残酷で達観というかあっけらかんとした作品のように感じられたりもします}とにかく企画自体が嬉しくて、満足してしまいそうな作品です。タイトル然り、『ケータイ刑事』シリーズ同様、小ネタ、ギャグ、パロディ・セルブパロディや楽屋オチなど、遊び心というか、ふざけ心は満載のおちゃらけた作品ですが、主人公の押しも押されもせぬ二枚目大スター俳優にして女王陛下の元で働く諜報部員である"草刈正雄"を演じる草刈正雄さんをはじめ、出演陣の真面目でコミカルな(真面目にとぼけておるような)演技や存在感の魅力を満喫出来ますし、しっかりとおちゃらけていていますし、そつのない作りで、とても楽しめます。特撮も楽しいです。特に自力スローモーションの演技は見応え十二分です。お話はピアーズ・ブロズナン扮する5代目ジェームズ・ボンド第2弾にしてシリーズ第18作のロジャー・スポティスウッド監督による「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」を踏襲したような感じに見受けられたりします。草刈さんにはピアーズ・ブロズナンと共演して欲しい気もしたりします。丹羽多聞アンドリウさんが作詞を手掛け、草刈さんが歌う主題歌『コードネームは0093』はCMソングのようで耳に付きもしますが、楽しいです。
"草刈正雄"の正体を暴くスクープを狙う誇大妄想癖のある日刊スポーツ新聞の記者、"霧島ハルキ"を演じていて、『ケータイ刑事 銭形泪』でも草刈さんと名(迷)コンビを演じている黒川芽以さんのおちゃめな演技や"草刈正雄"をサポートする諜報部員にしてマネージャーの"一文字楓"役の彩輝なおさんの凛々しく涼やかな綺麗さと色香にとぼけた演技も楽しいです(ファンになってしまいそうです)。"草刈正雄"の娘、"麻有"役の草刈正雄さんの実の娘さんで本作でスクリーンデビューとなる草刈麻有さんの初々しくも落ち着いた演技を見せてくれています。草刈さんと親子喧嘩するシーンは微笑ましくてイイです。クールで品があって綺麗です。日刊スポーツ新聞のカメラマン、"肥田オサム"役の和田聰宏さんや英国の研究所から盗まれた洗脳信号ディスクを手に入れ、電波を通じて全国の視聴者を洗脳する陰謀をめぐらせている新たにテレビ局を開局するIT企業社長の"三輪嘉門"役の嶋田久作さんなど個性的なキャストも味のある演技と存在感で作品を盛り上げてくれています。和田さんには惹き付けられる何かを持ち合わせていて、効いている気がします。好い個性をしていると思います。テレビ局に潜入して"草刈正雄"さんが仕掛けられた灼熱のトラップに嵌められてしまったときに唐突に諏訪太郎さん扮する"箱男・鈴木”さnが登場し、窮地を救うシーンは何だかウルッと来ます。遺言として" 草刈正雄"さんに手渡した手紙は可笑しくも差し入れ嬉しかったのと、最後の最後部これも差し入れ欲しかったというのが伝わって面白い気がします。
内木英二さん分する俳優、草刈正雄さん、そして英国諜報部員、"草刈正雄=0093"の魅力を肩の力を抜いて満喫出来ます。草刈さんカッコイイです。大藪晴彦さん原作の同名小説を一倉治雄さんが映画化したアクション映画アクション映画作品「名のない破壊男」以来現代アクションを披露してくれるのを観た気がします。
続編『草刈正雄は二度死ぬ』の製作を切に願います。
因に佐々木浩久監督、黒川さん主演の青春学園アクション映画作品「学校の階段」は、鑑賞時寝不足だったせいもあったかもしれませんが、途中どうしても睡魔に抗し切れず眠ってしまい、何度見返しても最後まで観れませんでした。過去の経緯から『階段部』を目の仇にする生徒会長の"中村ちづる"を演じている小阪由佳さんはミスキャストのような気がします。構内に張り巡らせられているハイテク機器を用いてレースが執り行われるというのも、もっともらしくもありますが、飽くまでもスポーツなのだと、説明じみていて、エキサイトメント、イパク、情熱により無軌道さというかがむしゃらなの若さの情熱みないなものが薄らいでしまっている気がします。黒川さん主演作だったので、期待していたのですが...。
気のせいでしょうが、黒川さんは本当にチョッと見ですが、新垣結衣さんに似ている気がしたりします。新垣結衣さん主演の青春ドラマ映画作品「恋するマドリ」を観ましたが、主人公の美大生、"ユイ"を演じている新垣さんは、正統派ながら、独特のテンションと間を持っており、表情と表現が豊かで、とても魅力的な女優さんと感じました。共演の"ユイ"の初めての一人暮らしのマンションの上階の住人で、アルバイト先の上司、"タカシ"役の松田龍平さんは、これまで観た中で最も等身大のカッコヨサの魅力を感じましたし、"ユイ"が引越前に江口のりこさん扮するお姉さんと同居していた家の現在の住人,、"アツコ"を演じている菊地凛子は、達観した肩に力が入っていない演技にホッとする感じというか、落ち着きを感じる気がします。木村佳乃さんと似ている気もして、以外と彼女の方がエキセントリックで凄みと強い灰汁のある個性を持っている気がしたりします。世良公則さんが登場すると何てことも無い気もしますが、画面が絞まる気がします。新日本プロレス中西学選手がヘラクレス運輸で働くプロレスラー、"サタン護国寺"役で出演していて、良い人さが滲み出ていました。恋に恋するというような切なくも清々しい、人を思い遣ることで感じる幸せが描かれて、伝わってくるような気がする作品やに感じます。実感としては良くわかりませんが、監督の大九明子さんはじめスタッフの皆さんの実感,共感に根差した現実の一端の切り取りと創造をリアルにブレンドして描いている作品のようにも感じます。誤解や思惑のズレの生やその処し方の描写表現が面白い気がしたりもします。つじあやのさん作曲/作詞のエンディングテーマ『メモリーズ』を新垣サンはとても感じ好く歌っている気がして、心地良いです。

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先日の投稿記事で記載しました自宅階段からと大船駅階段からの転倒落時の頭部打撲のCT検査の結果は、脳及び頭蓋骨に損傷は診られとのことで、どうしようもない私ごときのことをご心配して頂けた方もおられたやも知れませんが、一応一安心です。ご心配とお気遣いを頂いた方には、お詫びと感謝を申し上げさせて頂きます。ただ、同じ箇所を複数回打撲しており、脳震盪を起こしている可能性は大きいとのことで(短期間に続けて脳震盪を起こしてしまうと"セカンドインパクトシンドローム"といってかなり重篤な状態になることもあるとの事ですので、私がいうのも何ですが、皆さんもお気をつけ下さい。特に激しいスポーツなどされる方は。頭痛、顔の浮腫みや左目と鼻の間周辺に生じている内出血等の諸症状(目眩、ふらつき、くらつき、気のせいかもしれませんが、軽度の吃りや突発的に襲われる眠気の症状は別の要因が大きいのではとのことで、別途診察治療を受ける予定です)はまず1〜2週間は治まらないだろうとのことでした。一昨日からは鞭打ちのような症状も出ている気がして、尚更難儀しています。先だっても書きましたが、体調不良を押してまで、書かずとも良いとも思うのですが、それもこんな時間に...、夜中になると頭痛(鈍痛)激しくなる気がして、目が覚めてしまい、以前に書いておいたこの記事をこんな投稿したりなぞしています。パソコンのキーボードを打つのは依然として困難な作業で、このパラグラフを描くだけでもかなり時間が掛かってしまいました。不謹慎やも知れませんが。連日の通院は疲れますし、集中力が保てず、映画が観辛いのはかなり辛いです。
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2008年02月17日

「図鑑に載ってない虫」

「図鑑に載ってない虫」
2007年製作 日本
監督/脚本:三木聡 製作:相原裕美、大村正一郎、高野力、小幡久美、宮崎恭一 プロデューサー:原田典久、渋谷保幸、佐藤央 協力プロデューサー:林哲次 撮影:小松高志 美術:丸尾和行 編集:高橋信之 音楽:坂口修 コスチュームデザイン:勝俣淳子 ラインプロデューサー:鈴木剛、姫田伸也 照明:松岡泰彦 録音:永口靖
出演:伊勢谷友介、松尾スズキ、菊地凛子、岩松了、ふせえり、水野美紀、松重豊、笹野高史、三谷昇、渡辺裕之、高橋恵子、森下能幸、志賀勝、村松利史、片桐はいり、嶋田久作、つぐみ、園子温、山崎一、田中哲司、マメ山田、佐々木すみ江、新屋英子

相変わらずパロディやオマージュをはじめ、遊び、おふざけ、ギャグや小ネタ満載で、本作のそれは、グロテスクだったり、気持ち悪い描写をしていたりして、はじめはチョッと飛ばし過ぎかなという感じもしますが、次第にそれも気にならなくなるというか、スパイスとして感じられるようになり、作品世界を楽しめるようになります。昔のオトナな青春ドラマのような雰囲気の漂いを感じ、ついつい惹き込まれてしまうものがあり、羨ましい気さえしてしまいます。ベタと思しきギャグやネタも含めて、ついついクスクスっと笑わずにいられません。
珍妙な味付けのなされている奇想天外な(やりっぱなしなところもあったりする)お話ではあるものの、プロットは特段どうということもなく、オーソドックスといえばオーソドックスでしっかりしているといえばしっかりしていますし、分別をもってと受止めていいのかどうかはわかりませんが、決して破綻をきたさず描き見せてくれている気がします。奇を衒っていると風には感じられず、とにかく笑える楽しめる面白がれる、笑ってもらえれば楽しんでもらえれば面白がってもらえればというようなスタンスによる嫌味に感じない微妙な箍の外れ加減が私には何とも楽しめてしまいます。
何ってことはないのかも知れませんが、"生きる"を謳歌する様が描かれている感じがします。終盤の...の描写は秀逸にさえ感じますし、観後感は何やら爽快な心地良さを覚えます。くだらないと思えるのも生きていてこそと思ったりもします。何かと比較さえしなければ、否、比較したとしても、彼らは皆ことさら意識することなしに、十分分別を持って"生きている"やにも見受けられる気がします。
ネタと思しきも見受けられますし、三谷幸喜さん脚本によるシットコム『やっぱり猫が好き』シリーズの雰囲気も感じる気がします。W.W. ジェイコブズの同名怪奇短編小説をモチーフにした第55話の『猿の手』を思い出さずにはいられません。

水野美紀さん扮する美人ながら下品で高圧的でオカシナ"月刊黒い本"の編集長に仮死体験ができるという"死にモドキ"なる謎の虫を探し出し、臨死体験をルポせよと依頼される"俺"を演じている伊勢谷友介さんは、控え目な弾け加減がお茶目で面白くて好感が持て、好い味を出している気がしますし、何よりカッコイイと思います。水野美紀さんは、彼女にしてはかなりエキセントリックでコミカルな役をインパクトがある演技で魅せてくれているのもそうですし、何故かセクシー、キュートで素敵に映ります。"俺"の相棒でアル中のオルゴール職人の"エンドー"を演じている松尾スズキさんもいつもながらはじめはうるさ過ぎる嫌いがある気はするものの、観ているうちに、何というか愛おしくというのとは違う気がしますが、そんな風にすら感じられるようになるから不思議です。毛深いのにも親近感を覚えます。"俺"や"エンドー"らと共に"死にモドキ"探しをすることとなる元SM嬢でリストカット癖を持つ"サヨコ"を演じている菊地凛子さんの薄い眉での上目遣いが何ともいえない気がします。エキセントリックなようで、まっとうだったりと、微妙なニュアンスを表現する演技は興味深く魅力的に感じます。憎めないヤクザの”目玉のおっちゃん"役の岩松了さん、"目玉のおっちゃん"の愛すべき舎弟、"ちょろり"を演じているふせえりさん、"俺"の前に"死にモドキ"の調査をしていて失踪してしまったおかしな悲壮感を漂わせたカメラマンの"真島"を演じている松重豊さんやモツ煮込み屋の親父さん役の笹野高史さんをはじめとした三木作品の常連俳優さんたちの三木ワールドへの溶け込み具合が実に自然で、とても嬉々として愉しく映りますし、最後チラリと映る...姿が薄気味悪くて、ドキッとさせられたりもする"サヨコ"の母親役の高橋恵子さん、筋骨逞しい男たちを率いる貨物船の船長を演じている渡辺裕之さんや職務中に婦人警官にディープキス(の手ほどき)をしたりする"太田刑事"役の志賀勝さんらも存在感と味のある演技を見せてくれている気がします。"ツボ師匠"を演じている園子温さんも何だか凄い気がします。そういえば大好きな人気連続TVコメディドラマ作品『帰ってきた時効警察』の園子温さんが演出・脚本を手掛けている第6話『青春に時効があるか否かは熊本さん次第!』にも山口美也子さん演じる"つぼ師匠"が登場しています。

