2008年08月16日

「秒速5センチメートル」

「秒速5センチメートル」
2007年製作 Anime 日本
監督/原作/脚本:新海誠 美術:丹治匠、馬島亮子 音楽:天門 主題歌:山崎まさよし『One more time, One more night』 キャラクターデザイン/作画監督:西村貴世
声の出演:水橋研二、近藤好美、花村怜美、尾上綾華

(何でもないような)風景の捉え方、切り取り方、加工の仕方による映像情景描写には、何とも惹きつけられるものがあります。さりげなく圧巻という感じがします。叙情的で新しいのに懐かしいというような、ノスタルジックな雰囲気、空気感やどこか遠いところに行くような感覚や温度(気温も心の温度も...?)が感じられて、深みや広がりのあって吸い込まれてしまいそうな空、風や雨の描写、視線描写、そして演出、カット割、アングルやメタファー表現なぞ、何でもないようなのだけれど、素敵で、印象深く心に来るものがあります(カット割やアングルは秀逸と思います)。忘れてしまいそうで忘れられない、忘れてしまわなそうで忘れてしまったりするというような感覚・感情...人を思・想って涙を流す...、気持ちと気持ちの思い出・記憶、淋しさ、懐かしさ、惨めさ、哀しさ、不安や苛立の先にある安堵のようなものなぞが時間、過去と現在との微妙なクロスオーバーと離れ離れの距離による関係・思・想いの変化、不変と喪失・消失なぞによって描き綴られていて、観ているこちらが経験したものとも、抱いている心象とも異なっていたとしても、ノスタルジーとシンパシーを覚えて、どうしようもなく心の琴線に触れ揺さぶられてしまい、涙がポロポロと頬をつたいます。主題歌として使われている山崎まさよしさんの『One More Time, One More Chance』を流された日にはもう堪らず号泣を禁じ得ません。作品のために書き下ろされたかのように、その世界観にとてもマッチしていると思います。モノローグもリリカルに印象的・効果的で素敵と思います。声優さんたちの声の演技も自然で優しくてイイと思います。
もどかしいというかいじましくも感じられますが、それだけに切ない美しさを感じるのやも知れません...どうでもいいような、大切な...。

心に吹き荒さぶ吹雪は地上に降る桜の花びらのように...秒速5センチメートルで...。

思考は、過去、行動は、現在...未来に向かって過去と現在を生きているのかしら...。

以前の投稿記事で取り上げています柊あおいさんの同名漫画宮崎駿さんが製作プロデュース、脚本と絵コンテを手掛けて、近藤喜文監督が映画化した青春アニメ作品「耳をすませば」を観るときと同じような感覚(フィクショナルな、憧憬的な郷愁感のようなものなぞ)を覚える気がします。

マスターピースというのではないやに思いますが、こうした映画作品を(新海誠監督独自の感性と表現をもって)作ってくれて何だか嬉しい気がします。斬新というのでもない気はしますが、興味深いテーマと構成・見せ方をした新鮮さを感じる作品です。大林宣彦監督映画作品に通じるようなテーマをしてるような気がしたりもします。

今回またしてもかなり支離滅裂な苦しい記事となってしまいました。語彙と表現力のなさがもどかしいです...。

allcinema ONLINE 映画データベース

[角川公認MAD] 秒速5センチメートル風 涼宮ハルヒの憂鬱PV

秒速かなたメートル

AMV 「秒速5センチメートル」+時かけ主題歌「ガーネット」

時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。
posted by ウォルター at 02:35| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月08日

「ストレンヂア -無皇刃譚-」

「ストレンヂア -無皇刃譚-」
2007年製作 Anime 日本
監督:安藤真裕 アニメーション制作:ボンズ プロデューサー:南雅彦 原作:
BONES 脚本:高山文彦 撮影監督:宮原洋平 美術監督:森川篤 美術設計:竹内志保 音楽;佐藤直紀 音響監督:若林和弘 作画監督:伊藤嘉之 色彩設計:中山しほ子 人物設計:斉藤恒徳
声の出演:長瀬智也、知念侑李、竹中直人、山寺宏一、石塚運昇、宮野真守、坂本真綾、大塚明夫、筈見純、野島裕史、伊井篤史

強烈なインパクトというのはありませんし、102分という短めの尺のせいもあってか、小粒な印象がないもないですが、お話の建て込みは面白く、登場人物のキャラクターも興味深いですし、アクショも迫力満点で、見せ方・演出も自然で、なおかつ微妙な旨味が感じられて、とてもしまった作りの見応えある作品と思います。噛めば噛む程味わいが楽しめる作品やにも思います。

くどくどとした前口上が排されているのは、この作品の導入部の惹きとして効果していますし、潔くて好いと思います。透明な雰囲気や冷たくて、熱い空気感の漂いが感じられて好きです。チョッとした展開の裏切りが嬉しかったりもします。かなり過激で血なまぐさい描写もあるアクションシーンは躍動的で緊迫感や迫力があるというだけでなく、生々しい気持ちや感情が込められて感じられて、特にクライマックスのそれは、画面を食い入るように観てしまいます。それまでのプロセスや伏線がさり気なくもしっかり、丁寧綿密に描かれていることが効果しているのやも知れません。だからこそ、刀を交えることで、吹っ切れた境地、ある意味聖なる、馬鹿なる境地に近づく者たちにリアリティーを感じ、心揺さぶられたりするのやも知れません。

名を捨て刀を封印した奇妙な剣士、"名無し"の声を演じている長瀬智也さんは、キャラクターを過度になく、自然に、そして力強く微妙に表現されていて、魅力的に演じて魅せてくれていると思います。ぶっきらぼうながら優しさ、思・想い、気持ちや感情が秘められていて、何よりらしさが感じられて、素敵でカッコイイと思います。声と台詞回しが杉本哲太さんにチョッと似ている気がしたりもします。明国から来た武装集団に追われる中、"名無し"と出逢うこととなる秘密を背負った明国出身の天涯孤独の少年、"仔太郎"の声を演じているHey! Say! JUMPの知念侑李さんは初々しくて、擦れていない自然な感じがキャラクターにより息吹と暖かみを与えているやに感じます。戦乱の世に明国皇帝の密命を受け、ある目的のために来日し、"仔太郎"の秘密を狙う白髪の老人、"白鸞"率いる武装集団最強の剣士、"羅狼"と金を貰い、明国から"白鸞"ら来訪者を領内に招き入れ手を組む戦国時代の貧しい小国、赤池の国の領主の声を渡辺信一郎監督によるTV近未来SFアクションドラマアニメ作品『COWBOY BEBOP』と劇場映画化作品「COWBOY BEBOP 天国の扉」で主人公の賞金稼ぎ、"スパイク・スピーゲル"と"ジェット・ブラック"の声を演じている山寺宏一さんと石塚運昇さんが、赤池国の重臣にして、領内一の手練れで、"名無し"とも浅からぬ因縁を持つ"虎杖将監"の声を士郎正宗さんの漫画『攻殻機動隊』押井守監督がアニメ映画化したSFサスペンス・アクション作品「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」、以前の投稿記事で取り上げていますその続編アニメ映画作品「イノセンス」と押井塾の塾生、神山健治監督がテレビアニメ化した『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 』シリーズの公安九課、通称攻殻機動隊のバトーの声を演じている大塚明夫さんが演じられていて、その魅力的で見応え、聴き応えあるしっかりした演技でキャラクターを肉付けし、作品を引き締めてくれていると思います。"仔太郎"の相棒の犬、"飛丸"は忠誠心に厚くて、頼りになって心強くて、可愛いです。修行のため明国に渡り、孤児となった"仔太郎"の身の上に同乗して日本に連れ帰った禅宗の僧侶で、有力者・"絶界和尚"の弟子の"祥庵"の声を演じている竹中直人さんや赤池の国の領主の娘、"萩姫"の声を演じている坂本真綾ら他の声の演者の皆さんもまたキャラクターを生かす演技を見せて、聴かせてくれていると思います。