以前投稿しました三木監督、上野樹里さん主演によるコメディ映画作品「亀は意外と速く泳ぐ」を取り上げています記事にも記しましたが、可笑しくて愉快で憎めない人々と変なモノたちのような何気ない日常を切り取りデフォルメする仕方には勘所をくすぐられます。嫌味ないおとぼけ、ズレ可笑しくて愉快で憎めない人々と変なモノたちのような何気ない日常を切り取りデフォルメする仕方には勘所をくすぐられます。嫌味ないおとぼけ、ズレほのぼのと清々しく前向きに元気が出る作品やに思います。

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2008年02月01日

「蟲師」

「蟲師」
2006年製作 日本
監督/脚本:大友克洋 プロデューサー:小椋悟 エグゼクティブプロデューサー:バーク・サンミン、二宮清隆、泉英次 原作:漆原友紀『蟲師』(アフタヌーンKC刊) 脚本:村井さだゆき 撮影:柴主高秀 水中撮影:さのてつろう 特殊メイク/造型:仲田彰輝 美術:池谷仙克 衣装:千代田圭介 編集:上野聡一 音楽:配島邦明 VFXアドバイザー:古賀信明 ヘアメイク:豊川京子 衣装デザイン:おおさわ千春 音響効果:北田雅也 照明:長田達也 装飾:大坂和美 録音:小原吉哉 助監督:佐藤英明
出演:オダギリジョー、江角マキコ、大森南朋、蒼井優、りりィ、李麗仙、クノ真季子、守山玲愛、稲田英幸、沼田爆

テレビアニメ版は放送を何度か観たことがありますが、漆原友紀さんの原作コミックは読んだことがありません。因に本作の監督と脚本を手掛けているのが大友克洋さんだということは、この投稿記事を書くにあたって作品について調べるまで知りません(気づきません)でした。

特撮を含めた映像は鮮やかな圧倒感があり、あたかも雰囲気が体感されるような気さえします。特に木々や森などの緑や、自然の映像の切り取り方は美しく見応えがあって素敵で惹き込まれてしまいそうです。主なロケ地は滋賀県とのことですが、素敵ですし、霊的なものを感じる気もします。音楽や音響効果も作品の雰囲気を盛り上げているやに感じます。泉鏡花の作品に感じるような雰囲気(や世界観)を感じる気がチョッとしたりします。何処まで掘り下げたお話なのかしらと思いますし、良くわからなかったりもしますが、130分の長尺も気にならずに観ることができました。作り込みはされている気がしますが、新しいようで古い、古いようで新しい感じがする気がしたりします。
庄屋夫人役のりりィさん、蒼井優さん扮する全ての生命に死をもたらす強力な『禁種の蟲』を体内に封じている筆記者、"狩房淡幽(かりぶさたんゆう)"の乳母で蟲師の"薬袋たま(みないたま)"を演じている李麗仙さんや虹蛇(こうだ)と呼ばれる虹のような蟲を求めつつ、オダギリジョーさん演じる主人公の蟲師、"ギンコ"を助けて旅をする"虹郎(こうろう)に扮する大森南朋さん味のある演技と存在感を見せてくれているやに思います。稲田英幸さん演じる親を失い行き倒れていた幼少期の"ギンコ(当時の名は"ヨキ")を助ける女蟲師、"ぬい"を演じている江角マキコさんは演技はさておき、魅力的存在感を放って感じられる気がします。江角さんにはもっと映画に出演して欲しい気がします(彼女の女優デビュー作、是枝裕和監督のドラマ映画「幻の光」、私は好きです)。"ギンコ"を演じるオダギリさんの抑えたさり気ない演技と大人しくも独特の雰囲気を漂わせる存在感は魅力的に感じます。"虹郎"との別れ際にオダギリさんが見せる表情は何とも好いです。"鬼太郎"みたいな感じもしたりします...。
"淡幽"が封印されていた巻物から抜け出た蟲を封じた蠢く文字を狩房家に代々伝わる家宝の長い菜箸を用いて掴み、巻物に封印し直すシーンは中々面白くて、見応えあるやに思います。虹蛇のシーンも見応えあるやに思います。"ヨキ"と"ぬい"との(夢)回想のようなシーンは今一つピンと来ないところがあったりします。
ラストも嫌いではありません。

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2008年01月26日

「ラブドガン」

「ラブドガン」
2004年製作 日本
監督/脚本:渡辺謙作 製作:孫家邦、石川冨康、尾越浩文 プロデューサー:菊地美世志 ノベライス:伊藤和彦『ラブドガン』(リトルモア刊) 撮影:安田圭 美術:吉村桂 編集:日下部元孝 音楽:Dhal VFXスーパーバイザー:石井教雄 照明:上田ないゆき 録音:柴山申広、柿澤潔 助監督:大津是
出演:永瀬正敏、宮崎あおい、新井浩文、岸部一徳、野村宏伸、田辺誠一、川合千春、伊佐山ひろ子、土屋久美子、飯田孝男、水上竜士、狸穴善五郎、荒戸源次郎

作品や登場人物の設定や描写、お話の展開もシュールな外連味とでもいうのか、漫画チックだったり、劇画チックだったり、妙に生々しくて写実的だったり、まあ映画らしかったりと継ぎ接ぎだらけで統一感が薄い気もしますが、不思議とシックリいっても感じられるやの独特の温いとはいいたくないので温かくてファンタジックでハードボイルドな片隅的世界観を漂わせた不思議な作品やに感じます。世界観に浸れれば、見応えが感じられるやに思います。根拠はありませんが、夏の日の明け方、チョッとぼんやりしつつ観たりすると世界観に浸りやすいやも知れないと思ったりします。ガン(ピストル)の閃光というより、ナイフのぎらつきのような運命の軌跡により傷つき哀しみ絶望に枯れ荒れた心、思・想い、気持ちや感情の交錯なのかと埋もれて見失いかけていた心、思・想い、気持ちや感情を見つけたことによる新しい運命(未来)への歩みが感じられる作品やに思います。だからどうなんだというのはわからりませんが、どこか心の琴線に触れるものがある気がします。残酷さとかではなく因果を感じる気がします。バランスが崩れかけた危うい雰囲気を漂わせつつ、バランスを保ったままひょいとラストまで持って行くじれったさというか寸止め感が好いやに思います。ラストはぬくもりや安らぎや安堵感とともに孤独感、空虚感や寂しさをはらんだ爽快感を感じる気がします。奇しくも同じ年に製作された松浦徹監督、江口洋介さん主演、宮崎あおいさんら共演のサスペンス映画作品「ギミー・ヘブン」のラストにも同じような印象を抱きますが、あちらの方は江口さんの存在もあってか、温もりや安らぎや安堵感が強い気はしますが...。永瀬正敏さんも出演していて、本作の監督の渡辺謙作さんが助監督を務めている鈴木清順監督、(伊藤和典脚本、樋口真嗣特撮、)江角マキコさん主演のアート・アクション・ドラマ映画作品「ピストルオペラ」のような雰囲気の漂いを感じる気もしたりします。

危なくも滑稽にも映る気もする、組織からボスを殺し逃げている"葉山田"を殺害するために差し向けられた身寄りのない"葉山田"を引き取り我が子のように育てた男、"丸山定"を演じる岸部一徳さんは味があり、"丸山"と共に"葉山田"の命を狙う若いチンピラ、"種田太志"に扮する新井浩文さんは役にマッチしていますし、効いているやに思います。幼くして両親を亡くし育ての親によって殺し屋に仕込まれた男、"葉山田且士"を演じている永瀬正敏さんと両親の死の原因となった父親の愛人を憎み"葉山田"に殺害を依頼する少女、"小諸観幸"に扮している宮崎あおいさんは二人の微妙な関係に宿る交流や絆を見事に微妙に演じ表現していて魅せてくれているやに思います。誕生年月日が私と4日しか違わない永瀬さんは、本作でも"永瀬正敏"の存在感と雰囲気を醸して感じられますし、カッコイイと思います。宮崎あおいさんは大人しやかで可愛らしいけれど、インパクトある素敵な存在感、雰囲気と演技で魅せてくれている不思議な魅力をした女優さんやに思います{何といってもTV犯罪サスペンス・ミステリードラマ作品『ケータイ刑事 銭形』シリーズ、銭形四姉妹の長女、銭形愛ですから(現在TBSにて毎週火曜日深夜に再放送されています)}。本作で久しぶりに観た"観幸"を襲う知り合いの不埒な医師、"長谷川"を演じている野村宏伸さんの変態振りには、面白いような寂しいような複雑な思いがしました。片岡義男さんの同名原作小説を森田芳光さんが監督と脚本を手掛け、金子修介さんが助監督を務め、薬師丸ひろ子さん主演で映画化した青春ドラマ映画作品「メイン・テーマ」なぞもロードショーを劇場に観に行ったりもしました...この作品キャストが中々面白い気がします。原作も読んだりしました。

真っ赤な銃の名前が"アキラ"で、赤い銃弾だなんて...ハードボイルドでファンタジックな素敵な茶番劇といったところかしら...。

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2008年01月23日

「RAMPO(黛バージョン)」

「RAMPO(黛バージョン)」
1994年製作 日本
監督/脚本:黛りんたろう 製作:奥山和由 プロデューサー/美術:西岡義信 原作:江戸川乱歩 脚本:奥山和由、榎祐平 撮影:森田富士郎 編集:谷口登司夫 音楽川崎真弘 音楽プロデューサー:佐々木麻美子 助監督:原田真治
出演:本木雅弘、竹中直人、羽田美智子、佐野史郎、平幹二郎、樹木希林、岸部一徳、香川照之、高城淳一、マルセ太郎、江戸家猫八、九仁亮子、小林泉、門田裕、酒井雅章、花岡秀樹、大迫英喜、山崎大聖、松永ひさ乃

未見と思って観てみましたが、観たことがあるシーンがちらほらとあり、途中で奥山バージョンだったか、完全版だったかを観たことがあったのだということを思い出しました。観たことを忘れていたくらいですので、他バージョンとの比較は出来ませんが、他の江戸川乱歩さん原作小説やそれらをモチーフにして映画化された作品なぞに見られるような、淫靡さ、倒錯感、エログロさ、オドロオドロしさ、妖しさや猟奇的な感じもさして見受けられませんし、然程癖もなくすっきり、こじんまりとまとまっていて、観やすい作品やに感じます。虚構と現実が交錯するミステリアスな幻想感は漂わせていますが、置いてきぼりにされるような、お話でも展開でもない気はします。ただ何となく乱歩さんの世界観が持つ雰囲気やニュアンスは伝わって来る気はするものの、インパクとに欠けるというのもそうですし、以前の投稿記事でも記していますように、日本を代表する推理作家、江戸川乱歩さんの小説は、そのオドロオドロしさが苦手で小学生の時分に図書室で児童向けに出版された作品を読んだことがある程度で、映画やTV映画・ドラマ化作品も数多くありますが、一部しか観ておらず、傾倒していないせいもあるのかもしれませんが、何なのか感じ取り切れない、モヤモヤとした気持ちになる気がします。
乱歩さんの作品世界で描かれている"事件"なぞは決して解決のなされない辛く切なく哀しく苦しく残酷なものということなのでしょうか...。