死生を仄めかして感じられる不安気で、危う気だけれど、明日への希望に満ちたラストは感慨迫るものがあります。

思・想いというか、熱い気持ちや感情がヒシヒシと伝わって来る気がします。

初め、題名の「ストレンヂア」とは何ぞやなぞと思いましたが、公式サイトのPRODUCTION NOTE《安藤真裕監督、「ストレンヂア」を語る》の【題名「ストレンヂア」にこめた意味】を読んで大いに納得がいきました。サブタイトルの「-無皇刃譚-」については、依然として良くわからないままだったりしますが...。

allcinema ONLINE 映画データベース

時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。
posted by ウォルター at 00:53| ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月28日

「空飛ぶゆうれい船」

「空飛ぶゆうれい船」
1969年製作 Anime 日本
監督/脚本:池田宏 製作:大川博 企画:関政次郎、茂呂清一、旗野義文 原作:石森章太郎(石ノ森章太郎) 脚本/作詞:辻真先 撮影:片山幸男、武田寛 特殊効果:土田勇 編集:吉村均 作曲/音楽:小野崎孝輔 音響効果:大平紀義 歌:泉谷広。ハニー・ナイツ 作画監督:小田部洋一
声の出演:野沢雅子、田中明夫、里見京子、岡田由紀子、名古屋章、納谷悟郎

先日、NHK-BS2で放送された『とことん!石ノ森章太郎』で放映された本作をビデオにエアチェックしてとても久しぶりに観ました。

本作は、子供の時分にテレビ放映や近所の児童会館で上映されたりする度に観ましたが、初めて観たときに印象に残ったのは、主人公の少年、"滝隼人"の声がTVコメディアニメ『ど根性ガエル』の主人公の少年、"ひろし”と同じだということと、劇中のCMで流れるボアジュースのCMソングのフレーズ『ごっくりごっくりこんと、ボアジュース』くらいだったのですが、その後何度か観ても飽きることなく、"納得"や"説得"がなされているシンプルでしっかりとした設定、批判・危惧・皮肉や示唆に富んだ内容、1時間という短尺ということもあるのやも知れませんが、コンパクトでスピード感ある展開に見応えある圧倒的なアニメーション描写をした作品と思うようになりました。

今観ても色褪せることのない面白くて、見応えのある映画作品と思います。

同じく『とことん!石ノ森章太郎』で放映された石ノ森章太郎さんが生み出したキャラクターが共演する紺野直幸監督のSFアクション・ヒーロー・オリジナルビデオアニメ作品「ギターを持った少年 -キカイダーVSイナズマン-」もビデオにエアチェックして観ましたが、こちらも短尺のコンパクトな作りながら、思慮・情け深い内容の感動的でノスタルジックだったりもして、見応えある作品やに感じます。