"明智小五郎"に扮する本木雅弘さんは美しく画面を引き締めてくれていますし、服の着こなし、ちょっとした所作や動きも決まっていてカッコイイと思います。"江戸川乱歩"役の30代の頃の若き竹中直人さんの抑えが効いて、繊細さが感じられる熱のこもった演技は素敵やに思いますし、"乱歩"の編集者、"横溝正史"役の香川照之さんは味のある確かな演技と存在感を見せてくれていますし、"大河原侯爵"役の平幹二郎さんに至っては、その存在感や演技力も然ることながら、役に見事にマッチしていて恐いくらいで、インパクとあります。微妙な演技もやはり流石と感じます。犬に噛まれた"明智"を演じている本木さんの腕の傷口に口を押し当てるときに見せる表情は危険な香りを感じます。"静子"役の羽田美智子さんはまだ色は薄い気はしますが、しっとりと美しく妖しく儚気でミステリアスな悪女振りが魅力的に感じます。微妙な演技や雰囲気も感じられる気がします。根津界隈の主婦/大河原邸の女中頭役の樹木希林さん、帝室美術館門番/カフェの主人役の岸部一徳さんや大河原邸の執事"藤森"役の高城淳一さんも効いているやに思います。円タクの運転手を演じている今は亡きマルセ太郎さんは顔が恐くてインパクとあります。

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2008年01月19日

「ドラッグストアガール」

「ドラッグストアガール」
2003年製作 日本
監督:本木克英 製作:小林栄太郎、気賀純夫 プロデューサー:高橋康夫 企画:遠谷信幸、真塩嗣、加藤正明 脚本:宮藤官九郎 撮影:花田三史 美術:太田喜久男 編集:川瀬功 音楽周防義和 照明:松岡泰彦 製作担当:相場貴和録音:岸田和美 助監督:伊藤匡史
出演:田中麗奈、柄本明、三宅裕司、伊武雅刀、六平直政、徳井優、余貴美子、荒川良々、藤田弓子、根岸季衣、篠井英介、山咲トオル、杉浦直樹、三田佳子

宮藤官九郎さんがファンである田中麗奈さんのために書き下ろしたとのオリジナル脚本を本木克英監督が映画化したスポーツ・コメディ作品です。田中麗奈さんの主演映画作品では今まで観た中で一番のお気に入りです。

同棲中の彼氏に裏切られ行く宛もなく飛び乗った電車で辿り着いた郊外の街・摩狭尾(まさお)のバンブーロード商店街の先にある大型ドラッグストア"ハッスルドラッグ"でアルバイト店員として働くようになる薬科大学3年生でラクロス部に所属する"大林恵子"を演じている主演の田中麗奈さんは、本作が初めてのコメディ映画出演だったとのことですが、役にも、作品ににも見事にマッチしていて、彼女の魅力が十二分に表現されているやに感じます。とにかく飾り気なくて、溌剌として可愛いです。独特の存在感や演技の魅力を兼ね備えた女優さんやに思います。"恵子"と親密になりたいがためにラクロスを始める地元の中年男性たちを演じている柄本明さんをはじめ、脇を固めるキャストの面々も個性的で、役にも、作品にもマッチしていますし、愉しい演技を見せてくれているやに思います。特に"ホームレスのジェロニモ"役の徳井優さんはインパクとあって好きです。
宮藤官九郎さんテイストのポップさによるお話の箍の外れ具合と田中麗奈さんをはじめとした配役と演者の演技や存在感の魅力による惹き付けのバランスがとても好くて、テンポも良いですし、スパイスが効いていたりもして、何か心に残るといった感じではありませんが、観後感爽快に感じ得る、楽しめる作品やに思います。ラクロスを題材にしているところもお話にマッチして効いている気がします。「ドラッグストアガール」オープニングテーマの『DRUGSTORE GIRL」を中嶋朋子さんが歌っているというのも面白い気がします。エンディングテーマとして使われているバグルスの『ラジオスターの悲劇』も懐かしくて好いやに思います。"恵子"を演じている田中麗奈さんの魅力と彼女を取り巻く中年男たちの恋心によるいじましい奮闘振りなぞなぞの二重構成で描かれているやに見て取れる作品に感じられる気もします。
ウィリアム・S・バロウズの神父役に深遠さを感じたりすもる(青年期はドラッグ常用者で奥さんを射殺する事故(?)まで引き起こしていますが、出演当時はドラッグと訣別、ドラッグに反対する姿勢も見せていたとのことです)、うらぶれた日常とシュールな幻想描写が巧みに感じられるスタイリッシュでクールで内容や描写にしては、サラリと観れてしまい、感慨が胸をかすめさえする不思議な感じがするガス・ヴァン・サント監督/脚本、マット・ディロン主演の青春ドラマ「ドラッグストア・カウボーイ」とは大違いなことはいわずもがなです。
関係ありませんが、トンプソン・ツインズの8枚目のアルバム『クウィア/Queer 』に『フラワー・ガール/Flower Girl』という曲が収録されているのを思い出しました。

本作の舞台となるバンブーロード商店街のロケ地は何と馴染み深くも横須賀市上町の池之端商店街です。その他のロケ地については管理人の「のむら」さんが運営されている田中麗奈さん私設ファンサイト『RENA ARENA! - 田中麗奈ファンサイト』をご参照願います。

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2008年01月18日

「深紅」

「深紅」
2005年製作 日本
監督:月野木隆 プロデューサー:河村清信、今村立広介、明石竜二 企画:岩永恵、木村純一、遠藤茂行 原作/脚本:野沢尚『深紅』(講談社文庫刊) 撮影:鈴木達夫 美術:稲垣尚夫 音楽:沢田完 主題歌;信近エリ『Lights』
出演:内山理名、水川あさみ、小日向文世、緒形直人、内田朝陽、塚本高史、堀北真希、平田満、南田陽子、田中好子、島田陽子

先日の投稿記事でテレビ朝日の『シネマエクスプレス』にての放映情報を取り上げた野沢尚さんの同名原作小説を自らが脚本を手掛け、月野木隆監督、内山理名さんと水川あさみさん主演で映画化したサスペンス・ミステリー作品「深紅」のエアチェックビデオを観てみました。危惧していた程恐くも悲しくもありませんで安心したような、肩透かしを食らったような気もしますが、まずまず見応えある優しく(緩く)熱い作品やに思います。

小学校の修学旅行中に家族を惨殺された過去を持つ主人公の女性、"秋葉泰子"の小・中学生期を演じている堀北真希さんは、事件により自らの内に生じる目覚めなのか、芽生えなのか何なのか...変化の兆しが感じられ、不安定で危う気で恐さすら感じつつ、ホッとさせられるところもある気がして、興味深く、惹き付けられてします。エキセントリックなタイプというよりも、どちらかというと正統派タイプの女優さんという印象が勝りますが、独自のテンションというか雰囲気を持った面白味のある魅力的な女優さんやに感じます。大学生の"泰子"を演じている内山理名さんは、雰囲気なぞはそれ程印象強く感じられる気はしませんが、微妙で難しい役ながら、その真っ直ぐで確かな演技で演じて魅せてくれているやに映ります。素敵且つある意味面白く、好感が持てる女優さんやに思います。緒形直人さん扮する"泰子"の家族を殺害していまった男、"都築則夫"の娘、"都筑未歩"役の水川あさみさんは、インパクトはややも、こちらも微妙で難しい役柄をさらりと無難に演じて見せてくれている気がします。意外と正統派な印象がします。"泰子"の父親、"秋葉由紀彦"役の小日向文世さん、緒形直人さん、"泰子"の恋人、"渡辺拓巳"役の塚本高史さんや"泰子"の小学校の担任、"井原佳代"役の南野陽子さんも結構効いている気がします。冒頭のシーンで"泰子"の小学校の修学旅行の引率責任者だかの役でチョコッとしか出演していませんが、亡き草薙幸二郎さんはさんは相変わらず好い味を好い味を出しているやに思います。事件後に"泰子"の主治医を務めていた精神科医、"田中医師"の診断についても、彼女を演じているのが島田陽子さんというのもチョッとピンと来ないというか、何となく唐突な感じがしたりすることも含めて案外面白いキャスティングという気がします。

脚本によるものなのか演出によるものなのか途中までの展開には釈然としないというか、もう一つグワーッと来ないとないというか、チョッと意地悪に感じられたりしもて、音の使い方や内面(心理)描写を含めてもうチョッと丁寧且つ醍醐味を持たせてほしい気もしますが、 クライマックス、特に"泰子"の過去の忌まわしい記憶と現在の本当の想いとのシンクロと葛藤や"未歩"への心の中での語りかけの描写には惹き付けられるものがある気がします。

目覚めなのか、変化なのか、新たな発生なのか...何故自分が...背負った・背負い込んだ罪の自責によるもどかしく苦しい気持ち、思・想いを如何に吐露するか、気持を如何に具現化するか...何をしたいかなんてわからない...本当の明日は何時訪れるのか...終りになんて出来ないから...さよならを、別れを...同じ気持ちだから...何となくわかる気もします。

"暴力"と一括りにしてしまうのもどうなのかと思わなくもないですが、私は、自分ではこれまで"暴力"を振るわれることこそあれ、振るうことはまずなく生きて来れたと思っていますが、"暴力"に訴えんとする感情や思いが頭をもたげてしまうことが全くないとも申せません。暴力と強制力の差異を認識した上で、賛美とはいわないまでも、カッコイイと思ったり、魅せられたりして受け入れてしまっているのかどうかも曖昧だったりもします。暴力本能なるものが(あるとして、それが)刺激されたりするのでしょうか...。
原因や立場がどうあれ、何人に対してであれ、何に対してであれ、"暴力"は忌まれて然るべきと思います。時として難しいこともあるやも知れませんが、暴力に甘んじてはいけないとも思います。
ならば…どうにかせねば...どうすれば...。
病んだ心も体も癒さねば...治さねば...変えねば...向き合わねば...『Help!』と叫んでみれば...。

例え、暗く孤独な絶望の中にあったとしても、希望や信頼を見失わず、捨て去ってしまうことなくいれたならと感じたりします。

またしても支離滅裂な苦しい記事となってしまいました...。

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2007年12月31日

「長州ファイブ」

「長州ファイブ」
2006年製作 日本
監督/脚本:五十嵐匠 エグゼクティブプロデューサー:水野清 製作総指揮:前田登 撮影:寺沼範雄 美術:池谷仙克 編集:川島章正 音楽:安川午朗 CGプロデューサー:河上憲雄 スクリプター:宮下こずゑ 照明:山川英明 製作顧問:岡本要 録音:堀内戦治 助監補;桑原昌英
出演:松田龍平、山下徹大、北村有起哉、三浦アキフミ、前田倫良、原田大二郎、榎木孝明、寺島進、泉谷しげる

ペリー来航で、尊王攘夷の気運が高まる幕末期、海外渡航が禁じられる中、泉谷しげるさん扮する"日本民族固有の精神を持って、外国の先進的な科学技術や学問知識を積極的に取り入れるべし"とする"和魂洋才"の有利を唱導する"佐久間象山"が引用する"敵を知り己を知れば百戦危うからず"という孔子の兵法の教え云々に触発されたこともあり、"新しい国づくり"の志を胸に"生きたる機械"にならんと最新技術や知識を習得するために命懸けで英国に密航し、帰国後に明治維新の原動力の大きな一部となり、近代日本の礎を築く一翼を担った伊藤俊輔(伊藤博文)、志道聞多 (井上馨)、野村弥吉(井上勝)、遠藤謹助、山尾庸三の五名の若き長州藩士、長州ファイブ(長州五傑)の夢と青春と生き様を描いた歴史ドラマです。

そもそも幕末の(みならず)歴史には疎い方で、それ程興味もあるわけではないこともあってか、前半は特に興味を覚えるというほどではありませんが、五人が渡英した翌年の五月に長州藩が下関海峡で英、仏、蘭の船に砲撃を仕掛け、翌々月には薩摩藩が英国海軍と交戦したことにより欧米諸艦隊が日本本土への上陸作戦を立てた模様との新聞報道を受け、北村有起哉さん扮する"志道聞多 (井上馨)"と三浦アキフミさん演じる"伊藤俊輔(伊藤博文)"が急遽日本へ帰国した後、造船の技術を習得のためにスコットランドはグラスゴーに赴く松田龍平さん扮する"山尾庸三"にフォーカスしてからはどんどん作品に惹き込まれて行きます。Michelle Duncan扮する聾唖の女子工員、"エミリー"との出逢い、そして手話での優しく安らかで大切な語らいやダンスを踊り、心通わせるシーン..窓の外にはそぼ降る雪...は仄かに素敵で感動的で、仄かに涙が頬を伝います。

海外でのロケ地はロンドンとルーマニアとのことですが、建物の煉瓦の色が好いやに感じます。若い時分に語学遊学で滞在したことがあったロンドンや訪れた港町、リヴァプールの街には美しいという印象はそうありませんが、暫く滞在していたサフロンウォルデンをはじめとした私が抱く英国の原風景ともいえる地方都市の美しさや寒々としつつ、暖かな雰囲気は感じられる気がします。スコットランド最大の都市にして、文化・芸術の街のグラスゴーなぞは街並も自然の景観も素敵なところなのだろうなと感じたりします。

"人を育てれば、その人が工業を起こす"...何処にいても...その人が如何にあるか...同じ地球に生きる知らない違う人やものとの出会・逢い触れ合いは己を知ることにつながることもあるやに思います。

渡航中の船上の描写はシンプルながら、五人の思いの丈なぞが伝わって来る気がします。五人を演じている俳優陣、特に"志道聞多(井上馨)"役の北村有起哉さんと"伊藤俊輔(伊藤博文)"役の三浦アキフミさんのお二方はとても味のある好い面構えをしていて、役にピッタリな雰囲気を醸している気がします。

何たるかなぞは良くわからなかったりもしますが、素敵な作品に感じます。

大層な人というのは単純(純粋)さと鈍感さと鋭敏さなぞを絶妙なバランスで併せ持ち発揮出来る人なのやも知れません。大層なだけではくくれないのも人の人たる所以にして、魅力・面白さだったりする気がします。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
『生きたる機械』
【apprentice】1 (…の)見習い(工), 実習生((to ...));初心者;《競馬》見習い騎手 2 《史》徒弟, 年季奉公人.
『ヨーゾー 覚えておいて 辛い時こそ人間は笑うべきよ』
『スコットランドでは大晦日の夜零時になると教会の鐘が鳴り響く、それを合図にどの家も窓を開け、新しい年の新しい空気を入れる そして最初の訪問客を待つ 大切なのはその客が黒いであること 黒い髪は幸運を呼ぶと信じられている 黒い髪の訪問者がやって来るとみなウィスキーで乾杯し、蛍の光を歌うという』
『今夜 私は歌を感じたの あなたの言葉を見て あなたの歌を感じたの ダンスをした時は あなたの体についていった そうやって私はあなたを聴いた 生きているあなたをもう一度聴かせて』

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それでは皆さん、良いお年をお迎え下さい。

昨年2月からスタートした当方のブログ、拙い記事を読んで下さった方々、更にはトラックバックや、コメントし辛い記事ばかりにも関わらずコメントを下さった方々、特にCENTER PUBさん、お気に入りリンクで紹介させて頂いています『ふるちんの「頭の中は魑魅魍魎」』のふるさん、『まい・ふぇいばりっと・あるばむ』のOZZYさん、『みるよむ・・・Mrs.のAZ Stories』のJ美さん、『新☆クマ・ミュージックの部屋』のNanja-Kanjaさんと『ごみつ通信 MOVIE LOVER'S DIARY』のごみつさん、『わが青春のEVERGREEN』のfighterkさん、そして記事を書くにあたり、色々とご協力下さったF氏にはここであらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

今回も私が最も好きな映画作品の一本である恩田陸さん原作の同名ミステリーの映画化「木曜組曲」についての記事を投稿するに至りませんでした。
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2007年12月28日

「五重塔」

「五重塔」
2007年製作 日本
監督;秋原正俊 原作:幸田露伴『五重塔』 脚本/編集:落合雪恵 音楽:三柴理
出演:ガッツ石松、飯田圭織、小倉一郎、久遠さやか、竹脇無我、鈴木健太、時任歩

幸田露伴さんの同名代表作を設定にリーズナブルな脚色を加えて(リメイク)映画化された文芸ドラマ作品です。幸田露伴さんの名前は知っていましたが、本作の原作のみならず、幸田露伴さんの小説は一作も読んだことがありませんで、今回この作品を観て初めてその存在を知りました。

すっきりクリアなデジタル映像からは雪に覆われた青森県は五所川原市のしんしんとした寒さとそこに生きる、集う人の熱い、温かい想いが上手く、微妙な対比にもなって伝わって来る気がします。

何を言わんとしているかは明らさまには描こうとしていない気もしますが、しんと心にしみるものがある気がします。

理想の陶芸の地を求めて青森県は五所川原市にたどり着いた頑固一徹な陶芸家、"片岡十兵衛"を演じているガッツ石松さんの何とも味のある演技と存在感は役にマッチしていて素敵やに感じます。流石国際派俳優と感服したくなります。"十兵衛"を想い気遣い影に日向に支え手伝う娘の"有衣"を演じている飯田圭織さんも役にマッチして感じられますし、監督の演出意図によるものなのか、面白味のある微妙な(ズレをした)演技を魅せてくれている気がしたりもします。芯が強く人が好く健気な感じが温かくて惹かれつつチョッと恐い気もしたりします。小倉一郎さん扮する陶器仲買人の"毒島修一"はとても興味深いキャラクターに映ります。立ち位置が絶妙で、小倉さんの肩に力が入っていないやの熱演も相俟ってとても魅力的に感じます。竹脇無我さん演じる熊谷常光寺の住職、"老円上人"に"十兵衛"が製作主幹として依頼された"百万塔陀羅尼"をモチーフとした五重塔千躰の製作プランを非現実的、非合理的として反発をする気鋭の女流陶芸家でデザイナー、"宮田織江"を演じている久遠さやかさんのキッとした感じが魅力的に映ったりします。フェードアウト感も堪りません。竹脇さんは役者として円熟期にさしかかった時期に躁鬱病を患い、長らく闘病生活を送られていたこともあり、映画作品に出演されているのを観たのは久しぶりで、嬉しい気がしますが、"老円上人"役というかあの装束は似合っているのかどうかよくわからない気がします。

冒頭で家計をささえるために"有衣"が"十兵衛"の工房で営む喫茶店で"十兵衛"が新聞を読みながらコーヒーを飲むシーンは好きです。無言でコーヒーをスプーンでかきまわして飲む、妙に真剣に新聞のテレビ欄を眺める所作は面白くて味わいを感じる気がします。

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然程注目して来たわけでもありませんが、西村修選手の全日本プロレス移籍など諸々あっての無我のDRADITION(ドラディション)なる新名称への変更は寂しい気もします。
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2007年12月23日

「幸福のスイッチ」

「幸福のスイッチ」
2006年製作 日本
監督/原案/脚本:安田真奈 製作:松田洋、松下晴彦、岡林可典 プロデューサー:伴野智、林哲次 エグゼクティブプロデューサー:二宮清隆 撮影:中村夏葉 美術:古谷美樹 編集:藤沢和貴 音楽:原夕輝 主題歌:ベベチオ『幸福のスイッチ』 照明:平良昌才 録音:甲斐匡
出演:上野樹里、本上まなみ、沢田研二、中村静香、林剛史、笠原秀幸、石坂ちなみ、新屋英子、深浦加奈子、田中要次、芦屋小雁

何でもないようなことを何でもないように描いて見せてくれている作品やに感じます。もどかしかったり、揺らいだりする気持ち、厄介だったりもする人に対する思・想いや人と人との繋がりの有り様と意味の気づきを飾り気なくもユーモラスでいじらしく、じんわりと温かく心に伝わる風に描かれていて、ほんのり朗らかな感動を覚える気がします。ドラマチックではなく、どちらかというと淡々とした展開をしていいる気がしますし、もう一押し何かあったらという気もしますが、さらりと観れつつも、そつがない作りで、リアルで自然な雰囲気と空気感に包まれて感じられますし、まずまず見応えがある作品やに思います。

沢田研二さん扮する和歌山の小さな町で"イナデン"という地域の人達に親しまれている、"お客様第一!全メーカー修理!電球一個からリフォーム相談まで!"を3つ約束に掲げ、儲けは二の次とする小さな電器屋を営む"稲田誠一郎"の三人娘の次女、"怜"を演じている上野樹里さんは、佐々部清監督の青春ロマンスドラマ映画作品「チルソクの夏」や犬童一心監督、妻夫木聡さん、池脇千鶴さんと共演しているロマンスドラマ映画作品「ジョゼと虎と魚たち」でのシリアスさと矢口史靖監督青春音楽コメディ映画作品「スウィングガールズ」、以前の投稿記事で取り上げた三木聡監督/脚本のコメディ映画作品「亀は意外と速く泳ぐ」や川原泉さんの同名人気少女漫画をVFX畑出身の小田一生監督が映画化した学園コメディアドベンチャー作品「笑う大天使(ミカエル)」でのようなコミカルで飄々とした可愛らしさとが相俟った、また一味違った顔を見せてくれているやに感じられて新鮮な気がします。ふてくされた仏頂面や冷ややかな蔑みの目をしたり、後ろめたい表情もチャーミングでインパクトあるやに映りますが、やっぱり笑顔が似合いますし、素敵やに思います。ジーンズのルーズな感じの履きこなしも何となくぽく映る気がします。
おっとりおおらかで優しくしっかり者の長女の"瞳"を本上まなみさんはしっかり演じているやに感じます。幸せそうな雰囲気が感じられて何とも好いやに感じます。貧血癖の妊婦振りは何とも好いやに思います。
明るく天真爛漫、素直で率直で、意外とオトナな三女の"香"を演じている中村静香さんは溌剌としてとにかく可愛いです。怒りっぷりに膨れっ面も可愛らしいです。お三方の三姉妹の配役はピッタリですし、嫌味のない演技、雰囲気と存在感は素敵やに思います。"瞳"と"香"の楽天振りというか、"怜"曰く外面の天才である"誠一郎"に洗脳され振りは愉快・痛快に感じます。
奥さんが亡くなるまでもそれから後も、家族よりお客からの修理依頼などのアフターサービスに尽くす頑固親父、"誠一郎"を演じている沢田研二さんは、以前の投稿記事で放映情報を取り上げた市川準監督、犬童一心さん脚本、池脇千鶴さん主演のドラマ映画作品「大阪物語」での主人公の少女の父親で、女にだらしなくて、二十歳も若い女性をはらませてしまい、実生活でも奥様である田中裕子さん扮する夫婦漫才コンビを組む奥さんに三行半を突きつけられて離婚され、再婚した女性にも今度はマジシャンの助手との浮気が原因で子供を置いて逃げられてしまい、自らも消息を絶ってしまうどうしようもないけどどこか憎み切れないろくでなしな親父っぷり然り、韓国で大ヒットしたキム・ジウン監督/脚本のブラック・コメディ・ホラー映画作品「クワイエット・ファミリー」を三池崇監督がミュージカル仕立てにアレンジしてリメイクした映画作品「カタクリ家の幸福」での長年勤めたデパートの靴売り場をリストラされたのをきっかけに、知り合いに"ここにもうすぐ大きな道路が通るから、お客が来るぞ"とそそのかされて人里離れた山中にペンションを建て、一家で経営を始めるも、待てど暮らせどお客は来ず、やっと訪れたお客は...と数々の災難に見舞われることになるつくづく運に見放されたかの"カタクリマサオ"役然り、私がファンである麻生久美子さん主演のハートウォーミング・コメディ映画作品「eiko[エイコ]」でのボケ老人を装い詐欺を働くなぜか憎めない、心優しき詐欺師ぶり然り、とても味があって魅力を感じるのはそうなのですが、今とはまた一味違も二味も違ったセクシーさ、かっこよさと魅力を誇った全盛期の"ジュリー"を知っている身としては、多才で素敵と思いつつも、些か寂しい気がしたりもします。哀愁の漂いが好い感じですし、怒りん坊っぷいりも面白いやに思います。