allcinema ONLINE 映画データベース

時効事案も含めて未解決事件が一つでも多く早期の解決を見ることを望むものです。

アーサー・ローレンツの同名小説をバーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォード共演で映画化したロマンス・ドラマ作品「追憶」、ロバート・ミッチャムと高倉健さん共演のサスペンス・アクション映画作品「ザ・ヤクザ」、ジェームズ・グラディ原作の『Six Days of the Condor』をロバート・レッドフォードとフェイ・ダナウェイ共演で映画化したサスペンス作品「コンドル」、ロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダ共演のドラマ映画作品「出逢い」、ダスティン・ホフマンとジェシカ・ラング共演のコメディ映画作品「トッツィー」、アイザック・ディネーセンの小説『アフリカの日々』をメリル・ストリープとロバート・レッドフォード共演で映画化したロマンス・ドラマ作品「愛と哀しみの果て」、ジョン・グリシャムの同名ベストセラー小説をトム・クルーズ主演で映画化したサスペンス作品「ザ・ファーム/法律事務所」や二コール・キッドマンとショーン・ペン共演のサスペンス・ドラマ映画作品「ザ・インタープリター」をはじめ多くの映画作品やTVドラマの監督、製作、製作総指揮を手掛け、俳優としても多くの作品に出演しているシドニー・ポラック氏が5月26日(月)に癌のためロサンゼルス市内の自宅で亡くなられたとのことです。ここに心からご冥福をお祈りいたします。
posted by ウォルター at 00:11| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月11日

「ベクシル 2077 日本鎖国」

「ベクシル 2077 日本鎖国」
2007年製作 Anime 日本
監督/脚本:曽利文彦 プロデューサー:中沢敏明、葭原弓子、高瀬一郎 エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉 脚本:半田はるか 音楽:ポール・オークフィールド 主題歌:mink『Together again』
声の出演;黒木メイサ、谷原章介、松雪泰子、朴路美、大塚明夫、櫻井孝宏、森川智之、柿原徹也

3Dライブアニメの質感自体結構好きだったりしますし、その綺麗で迫力ある映像描写は圧巻やに感じます。導入部から冒頭十数分はワクワクさせられるものがあるのですが、黒木メイサさんが声を演じるところの米国特殊部隊“SWORD”の女性兵士、"ベクシル"がハイテク技術を駆使して完全な鎖国をしている日本に潜入、スラム街と化したかつての東京に潜伏するあたりから、面白いのやら何やらわからなくなってしまいます。"ベクシル"の性格設定が今一つつつかめず、ピンと来ないのと、どうも台詞が陳腐で説得力に欠けて聞えてしまうところがあり、作品に入り込めないものがあります。テーマ(が何かはいざ知らず...)とお話が上手にバランスとれていないような感じがしてしまいますし、ロマンスやセンチメンタルな要素の盛り込み方もどうなのかしらと思ったりします。ただ見応えがあるせいか、最後まで飽きることなく観れてしまったりするのですが...。どこかで観たことあるような描写や表現なぞはさして気になりません。鎖国した日本を牛耳る巨大企業、大和重鋼の総務局長、"サイトウ"が松田優作さんに似て映ります。中山大輔さんによるメカデザインはカッコイイと思います。不完全な生態金属などが集まりで、相互の電磁作用によって、高速で動き、次々に機械を吸収しつつ巨大化する機械生命体とのことのジャグは、不気味で哀しくて、面白いと思います。引き合いに出すのもどうかとは思いますが、映像表現についてのアップグレードはさておき、お話に関しては、本作の監督/脚本の曽利文彦さんがプロデュースを手掛け、士郎正宗さん原作の同名コミックを3Dライブアニメ映画化したSFアクション作品「APPLESEED アップルシード」とは比べるべくもないのは残念な気がします。

allcinema ONLINE 映画データベース
posted by ウォルター at 00:59| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月23日

「銀河鉄道の夜/Night on the Galactic Railroad」

「銀河鉄道の夜/Night on the Galactic Railroad」
1985年製作 Anime 日本
監督:杉井ギサブロー アニメーション監督:前田庸生 プロデューサー:原正人プロデューサー/音響:田代敦巳 企画:伊藤正昭、山下健一郎 原作:宮沢賢治『銀河鉄道の夜』 原案:ますむらひろし『銀河鉄道の夜』 脚本:別所実 撮影:小山信夫 編集:古川雅士 音楽:細野晴臣
声の出演:田中眞弓、坂本千夏、堀絢子、納屋悟郎、金田龍之介、常田富士男、一城みゆき

宮沢賢治さんの名作童話『銀河鉄道の夜』のますむらひろしさんによる漫画化作品を原案に杉井ギサブロー監督の下、アニメーション監督を前田庸生さんが手掛けて劇場アニメ化された作品です。