"怜"の高校の同級生のヤンママであけすけない物言いが小気味好い"涼子"を演じている石坂ちなみさん、気難し気な"野村おばあちゃん"に扮する新屋英子さんや"怜"が衝突ばかりしている勤め先の東京のデザイン会社の上司、"ハゲ眼鏡"こと"澄川"役の田中要次さんは、出演シーンは少ないですが、結構印象的だったりします。その他脇を固める俳優さんたち、地元のエキストラの方々も含めて味があったり、素朴だったりして好いやに感じます。

"怜"が自転車で疾走するシーンは印象的ですし、中学生時代の文化祭にクラスメートだった林剛史さん扮する"鈴木裕也"にやにわにファースト・キッスを奪われて、繰り出し鼻を折ったパンチの一撃と"イナデン"で派遣修理・工事技師として働く"裕也"に落ち込んだ"怜"がまたしてもキスされそうになって繰り出す今度は臑への蹴りの一撃は決まっていて見応えあるやに思います。小学生の時分に電気を止められたエピソードやストレスがおでこで爆発した"イナデン後"を潰すときの描写は面白いやに思います。鳴らなくなってしまったオルゴールの修理を頼みにお母さんに連れられて"怜"が店番をしている"イナデン"を訪れる小さな女の子の哀し気な表情とオルゴールが鳴るようになって表情をパッと明るくさせて、"ありがとう"と言って可愛らしく喜ぶシーンは微笑ましくて、ほろりとさせられます。使い古した形見のアイロンのエピソードも何だか、心にジーンと感じるものがある気がします。

ベベチオなる関西出身の2人組のユニットが歌うエンディング・テーマ曲『幸福のスイッチ』は透き通った伸びやかな綺麗な歌声で素敵な曲ですし、作品にもマッチしている気はするのですが、この曲に限らず、沢田研二さんに歌って欲しかった気もします。

台詞の『田辺弁』は味わいが感じられる気がします。

また小鳥のさえずりや豪快なくしゃみの響きを聞くことが出来て本当に良かったと思います。素敵で幸せなことやにも思います。

心の中にある幸福のスイッチがONになるか否か、出来るか否かは、自分と人と如何に向き合い、思い遣れるかにもよるのかも知れないと思ったりします。生きる生活のために...シンプルで肝心な物事をも、厄介にしてみたり、見失いがちだったり、触れ難かったりするのやも知れませんが...。

本作の監督、原案、脚本を手掛けている元家電メーカーのOL出身で、退職後実際に電気店で働いたりした経験もあるとの安田真奈さんの次回作には期待したい気がします。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
『まっと奥や まっと奥』『まっとこっち まっとこっち』
『あら、いい感じ 人生が明るくなっちゃうわね』『ありがとう 助かったわ』

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2007年12月16日

「THE焼肉MOVIE プルコギ」

「THE焼肉MOVIE プルコギ」
2006年製作 日本
監督:グ・スーヨン 製作:片岡公生、原田雅弘、石井晃、小西啓介 プロデューサー:小林勝絵 脚本:具光然(監督の弟さん) 撮影:無州英行 美術:仲前智治 編集:高橋和久、渡辺勝郎 音楽:MaMiMery 主題歌:山崎まさよし『NAVEL』 照明:小山田智 録音:安藤邦男
出演:松田龍平、山田優、ARATA、田口トモロヲ、ムッシュかまやつ、竹内力、前田愛、矢沢心、服部幸應、リリー・フランキー、きよ彦、山本譲二、坂井真紀、津川雅彦、倍賞美津子、桃井かおり、田村高廣

本場の焼肉・韓国料理ブーム(なのかどうか知りませんが...)にかこつけた作品なのかしらとも思っていましたが、どうもそうではありませんでした。

田村高廣さん扮する焼肉の達人と呼ばれる"韓"老人が営む白肉派の“プルコギ食堂"で日々修行に励む主人公の頼りなさ気な青年、"タツジ"を演じている松田龍平さんのとぼけたコミカルで妙味ある演技は観ていてとても愉しいです。龍平さんはとにかく面白く微笑ましく、そしてどこか仄かに感動を誘う演技を魅せてくれていると思います。微妙な表情の演技はとても魅力的に感じます。頼りなさ加減も絶妙に感じます。

人気テレビ番組"焼肉バトルロワイヤル"の司会者役を演じている竹内力さんの髪型は、昔の桑名正博さんみたいにも映る気がします。ARATAさん扮する赤肉至上主義の巨大焼肉チェーン店"虎王"グループの御曹司にして天才料理人の"トラオ"の義理の母でグルーブ会長役を演じている桃井かおりさん主演の怪獣コメディ映画作品「大怪獣東京に現わる」を思い出したりもします。番組のアシスタント役を演じている前田愛さんの弾け気味の演技は可愛らしく感じます。"韓"老人の孫で"プルコギ食堂"の看板娘、"ヨリ"を演じている山田優さんは綺麗です。溌剌とした勝ち気さが気持ち良く魅力的に感じます。龍平さんとの掛け合いも愉しいです。飛び蹴りも決まって映る気がします。全国の焼肉店を強引な手口で次々と買収する"虎王"グループ会長の腹心を演じている田口トモロヲさんの弾け具合は愉快で好い味を出しているやに思います。昔のタモリさんみたいにも映る気がしたりします。桃井さんの独特の演技、雰囲気と存在感は見応えあります。田村さんはとても味わいのある演技を魅せてくれていて、役者魂をひしひしと感じる気がします。終盤で母を失い、兄と生き別れになり、行き倒れになっていたところを"ヨリ"に発見され、"韓"老人に救われ、"ヨリ"と寄り添って食事をほうばる幼少期の"タツジ"に韓"老人が優しく語りかけるシーンでの田村さんの表情(の変化)と最後の笑顔の演技は見事な見応えを感じ、心打ち震える思いがします。

立ち込める炭火の煙に誘われて...普段は余り食べませんが、焼肉が食べたくなりました。賄いも美味しそうです。

焼肉バトルに盛り上がるという印象はさして受けませんが、仄かに素敵な作品という感じがします。ラストも好きです。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
『目はあてにならん 耳で焼け 耳で』
『まず一緒に飯を食え 黙って飯を食うだけでいい ん それだけでいいんじゃ』
『なんべんもなんべんも食うとったらいつかは必ず友達になって恋人になってやがては家族になれる』
『…です(か)…』

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2007年12月11日

「富嶽百景 遥かなる場所」

「富獄百景 遥かなる場所」
2006年製作 日本
監督:秋原正俊 原作:太宰治『富嶽百景』 音楽:クリヤ・マコト
出演:塚本高史、田丸麻紀、小林涼子、小橋めぐみ、中山卓也、高尾祥子、嶋尾康史、綾田俊樹

今度は富士山を滑走するカエルだ...。

本作の原作である『富嶽百景』のみならず、作者の太宰治さんの小説は『人間失格』『走れメロス』くらいしか読んだことがありません。原作は幾度も自殺未遂を繰り返した太宰治さんの波乱の生涯にあって、甲府市に育った石原美知子さんと結婚し、本作の舞台にもなっている山梨県に転居し、子供たちをもうけるなど、精神的に安定していた時期の書かれた作品ということと秋原正俊監督の物静かで上品に感じられる演出、映像、特に情景・風景描写の美しさや主人公の小説家、" 修治=太宰治さんの本名(津島修治)とのころです"を演じている塚本高史さんをはじめ出演者の抑制・自制の効いた思いの推察を喚起させるようにも感じる演技、存在感も相俟ってなたおやかな雰囲気、清々しい空気感を微かな危うさをはらみつつ感じる素敵な作品やに思います。

タイトルバックや劇中でも映し出される上空から見下ろしのショットの富士山の写真は壮観で素敵と思います。や美しい富士山の情景描写は普段感じる以上に素敵に映る気がします(流れ行く雲の情景描写は舩橋淳監督/脚本、オダギリジョーさん主演のドラマ映画作品「ビッグ・リバー」での漂い流れ行く雲のそれとはまた一味違った素敵さを感じる気がします)。柔らかく優しいフェードアウトが何とも好い感じがします。"修治"が執筆活動のため滞在している“天下茶屋”の廊下奥の窓から見える景色もまた素敵と思います。富士吉田の"狸"という飯屋で"修治"と“天下茶屋”へ"修治"を訪ねて来た嶋尾康史さん扮する役所勤めの"新田"と中山卓也さん演じるその連れの"田辺"が酒を酌み交わしながら、会話するシーンはチョッと不思議な感じもして面白く印象的だったりします。

心が変われば...見える景色も変わるものなのやも知れません...たとえ、束の間といえども...目にする、見える景色が心を動かし変えることもあるのやも知れません...。

"修治"による主観的、叙情的なモノローグメインで綴られる本作ですが、塚本さんは微かな違和感というかアンバランスとともに、とても素敵に演じている気がします。塚本さんは抑制・自制が効きながら、尚かつ軽妙で面白味ある演技を魅せてくれていて、魅力的な俳優さんと思います。切れ長の目と唇が印象的なとても綺麗な顔立ちをしているとも思います。茶を呑むのも作務衣姿も中々様になって映る気がします。"日本男児"の台詞はチョッと似合わない気もしたりします。共演者の皆さんも何ていうこともない気もしますが、やはり微に違和感というかアンバランスを放ちつつ、素敵な雰囲気と存在感の演技を見せてくれている気がします。“天下茶屋”の女将と娘役の小橋めぐみさんと小林涼子さん(のお下げ髪)やラストに登場するカップルの女性役の高尾祥子さんは印象的に感じたりします。"修治"とお見合いをする"美和子"役の田丸麻紀さんや"新田"役の嶋尾康史さんには何となく不思議な雰囲気を感じる気がします。

音楽は悪くない気はしますが、以前の投稿記事で取り上げています宮沢賢治さんの名作童話『銀河鉄道の夜』を秋原正俊監督がこれも以前の投稿記事で取り上げた川原泉さんの同名人気少女漫画をVFX畑出身の小田一生さんが監督、上野樹里さん主演で映画化した学園コメディアドベンチャー作品「笑う大天使(ミカエル)」で"沈丁花"役を演じている谷村美月さん主演で現代の東北地方を舞台に映画化した文芸青春ドラマ作品「銀河鉄道の夜 I carry a ticket of eterniy」や芥川龍之介さんの小説『河童』を同じく秋原監督が東京スカパラダイスオーケストラのバリトンサックス、谷中敦さん主演で現代を舞台に映画化した文芸ファンタジードラマ作品「河童 kappa」のような素敵さや絶妙さまでは感じません。