杉井ギサブロー監督やアニメーション監督を務める前田庸生さんの演出、表現や描写はもとより、ますむらひろしさんにより擬人化された猫のキャラクターデザイン、馬郡美保子さんによる美術(背景)デザインと細野晴臣さんによる美しく儚気な音楽が織りなす暗く寂し気で、不安気で、危う気で、辛くもあるけれど、温かな「銀河鉄道の夜」の幻想的で儚くも普遍性を感じさせる世界(観)に惹き込まれ、心を捉われ揺さぶられるものがあります。静かで、めくるめくといった感じではないと思うのですが、めくるめくといったような印象を受ける気がします。宮沢賢治さんの原作小説は小学生のときに学校の図書館で借りて読んだきりな気がしますし、うろ覚えなところもありますが、とても素敵に(アニメ)映像化されている作品やに思います。"ジョバンニ"が何とも愛おしい気がします。

ただ何となくフランスのSF作家、ステファン・ウルの小説『オム族がいっぱい』をルネ・ラルーと漫画家のローラン・ドポールがアニメ映画化した何とも不気味で、グロテスクで、私は生理的に好きになれないSFファンタジー作品「ファンタスティック・プラネット」を思い起こしそうなのは気にならないではありません。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の本作の解説には『この映画を観て「原作でも登場キャラは猫なのだろう」と勘違いする人が、少なからず存在する』とし、批判もある旨記していますが、原作を読んでいる私でさえそう思ってしまいそうになる程しっくりいっている気がします。

allcinema ONLINE 映画データベース

本作でキャラクターデザイン(と作画監督)を務めているのは江口摩吏介さんですので、正しくはますむらひろしさんはキャラクター原案を手掛けていることになります。
posted by ウォルター at 00:22| ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月04日

「パプリカ」

「パプリカ」
2006年製作 Anime 日本
監督/脚本/声の出演:今敏  アニメーション制作:マッドハウス プロデューサー:丸田順悟、滝山雅夫 企画:丸山正雄 原作/声の出演:筒井康隆『パプリカ』(中公文庫/新潮文庫刊) 脚本:水上清資 撮影監督:加藤道哉 美術監督:池信孝 編集:瀬山武司 音楽:平沢進 キャラクターデザイン/作画監督:安藤雅司 音響監督:三間雅文 色設定:橋本賢 製作プロデューサー:豊田智紀
声の出演:林原めぐみ、古屋徹、江守徹、堀勝之祐、大塚明夫、山寺宏一、田中秀幸、こおろぎさとみ、坂口大助、岩田光央、愛河里花子、大田真一郎、ふくまつ進紗、川瀬晶子、泉久実子、勝杏里、宮下栄治、三戸耕三

筒井康隆さん原作の同名小説『パプリカ』を以前の投稿記事で取り上げたサスペンスアニメ映画作品「千年女優」の監督/原案を手掛けている今敏さんが監督と脚本を手掛けて映画化したSFファンタジー・サスペンスアニメ作品です。

私としては、面白さ、楽しさという点では、今敏監督作品の中で一番と思います。

圧倒的な映像美と石岡瑛子さんとエイプリル・ネイピアが手掛けた衣装デザインにより精神世界を独創的、奇態でおどろおどろしくも興味深く描いたターセム・シン監督、ジェニファー・ロペス主演のサスペンス・スリラー映画作品「ザ・セル」を想起させられもしますが、本作の原作小説の発表の方が先ですし、夢に侵入・浸食し支配するという着想・お話の面白さも然ることながら、夢の映画女優ともいえるやの“夢探偵パプリカ”が繰り広げる絢爛豪華な七変化活劇悪夢絵巻を小気味良いテンポ、サスペンスフルさもまずまずなスリリングな展開で見事に魅せてくれていて、作品の世界にどっぷりと惹き込まれてしまいます。娯楽ファンタジー・サスペンス活劇の醍醐味を大いに堪能できます。抑制感、寸止め感やあしらいが絶妙で心地良い気がします。作品全体に鏤められている映画へのオマージュ・想いとその表現・描写に郷愁を覚える気がします。ただ、特に過去の映画作品へのオマージュの表現は私には些か高尚に感じられなくもありません。今監督作品には欠かすことの出来ない平沢進さんによる音楽は、本作ではドラマチックさはややも作品を大いに盛り上げてくれているやに思います。タイトルバックデザインも今監督テイストが進化・拡充していて素敵やに思います。空恐ろしくてファンタジックに繰り広げられる今敏&筒井康隆ワールドといったところやに感じます。今監督は、総監督と原作を手掛けているテレビサスペンスアニメ『妄想代理人』をはじめとして、筒井さんや本作の原作小説『パプリカ』にかなり影響を受けている気がします。今監督と筒井さんが演じているネット上に存在するパプリカ御用達のバー"RADIO CLUB"のマスター、"陣内"とウェイター、"玖珂"は洒落が効いていて面白いやに感じます。筒井さんは俳優や声優としての活躍もお馴染みながら、味のある声と演技を披露しているやに思います。精神医療研究所の理事長、"乾精次郎"の声を演じている江守徹さんの渋くて重厚な声と演技が作品を引き締めるのに効果している気がします。"パプリカ"の不安神経症のクライアント、"粉川利美"刑事の声を演じている大塚明夫さんの声も渋くて役にピッタリやに思います。石塚運昇さんとどちらがどちらだったか戸惑うことがあったりなかったりします。精神医療研究所に勤めるクールな美しきサイコ・セラピスト、"千葉敦子"またの名を夢探偵"パプリカ"の声を演じている林原めぐみさんと事件の発端である、盗難された画期的なサイコセラピー機器"DCミニ"の開発者で"敦子"の同僚の天才科学者、"時田浩作"の声を演じている古谷徹さんのキャスティングは、合っているような、チョッと違和感を感じるような、面白いような気がします。"敦子"と"時田"の同僚の研究員、"小山内守雄"の声を演じている山寺宏一さんの声と演技は言わずもがなやに思います。

"粉川利美"刑事が悩まされる疾患の原因にまつわるエピソードには、シンパシーを感じますし、何だか嬉しく素敵に感じます。ただ、心象映像の描写としてもあの...は....にしては出来過ぎな気はしなでもありません。

*心覚え(作品中に登場する台詞・人物・言葉・事物等)
『アナフィラキシー 』【anaphylaxis】《防御の消失した状態の意》アレルギーのうちで、特に症状の激しいもの。薬物ショックなど。
『己の無力を呪いますよ』
『腹が減っては戦は出来ぬ』

allcinema ONLINE 映画データベース
posted by ウォルター at 00:04| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月11日

『GRANDEEK<OVA>』

『GRANDEEK<OVA>』
2000年製作 Anime 日本
監督/脚本:外山草 美術監督:小倉宏昌 キャラクターデザイン/作画監督:馬場俊子
声の出演:堀江由衣、江原正士、永井一郎、田中理恵、山崎たくみ、保志総一郎、納谷六郎

以前コミックガムという雑誌で連載されていて、現在は『GRANDEEK Reel 』としてウルトラジャンプで連載されているとの桜瀬琥姫さんの原作漫画をオリジナルビデオアニメ化したSFファンタジー作品『GRANDEEK』を主人公の武具の精霊と話せる武器家の娘、"ティーア"の声を演じている堀江由衣がチョッとお気に入りで近所のレンタルビデオ屋さんでビデオを借りて観てみました。異世界の切ないお話といった趣やに思いますが、何といっても"ティーア"の掴みどころがないというか突き抜けて(悪い印象ではなく、ある意味馬鹿で怖く感じられるような)映る気もする前向きな性格が不思議で魅力的に感じます。彼女が携える大きな剣に宿る老齢の精霊、"グランディーク"の声をベテラン声優の永井一郎さんが相変わらず味わい深く演じています。

上記とは全く関係ありませんが、ロバート・クローズ監督、ブルース・リー主演の傑作格闘アクション映画作品「燃えよドラゴン」などに出演しているジョン・サクソンとフィリップ・K・ディック原作の同名小説をポール・ヴァーホーヴェン監督がアーノルド・シュワルツェネッガー主演で映画化したSFアクション作品「トータル・リコール」などに出演しているマイケル・アイアンサイドはチョッと容貌が似ている気がします。

allcinema ONLINE 映画データベース
posted by ウォルター at 02:09| ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月06日

「時をかける少女」(Anime)

「時をかける少女」
2006年製作 Anime 日本
監督:細田守 アニメーション制作:マッドハウス 原作:筒井康隆『時をかける少女<新装版>』(角川文庫刊) 脚本:奥寺佐渡子 美術監督:山本二三 音楽:吉田潔 キャラクターデザイン:貞本義行
声の出演:仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵、谷村美月、垣内彩未、関戸優希

作品全体や登場人物たちの性格設定、関係生、描写されている校内や生徒達の情景や様子が醸す雰囲気や空気感、主人公の女子高生、"紺野真琴"の青春期の揺れ動く思いなどなどひっくるめてあざとさもさして感じないかわりに懐かしさや共感もさして感じず、自分には目新しいものやことを目にして新鮮な感覚を覚えるというような感じがします。何故か学園アクションオリジナルビデオ・アニメ作品『エイリアン9』を思い起こしてしまいます。私としては、お気に入りの貞本義行さんがキャラクターデザインを手掛けられているというのは見所ではあります。

"真琴"がタイムリープスル際の派手な後転振りや、時間のリフレインのシチュエーションや描写はとても印象的、効果的で何より面白いと思います。

"真琴"の叔母で原作に主人公である"芳山和子"の声はを演じられている原沙知絵さんは上手く演じられていて、役柄に合っているやに思いますが、個人的には、原田知世さんというのはあからさまに過ぎるやに思いますので、敢えて申せませんが、石田ひかりさん、高橋かおりさん、本上まなみさん、もしくは木村佳乃さんに演じて欲しかった気もします。

タイムリープせずとも、それが輝かかりしものなのか、はたまた暗澹たるものなのか、もしくはそのどちらともなのか、どちらでもないのかはわかりませんが、未来がある限り、遣り直せるやに思います。時として、過去を振り返ったり、過去と向き合ったりすることが大切なこともあるやに思いますが、前を見て歩み、走れるのは未来のみしかないのですネ。目はちゃんと前を見て歩くために前についてるのですネ。別れ道に出くわしたとして、何れの道を選んだとしても、その先に待ち受けているものは、自らが歩み、進んで行くことで切り開かれ、導かれ至る何処かや何かなのやも知れないと思ったりもします。想いを上書きするというのは、得てして難しいものやも知れませんが、未来への気持ちや考えを切り切り替えようとは思える気がします。何時かということも大事やに思いますが、何をどうといのも大切な気がします。

先にBS2(NHK衛星第二テレビジョン)にて放送のありました『BSアニメ夜話』第8弾の三夜目で本作が取り上げられていて、そこでレギュラー出演者の岡田斗司夫さんが冒頭本作について語られていたのと同じような印象を私も持っています。ただ、岡田さん程大人でも頭が良くもないので、作品の出来の良し悪しと好き嫌いを切り離しては考え難いところがありまして、嫌いではありませんし、面白くないとも申せませんが...味わい、趣というか、良くも悪くも引っ掛かりは感じない気がします。癖や灰汁のような独自の世界観というか、エキセントリックさが余り感じられない気がするのは、個人的には残念な気がします。"真琴"の青春(ロマンス)ドラマとしても、青春のもどかしさのようなものよりも、すっきりした清々しさの印象が強いですし、ファンタジーとしては、もっと奇を衒ったり、外連味を出してもらえても良かったのではと思ったりもします。音楽も作品の仕上りには合っていてとても良いとも思いますが、もっと作品・お話を煽る風にしても好かったかしらと思ったりもします。でも何のかのいっても、最後はほんのりほろりと感動してしまいますし、学園青春(ロマンス)ドラマ としては、何とも(微妙に)目新しく、新鮮で興味深い印象は強く受ける気がします。