上時間は1時間足らずな上、良くはわかっていない気もしますが、見応えのある素敵な作品やに感じます。
原作小説は是非呼んでみたいと思います。

月見草って見たことあるかしら...というか、どんな花だったかしら....野村克也監督しか思い浮かびません...。

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2007年12月04日

「ヴィタール/VITAL」

「ヴィタール/VITAL」2004年製作 日本
監督/製作/脚本/撮影監督/美術監督/編集:塚本晋也 プロデューサー:日下部圭子、日下部孝一、朱京順 音楽:石川忠 エンディングテーマ:Cocco『Blue bird』 音響効果:北田雅也 照明:吉田恵輔 録音:小原善哉 助監督:川原伸一、小出健、黒木久勝
出演:浅野忠信、柄本奈美、KIKI、岸部一徳、國村隼、串田和実、りりィ、木野花、利重剛、原昇、康すおん、鈴木一攻、川島宏和、中島陽典、村松利史、綾田俊樹

人体解剖をモチーフにしていて、ましてや塚本晋也監督が手掛けた作品とあっては、グロテスクだったり、破壊的だったり、暴力的だったりする過激な描写があったりしたら、観るに耐えるかなぞと心配していましたが、どうやら何とか杞憂に済んでくれました。

本作の主人公である交通事故に見舞われ、九死に一生を得たものの、記憶を失ってしまった医学生、"高木博史"を演じている浅野忠信さんはかなり個性的で、物静かな中にどこか妖しく危険な香りを漂わせていて、スクリーン(作品)を自分の色で染めてしまうと思えば、自分をスクリーン(作品)の色に溶け込ませてもしまえる自在性を持った素敵で魅力的で恐い気もしたりする俳優さんやに感じます。エキセントリックな役柄をエキセントリックに演じていたとしても、不思議と逸脱した感じを受けない希有な俳優さんやにも思います。蒼い哀しみを携えた涼やかな瞳が素敵やに思います。
"博史"より深い心の闇のようなものを抱えているのではないかと思える同級生"芳本郁美"を演じているKIKIさんは、やはり佐伯日菜子さんに雰囲気がチョッと似て映ります。クールで涼し気な妖しさ恐さと可愛らしさが魅力的やに感じます。
"博史"が通う医学大学の解剖実習担当教官の"柏淵教授"を演じている岸部一徳さんをはじめとした曲者俳優さんたちの顔ぶれも面白い気がします。
"博史"の恋人で、交通事故の際同乗していて命を落とした"涼子"を演じている柄本奈美さんのバレエで鍛えられたダンスと躍動する肉体美には目を惹かれるものがあります。自然体で不思議な雰囲気の魅力を持った女優さんやに感じます。
"博史"と串田和美さん演じる父親の"高木隆二"との微妙に噛み合っていないやの掛け合いが面白く映る気がします。
"涼子"の父親、"大山三郎"役の國村隼さんは相変わらず渋くて味のある演技を見せてくれているやに思います。声と語り口が何とも味わい深く感じられます。

死の淵から記憶と引き換えに生還したことで沸き上がる人体(解剖)への偏執的な執着は何をもたらすのか..."レクター博士"というわけではないですし...愛情の深さからなのか、記憶を気持ちを手繰り寄せるのか、はたまた想像・幻想を膨らませるのか、それらによる混乱と混沌の混在なのか...満たされぬ孤独...責め苦を背負うのも生きている証なのかしらと感じたりします。観察力と感性と想像力は...。

もくもくと煙を上げる複数の煙突、息をのむような空と雲やエレベーターの扉が歪む映像が何だか印象的です。

アクチュアリティーとリアリティーとイマジナリーとファンタジーの狭間で記憶・気持ちなのか、思・想いなのか、想像・幻想なのかを描いているやに感じられます。雰囲気や空気感は何故か目に映る程陰湿には感じず、不思議な感じがします。

音楽活動休止中だったCoccoさんが歌うエンディングテーマ『Blue bird』は澄んだ情感が響いて感じられて素敵やに思います。

ラストはカタルシスではないような気がしますが、何だかスーっとした感じがします。

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攻撃社会は嫌です...。
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2007年11月30日

「世界はときどき美しい」

「世界はときどき美しい」
2006年製作 日本
監督/脚本:御法川修 製作:棚橋淳一、中島仁、長田安正 プロデューサー:西健二郎 企画:長澤秀俊 脚本協力:西野智昭 撮影/照明:芦澤明子 衣装:宮本まさ江 編集:時森茂和 音楽監修:大木雄高 主題歌:鈴木慶江『月に寄せる歌』音響:高木創 録音:森英司
出演:松田美由紀、柄本明、遠山景織子、尾美としのり、片山瞳、瀬川亮、松田龍平、浅見れいな、あがた森魚、桑代貴明、市川実日子、木野花、草野康太、南加絵、鈴木美紀

加工は施しているとはいえ、8mmでも映画は撮れるということを再認識させられた気がします。思いがけない何かに触れられるような、端々で微笑ましく感じたり、クスリとさせられたりして、しっとりと温かい気持になる気がする観ていて飽きないとても味わいがあって素敵な絵のような、主にモノローグで綴られた五編の短編オムニバスからなる映画作品です。共感したり、心を優しく撫でられる気もしたりします。危う気な雰囲気や空気感の漂いも魅力に感じられて、好きです。特に松田美由紀さんが主人公のヌードモデルが生業の中年にさしかからんとして、体調を崩して通院生活を続けている女性、"野枝"を演じている表題話の第一章と柄本明さんが大阪の街で毎日のように酒場を漂う"蠅男"と呼ばれる中年男を演じている第二章『バーフライ』の二章は、短編詩小説というか、叙事詩の味わいで描かれている作品やに感じられて心にじわりと来るものがある気がします。

第一章『世界はときどき美しい』の松田美由紀さんは、以前は、旦那様の故松田優作さんと出逢うきっかけとなった優作さん主演のアクションコメディドラマ作品『探偵物語』ゲスト出演時の印象が強く、個性的で派手やかな顔立ちの快活で子供子供した(役柄も若かったですし、実際、当時まだ18才でしので...)愛嬌のある女優さんだなと感じていましたが、次第に、特に優作さん亡き後、女性として、大人として自然体の成熟した女っぷりが上がっているやに見受けられて、カッコ好くて堪らないものがあります(優作さん、気に触ったら、ゴメンナサイ)。本作では洗練されたそれが如何なく表れているやに映る気がします。艶かしいだとか、コケティッシュだとか、セクシーだとか、官能的だとか、妖艶だとかとはチョッとずつ異なった魅力を醸して感じらる気がしますし、とにかく可愛らしく、そして美しく映ります。生活感が感じられる指先(優作さんの指先にはセクシーさが感じられます)、哀愁と愛嬌が漂う独白のモノローグの語り口調と声色や心を見透かされそうな眼差しも魅力的に感じます。何というか脅迫的強さみたいなものを感じる気もします。

第二章『バーフライ』の柄本明さんのやさぐれた飲兵衛("蠅男"=バーフライ)振りが愉しく、哀しく、愛しい気がします。グラスにピッタリ収まった丸く削ったボールアイスが冷たそうです。白黒の琥珀色したグラスの中に何かが見える気がします。美味そうに酒を飲んでいるやに映る気がします。酒場の暗がりにシルエットで浮かび上がる顔が味わい深気に感じられます。ラスト前の水面揺れる川から、河口そして海へとシフトする風景・情景描写は何だか情感に溢れて感じられて心を揺さぶられる気がします。
不敏を感じないのも不敏なこともあるのやも知れません...。
暗いところから暗いところへ入る...。
スナックのママ役の遠山景織子と酔客役の尾美としのりさんは好い味出しているやに思います。
ミッキー・ロークには、飲酒運転はやめておいて欲しいです。

第三章『彼女の好きな孤独』...そんなことでも思え、感じられているのだから…。

第四章『スナフキン リバティ』で天文台に勤務する主人公の青年、"柊一"を演じている松田龍平さんは独自の趣ある雰囲気を持っていますし、それを活かせる演技力を十二分に持っていて、発揮できる役者さんやに感じます。こうしたナイーブな役はとても合う気がします。個性的でクールでミステリアスで妖しい容貌で垣間見せる微妙な表情の変化や演技はとても魅力的に映ります。本作では見受けられない気がしますが、ひるみや狼狽の表情は素敵に感じます。容貌・容姿はさておき、ユアン・マクレガーに似た独特のユーモラスさと存在感を持ち併せた俳優さんという印象を勝手に抱いています。 髭を伸ばしめにするとお父上である優作さんの面影がより一層色濃く見受けられる気がして、ドキリとしてしまったりします。
手の挙げ方が気持ちが感じられる気がして、何とも好いです。
汽車で行くうっそうとした緑の中に射す木漏れ日に安らぎや浮遊感漂う心地良さを感じる気がします。

第五章『生きるためのいくつかの理由』で旅行代理店に勤務する一人暮らしの女性、"花乃子"を演じている市川実日子さんは、凛々しい眼差しが素敵ですし、タイプは異なる気がしますが、お姉さんの市川実和子さん共々飄々とした感じが可愛らしく、個性的で魅力体な女優さんやに思います。

ゆったりした気分になれるというより、ゆったりした気分で観たい作品やに感じます。

予告編はとても素敵に感じます。

またしても取り留めのない記事となってしまいました。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)

『あなたが描かせたんですよ』
『多分それでいいんだと思う』
『街や人や気分の摩擦に怯んだらそれでおしまいっちゅうことですわ』
『しょうもない話です』
『青春なんか恥やろ』
『目をとじて気を失えば明日になっている』
『ひょっとして珍しい人』
『私は幸せでも不幸せでもない でもそれは結構惨めなことかも知れない』
『らりるれ れに傾く私の気分 もつれ、ほつれ、やつれ、ねじれ、よじれ、ズレ、ぶれ、くずれ、はぐれ、ちぎれ、みだれ、こじれ、まみれ、ささくれ れに傾く私の気分』
『愚かな私』
『宇宙を認識するもんがさ だ〜れもいない宇宙なんてそんなナンセンスないよな』
『僕と彼女は今別々の場所で、動く地球の速度を一緒に感じている』
『何かとしかいえないような何かが毎日の暮らしの中にある その何かは取り替えることができるものというより取り替えの効かないもの、取り替えようのないもの、取り替えなかったもの、取り返しのつかないもの、そういうものでできている』
『昨日夢を見た その夢は続くとタイトルが出て終り 今夜私はその続きを見る』

バーフライ【barfly】(ホテルなどで)バーに入りびたりの人;(バーでただ酒をせびる)飲んべえ

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本作とは関係ありませんが、俳優の黄川田将也さんと細田よしひこさんは、似ている気がします。黄川さんの方が八つ年上とのことです。松田翔太さんも容姿の雰囲気がチョッと似ている気がします。妹さんとは仲良く食事して欲しいです(実際仲良しとのことですし...)。
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2007年11月24日

「叫」

「叫」
2006年製作 日本
監督/脚本:黒沢清 プロデューサー:一瀬隆重 エグゼクティブブロデューサー:濱名一哉、小谷靖、千葉龍平 撮影:芹澤明子 特殊効果:岸浦秀一 美術:安宅紀史 編集:高橋信之 音楽:配島邦明 音楽プロデューサー:慶田次徳 主題歌:中村中『風になる』 VFXスーパーバイザー:浅野秀二 照明:市川徳充 特殊造形:松井祐一 録音:小松将人 助監督:片島章三
出演:役所広司、小西真奈美、葉月里緒菜、伊原剛志、オダギリジョー、加瀬亮、平山広行、奥貫薫、中村育ニ、野村宏伸

*おことわり*
この記事には、まだ本映画作品を見ていない方が読まれると多少とも作品の面白さを損なう可能性がある内容が含まれているやも知れません。気になる方はお読みにならないことをお勧めします。


今回もかなり支離滅裂な苦しい記事となってしまいました。

私としてはとても悩ましくも興味深い作品との印象です。終始固唾を呑んで観ましたし、黒沢清監督作品としては、より洗練され完成度が高く、揺るぎ無い感じさえする気がしますし、宣伝文句の通り、黒沢清監督の最高傑作と感じなくもないですが、釈然としないとかとは別に、何か物足らない、何かこうもう一つ来ない気がして仕方ありません。或るステージに到達してしまったような感じと、アンチホラー、アンチ黒沢清(ホラー)テイストのようなものが感じられる気がしたりもします。黒沢清監督は独自の見せ方を持っている監督さんで、本作でもそれは発揮されているやに思います。余韻も感じさせてくれているやに思います。

役所広司さん扮する主人公の刑事、"吉岡登"の同僚刑事、伊原剛志さん演じる"宮地徹"の豪快なサンドイッチの食べっぷりは好きです。"吉岡"は殺害現場にある水というか、液体を平気で舐めていますが、無闇にそんなことをして、どうかなったらと心配が先んじてしまいます。そもそもばっちいと思わないのかしら...。せっかく買ったお弁当(らしきものが入ったレジ袋)を置き去りにして行かないで欲しい気がします。精神科医、"高木"を演じているオダギリジョーさんの演技はどことなく可笑しくて笑えてしまう気がします。作業船の船員を演じている加瀬亮さんは控え目ながら、効いている気がします。絡みはありませんし、以前の投稿記事で取り上げている李相日監督/脚本の青春ドラマ「スクラップ・ヘブン」をはじめ、これまで何度もありますが、オダギリジョーさんと加瀬亮さんの共演は何とも面白い感じがする気がします。葉月里緒菜さん扮する赤い服の女が中をゆっくり漂い迫り来る様はぞくぞくっとします。ムンクの『叫び』みたいに叫んでいます。

以前の投稿記事で取り上げたクリストファー・ノーラン監督、ガイ。ピアーズ主演のサスペンス・ミステリードラマ映画作品「メメント」やブラッド・アンダーソン監督、クリスチャン・ベイル主演のサスペンス・ミステリードラマ映画作品「マシニスト」を想起したりします。

随所に意味あり気に登場・存在する鏡の役割と『夢の共有』云々の台詞の意味が今一つピンと来ません。

そうしているから、そうしたから、そうなるのやに思います。人が人を殺すこととは...。

ディープなような、突き放したような気がします。色々な意味で不憫ですし、痛みがひしひしと感じられる気がします。悪夢に苛まれる逃げ込んだ夢から醒めると痛ましく、酷たらしく、哀しい現実(カタルシス)が...ラストは希望の光を見出したい気はしますが、そこはかとなく漂い彷徨う寂しく、哀しく、虚し気な気配が意地悪というか、残酷な気がして、何ともいえず堪らない感じがします。

罪悪感、自責の念、自己嫌悪なのかが見聞かせる悪魔の優しい囁きと天使の悲痛な叫びは共鳴し、苛まん...振り払いし悪魔の断末魔の叫びは...余人の介在を許さず...どうあれ、過去なくして現在は有り得ず、生がなければ死はない...最後は自分次第ということか...熱くなる程遠くなるよ...叶わぬ思い程執拗だっだりする...呪縛への開放なのか...絶望と喪失に満ちた再生への道を辿るのか...終焉へ向けて...。

無かった事には出来ない...。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
『つまり幽霊が出る相手を間違えるっていうことなんですけど』
『私は死んだ。 だから、みんなも死んでください...』(わかっている筈やに思いますが...死にますよ...みんな何れは...)

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2007年11月20日

「ケータイ刑事(デカ) THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀〜決闘!ゴルゴダの森」

「ケータイ刑事(デカ) THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀〜決闘!ゴルゴダの森」
2007年製作 日本
監督:田沢幸治 製作:高西伸兒、鈴木径男、飴井保雄 プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ 脚本:林誠人 撮影:伊藤伸久 美術:桜井陽一 編集:木村悦子音楽:遠藤浩二 主題歌:小出早織『ケータイ刑事』 CG:古田亘、鹿角剛司 共同プロデューサー:永田芳弘、畭尾裕俊 照明:木村明生 録音:波丹井浩 ナレーション:林和義
出演:小出早織、夏帆、国広富之、松崎しげる、星野真理、大堀こういち、長江英和、花原照子、津野岳彦、小林麻耶、水野晴郎、宍戸錠

BS-iの人気連続サスペンス・ミステリードラマ作品『ケータイ刑事』シリーズの華やかさ、派手やかさや気恥ずかしいくらいにオーソドックス(ベタ)ともいえるやのネタにオチによる構成がアピールポイントとして大きな比重を占めて感じられる以前の投稿記事で取り上げてた銭形三姉妹、二代目・次女"泪"役の黒川芽以さん、三代目・三女"舞"役の堀北真希さんと四代目・四女"零"役の夏帆さん主演の劇場版第一弾「ケータイ刑事(デカ) THE MOVIE バベルの塔の秘密〜銭形姉妹への挑戦状」に対して、同TVドラマシリーズの劇場版にしては、第二弾となる本作は、前作同様相変わらず小ネタ、パロディ・セルブパロディや楽屋オチなど、遊び心というか、ふざけ心は満載ながら、どちらかというとストーリーに比重をおいたしっかり目の構成になっていて、地味目ですが、'前作程は'TVドラマシリーズを見馴れていなくても、世界観に浸れなくても楽しめる仕上りになっている気はします。まあ、何れにせよ大好きな人気連続TVコメディドラマ作品『帰ってきた時効警察』に警視監ならぬ総武警察のオダギリジョーさん扮する"霧山修一朗"が所属する時効管理課に新たに配属された新人署員、"真加出"役で出演していて、ゆる〜くとても好い味を出している五代目ケータイ刑事の"銭形雷"役の小出早織さんと"零"役の夏帆さんのチョッとだけ大人びて凛々しくもなった可愛らしさが堪能できるだけでも良しとしたいと思います。小出早織さんが歌う主題歌の『ケータイ刑事』も可愛らしいと思います。所々で正攻法でも撮れますよというような描写も見受けられますし、劇場版第三弾が製作されるとしたら、シリアステイストで撮ってみても面白いかなと思います。

国広富之さん演じる"雷"の相棒刑事"トミー"こと"岡野富夫"と本作で"零"の相棒刑事を演じている松崎しげるさん扮する"マツ"こと"松山進"警部による1970年代末から80年代頭に人気を博したTVコメディアクション刑事ドラマ作品『噂の刑事 トミーとマツ』シリーズの"トミーとマツ”の25年振りの復活も愉しいですし、松崎さんの奮闘振りは見応えあるやに思います。『愛のメモリー』を歌ってくれるのも、初めて自分で買った(といってもお年玉でですが...)LPレコードが松崎しげるさんの『松崎しげる ベスト・ヒット・アルバム』(と布施明さんの『シクラメンのかほりから』)だったこともあって、嬉しいです。松崎さんは、益々肌が小麦色に焼けている気がしたりします。
写真だけですが、草刈正雄さん扮する扮するバーボン刑事こと"高村一平"巡査が登場するのも嬉しい気がします。高村一平は1977年にフジテレビで放送されていたアクションドラマ作品『華麗なる刑事』で草刈正雄さんが演じた主人公の刑事です。"高速道路をゆるやかに♪"という歌詞のエンディングテーマ『センチメンタルシティ』は好きでした。
TVドラマシリーズでは入電ボイスの声のみの出演に止まっている警視庁アナウンス部所属の"小林麻耶"巡査役の小林麻耶さんが顔出し出演しているのも、何だかお得感がある気がします。
銭形一族を宿敵とする石川五右衛門28代目の子孫、"石川小百合"を演じている星野真理さんとその手下の"佐々木浩介"に扮している長江英和さんもまずまずな存在感と演技を見せてくれているやに思います。
前作ではそば屋の客(本人)役で出演していた水野晴郎さんは、本作では"水野警視長"役で出演しています。
宍戸錠さんは前作同様"難波一弘"警視監役で出演しています。

上述の投稿記事にも記しましたが、不思議と馬鹿らしくなど感じたりしないのです。

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お気に入りリンクで紹介していますfighterkさんのブログ『World Network is Yours !』は、タイトルを『わが青春のEVERGREEN』に変更されました
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2007年11月18日

「うずまき」

「うずまき」
2000年製作 日本
監督:Higuchinsky プロデューサー:陶山明美、椋樹弘尚、梶田裕貴 プロデュース:三宅澄ニ エグゼクティブプロデューサー:黒沢満、横濱豊行 企画プロデューサー:宮崎大 原作:伊藤潤二『うずまき』(小学館刊) 脚本:新田隆男撮影:小林元 美術:林田裕至 編集:宮島竜治 音楽鈴木慶一、かしぶち哲郎 ビジュアルエフェクトスーパーバイザー:小田一生 照明:和栗一彦 製作担当:小松功 特殊造形:畑口智生 助監督:李相國 ビジュアルエフェクトプロデューサー:小林謙一
出演:初音映莉子、フィーファン、佐伯日菜子、諏訪太郎、でんでん、手塚とおる、阿部サダヲ、シン・ウギョン、三輪明日美、高野八誠、高橋恵子、深津智乃、瑞木智乃、松田章、滝本ゆに、丹野由之、堀内正美、大杉漣

本作の原作者である伊藤潤二さんの代表作のホラー漫画『富江』菅野美穂さん主演で映画化した「富江」シリーズ第一作の「富江 tomie」が何故か結構好みだったので、ビデオリリース時に近所のレンタルビデオ店で借りて観てみました。原作漫画は未読です。

一応ホラー映画にカテゴライズされる作品とのことですが、とにかく恐いというよりも、生理的不快感や気持ち悪さを覚える描写や雰囲気をした作品やに感じます。どこかとぼけた、ふざけたようで、ほのぼのともしているような感じがする気もします。私はそうした嗜好は持ち合わせていない気がしますが、気持ち悪いもの見たさをそそる作品やには感じます。上述の「富江 tomie」はまだもどかしい、物悲しさのようなものも感じる気がするのですが、本作には、そうしたものは感じられませんし、とにかく執拗・過剰な気持ち悪さという印象が先んじる作品です。

「富江 tomie」の劇中に流れる歌がジョン・レノンの『(Fprgive Me) My Little Flower Princess』のように聴こえたりします。酒井美紀さんが"富江"を演じていて、妻夫木聡さんが共演している映画化版「富江」シリーズ第3作の「富江 re-birth」まで観ていますが、本作しかり、何れの作品も意外にキャストが充実しているやに思います。

監督のHiguchinskyさんはミュージッククリップ畑出身の映像作家さんとのことですが、耳に付くネーミングやに思います。本名は樋口暁博さんとのことです。

主人公の女子高生、"五島桐絵"を演じている初音映莉子の素朴さと拙気な演技は作品にマッチしているようなミスマッチなような不思議で微妙な印象を受ける気がします。"桐絵"の同級生、"関野恭子"を演じている佐伯日菜子さんは活き活きと演技して映りますし、この手の作品には妙にマッチする気がします。個性的な美人といった感じで、好きな雰囲気をした女優さんです。フィーファンさん(とは誰なのかしら...)演じる"桐絵"の幼なじみの高校生、"斉藤秀一"のこれまた悲惨で痛々しい最期を遂げる母親、"雪恵"を高橋恵子さんが演じているのは...。