上述の『BSアニメ夜話』第8弾の本作を取り上げた三夜目の放送には、本作の原作者である筒井康隆さんもスペシャルゲストとして出演されていました。筒井さんについて私は彼の著書を読んでというよりもむしろ俳優や声優としての活躍振りの方が馴染みがあるのですが、今回の出演を拝見するに、エンターテイナーで面白い人だなということと、"作家"なのだなということをあらためて強く感じさせられました。

*今回も以下は支離滅裂な戯言となってしまいました。
筒井さんが嘗て高校の国語の教科書に収録されることになった著書『無人警察』の癲癇の記述について、日本てんかん協会から差別的表現との抗議を受け、交渉ののちに決裂し、出版社並びにマスコミの自主規制に抗議し、断筆宣言をされた件については、筒井さんの主張自体については共感するところも少なくなかったものの〔当時問題となった『無人警察』を読みましたが、さして差別的とは感じませんでした〕、本当のところ筒井さんご自身にとって、如何なるものであったかは、私の与り知るとことではありませんし、どちらかというと彼の長年の友人である大江健三郎さんの批評に共感するものです。本筋と外れるやも知れませんが、言動やスタンスはさておき、当時の筒井さんのアティチュードやアクションは、私が目にした限りでは、共感したところもないではないですが、余り好ましく感じられるものではありませんでした。文学界、業界のみならず社会的に差別表現云々の問題を超え、表現の自由と(自主)規制、言葉狩やその意義について広く議論の機会を提供したことに加えて、否応なしやも知れずとも、癲癇という疾患についてスポットが当てられたことで、誤解や差別を緩和、是正する機会になり得たのではとも思いますし、意義あることであったと思います。ただ、必ずしも本質的で有意義な議論が展開されていたのかと思ったりはします。そう考えると、冗談めかして申し上げるならば、筒井さんがこうした議論の火付け役として必ずしも〔最〕適任だったのかなという気もしたりします。

allcinema ONLINE 映画データベース
posted by ウォルター at 00:11| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月08日

「バンパイアハンターD/VAMPIRE HUNTER D」

「バンパイアハンターD/VAMPIRE HUNTER D」
2000年製作 Anime 日本/米国
監督/脚本/絵コンテ:川尻善昭 製作:山本又一郎 プロデューサー:丸山正雄、長澤隆之 原作:菊地秀行『Dー妖殺行』(朝日ソノラマ文庫刊) 撮影監督:山口仁 キャラクター原案:天野喜孝 美術監督/設定デザイン:池畑佑治 音楽:マルコ・デ・アムブロシオ キャラクターデザイン/作画監督:箕輪豊 メカニカル作画監督:仲盛文 作画監督:浜崎博嗣、阿部恒 設定デザイン:渡部隆、韮沢靖、小池健
声の出演:アンドリュー・フィルポット、ジョン・ラフター・リー、 パメラ・シーガル、 ウェンディ・リー、 ウェンディ・リー、 ジュリア・フレッチャー、 マット・マッケンジー 、ジョン・ディマジオ、アレックス・フェルナンデス

伝奇小説家、菊地秀行さんの人気小説『吸血鬼ハンターD』シリーズ第3作『Dー妖殺行』を原作にウォシャウスキー兄弟監督/製作/