音楽をムーンライダーズの鈴木慶一さんらが手掛けています。

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2007年11月11日

「あずみ2 Death or Love」

「あずみ2 Death or Love」
2004年製作 日本
監督:金子修介 プロデューサー:山本又一朗、中沢敏明 企画:濱名一哉 原作:小山ゆう『あずみ』(小学館『ビッグコミックスペリオール』連載) 脚本:水島力也、川尻善昭 撮影監督:阪本善尚 美術:稲垣尚夫 編集:掛須秀一 音楽:川村栄二 アクションデレクター:中村健人ポストプロダクションスーパーバイザー:篠田学 ラインプロデューサー:大里俊博、青木弥枝美企画協力:古賀誠一 共同プロデューサー:佐谷秀美 照明:大久保武志 製作統括:近藤邦勝、森隆一、亀井修、島谷能成、高野力、宮下昌幸、加藤鉄也、坂上直行 録音:小原善哉 助監督:西山太郎
出演:上戸彩、石垣佑磨、栗山千明、小栗旬、北村一輝、遠藤憲一、宍戸開、坂口拓、謙吾、増本庄一郎、伊藤俊、武智健二、渕野俊太、野村祐人、前田愛、根岸季衣、永澤俊矢、神山繁、高島礼子、平幹二郎

小山ゆうさん原作の人気漫画『あずみ』を上戸彩さん主演で映画化した時代劇ハードアクションドラマ作品の続編です。原作はチョッとしか読んだことありませんが、前作は観ています。

前作もそうですが、本作も何といっても主人公の少女にして、戦乱の世を平定せんとする徳川方最強の刺客、"あずみ"を演じている上戸彩さんが放っている存在感は魅力で見所の一つやに思います。エキセントリックとかではなく、特別美人というわけでもない気がしますが、オリジナルで正統派の魅力とある程度幅のある演技力を持った嫌味無く見映えがして素敵ですし、どちらかというと内包的というより、突き抜けたタイプの表現力をした女優さんやに思います。身長はそう大きくはありませんし、細身な方ですが、腕なぞは適度に筋肉が付いてもいますし、立ち回りのシーンなどでは大柄な役者さんを相手にしても、そう見劣りしていない気がします。『上戸彩』という女優というよりも、『上戸彩』というキャラクターとしてのイメージを強く感じる気がします。ただ私としてはこの"あずみ"役はテレビ神奈川(tvk)で毎週月曜日から金曜日の朝7時30分から8時と23時30分から24時(当朝の再放送)に放送している『saku saku』の司会者を黒幕さんが操る白井ヴィンセントと共に務めている身長約170cmチョップを繰り出すことの出来るタレントの中村優さんに演じて欲しいです。

徳川幕府の大物で、亡き"爺"こと"小幡月斎"に"あずみ"たちを刺客として育てさせた"南光坊天海"役の神山繁さんや"真田昌幸"役の平幹二朗さんのベテラン陣と上戸さんはもとより"あずみ"の仲間、"ながら"を演じている石垣佑磨さん、くノ一の"こずえ"役の栗山千明さんや共に育ちながら、夜盗軍団の一員で、自らの手で斬らねばならなかった初恋の青年、"なち"と瓜二つの"銀角"役の小栗旬さんら若手俳優陣の共演は好いアンサンプルになっているやに思います。
主君"加藤清正"を"あずみ"に殺害され、敵討ちのために執拗に"あずみ"を追う"井上勘兵衛"を演じている北村一輝、"あずみ"たちを"南光坊天海"のもとへ導く徳川方の忍び(伊賀忍者)の"服部半蔵"に扮している宍戸開さん"あずみ"たちの最後の暗殺の標的である豊臣方の武将、"真田幸村"を演じている永澤俊矢さんら中堅何処の俳優陣も中々好いやに思います。中でも夜盗軍団の首領で"銀角"の兄である"金角"役の遠藤憲一さんは光っているやに思います。
夜盗軍団の一味で前田愛さん扮する"千代"と共に戦国孤児を育てる"よね"役の根岸季衣さんは役にハマり過ぎている気がします。
前作でオダギリジョーさんが演じた殺人鬼の"最上美女丸"、原田芳雄さん扮する"あずみ"たちを子供の頃から刺客として育て上げた"爺"こと"小幡月斎"、松本実さん不扮する"勘兵衛"の配下の甲賀忍者、"飛猿"や"伊武雅刀さん演じる"あずみ"に暗殺される豊臣方の有力大名の"浅野長政"などのような印象的キャラクターが登場しないのはチョッと物足りない気もします。

前作程の力業な演出や激烈なアクションの迫力、圧倒感と勢い、刹那的でオドロオドロしいハードさは感じられませんが、簡素で適度にシッカリは撮られていますし、起伏こそ然程は感じられず、大人しめながら、小気味良いテンポのドラマ展開で見せてくれるといった作品やに思います。さらりとまではライトではないやに思いますが、軽く琴線に触れるというか、程好く心打たれるといった感じがします。ラストの演出は中々妙が感じられるやに思います。

本作での"あずみ"には、成長の跡なのか、揺らぐ心の切なさとそして達観(めいたもの)をも見る気がします(ただ、達観しつつも、諦観には陥ってはいない気がしますが...)。大義や理屈よりも心の奥底に、本能に植え付けられた盲目的な使命感と復讐心、そして生きるためなのかによって心揺るがせながらも斬らねばならなかった幾多の屍を乗り越えて来たことの過酷さ、非情、非業に苛まれ、悩み苦しみ、憎み、悲しみを背負い、歩みをすすめる姿にはジーンとさせられるものがあります。何に何処に向かうかわかりませんが...愛は何処に...。

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2007年11月10日

「東京湾炎上/CONFLAGRATION」

「東京湾炎上/CONFLAGRATION」
1975年製作 日本
監督:石田勝心 製作:田中友幸、田中収 原作:田中光ニ 脚本:大野靖子、舛田利雄 撮影:西垣六郎 美術:村木与四郎 編集:小川信夫 音楽:鏑木創 特技監督:中野昭慶 助監督:今村一平
出演:丹波哲郎、藤岡弘、金沢碧、北村総一郎、下川辰平、宍戸錠、内田良平、ケン・サンダース、水谷豊、鈴木瑞穂、渡辺文雄、佐々木勝彦、佐藤慶、佐竹明夫、金井大、伊達敏孝、笠達也、潮哲也

本作公開当時(といっても観たのはニ番館だったか、三番館なのですが...)は人気TVアクションドラマ作品『キイハンター』や私も読んでしまった五島勉さんの同名ベストセラー(ノンフィクション)小説を映画化したパニック作品『ノストラダムスの大予言』の丹波哲郎さん、石ノ森章太郎さんが設定、デザイン、漫画版を手掛けたTV特撮ヒーロー作品『仮面ライダー』小松左京さんの同名小説を映画化したSF特撮パニックドラマ大作「日本沈没」藤岡弘さんやTV特撮時代劇ヒーロー作品『怪傑ライオン丸』『風雲ライオン丸』やTVSF特撮ドラマ作品『SFドラマ 猿の軍団』(当時はより恐い印象がありました)の潮哲也さんらが出演していることもあり(当時我が家には、難視聴地域だったことと父親のポリシーにより、テレビを置いておらず、我が家のすぐ前にある祖母の家でテレビを観ていたのですが、母親に視聴時間を午後9時までと制限されていて、萩原健一さん主演のTVドラマ作品『傷だらけの天使』はリアルタイムでは観れなかったため、同じく主演の水谷豊さんは殆ど馴染みがありませんでしたし、宍戸錠さんを"エースのジョー"としてハッキリ認知したのも後のことです)、かなり期待して観たものの、正直余りピンと来なかった記憶があったのですが、近所のレンタルビデオ店でDVDがレンタルされていたので、久しぶりにもう一度と借りて観てみました。
説得や納得に弱いところがあるのは別にして、本作のアピールポイントの大きな一つである石油コンビナートをはじめとした爆発シーンの特撮は迫力・見応えありますし、プロット、設定や突きつけられるテーマもとても興味深く、スペクタクルな醍醐味は充分やにも感じますが、コンパクトに過ぎるというか、寸詰まりというか、ヒロイックにも、かといって政治的・社会的にシリアスにもし過ぎていないのは悪くないとは思いつつ、登場人物やドラマ部分の描写を恣意的に避けているような気がして、どうも今一つ物足らない感じが否めません。お話の展開も中々サスペンスフルで悪くないと思うだけに何だか勿体ない気もします。
ケイ・アモハ扮する"シンバ"率いる資源公正分配推進組織(POFFDOR)と名乗るゲリラ(テロリスト)一味に乗っ取られ、爆弾を仕掛けられる20万トン級の石油タンカー"アラビアン・ナイト"に乗り合わせていた石油技師、"館次郎"を演じているまだギラギラとした野獣味溢れる藤岡弘さんの抑えて尚熱い演技、アクション、気迫と存在感は見応えあって何だか嬉しい気がしますし、GHQ通訳仕込みの流暢な英語での台詞を交えた演技と存在感を見せてくれている"宗方船長"役の丹波哲郎さんをはじめ、魅力ある俳優さんたちが目白押しで出演しているのでうすが、どうも役不足な感が否めない気がしてしまいます。"江原一等航海士"を演じている北村総一郎さん、"西沢甲板長"に扮している内田良平さん、"小佐井機関長"を演じている宍戸錠さんや"深見ディレクター"役の佐藤慶さんなぞも好い味を出しているやに思うのですが...。同感される向きも少なからずおられるやに思うのですが、本作の後の出演作ながら、中上健次さんの短編小説『蛇淫』を"ゴジ"さんこと長谷川和彦監督が映画化した青春ドラマ映画作品「青春の殺人者」の主人公、"斉木順"を彷彿とさせるような、藤岡さんとはまた一味違った若いギラメキを放つ水谷豊さんの熱演・力演と存在感と、ゲリラ一味の一員、"ムンク"への彼の配役(予定では逆の立場の役柄を演じる筈だった彼が、脚本を読んで、自ら志願したとのことです)と役回りは魅力的やに感じます。元々話せたのかどうかかかりませんが、英語の台詞も無難にこなしているやに見受けられます。
上述にも関連しますが、登場人物の誰にも焦点をし切らないというのは、悪くない、嫌いではない(描き方なり演出手法)とは思いますが、本作に於いて意図的にそれがなされているとしたら、余り効果しているとは感じられませんし、そのように思えてなりません。編集でかなりカットしたのではないかと思います(草刈正雄さん主演の『がんばれ!若大将』と同時上映ということもあったからなのかしら...)。それから、ゲリラ一味については、設定や役回りは悪くないと思うのですが、水谷豊さんを除いて、他の登場人物たちとは逆に特にリーダー"シンバ"を演じているケイ・アモハと一味の一員、"キファル"に扮する大袈裟でわざとらしくうるさく映るな演技のケン・サンダースは熱演は認めるものの、どうしても役者不足の感が否めませんし、行為はいざ知らず、主張としては、普遍的説得力のある、納得し得る大義に今となっては陳腐に感じてしまう復讐心(劇)を持ち込んでしまうのは、おかしなことではないやには思いますし、丁寧に感じるところもなくはないのですが、ステレオタイプに描かれても見えてしまって、とても惜しい気がします。"シンバ"と"キファル"の配役がハマれば格段に見応えが増した気がします。
橋本葉子さんが歌う主題歌『あなたは旅人』をオープニングに流すのはチョッと違和感を感じる気がします。"館"の想起、金沢碧さん演じる恋人の"未知子"の絡み、特にラヴシーン(の意味)は良くわかりません。そもそも関係が謎めいていますし、その意味では"未知子"の役名には妙を感じなくもありません。
DVD特典映像として収録されている本作で特技監督を手掛けている中野昭慶さんのインタビュー、『中野昭慶 爆発を語る』はとても興味深いです。

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posted by ウォルター at 00:17| ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 鑑賞映画について(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする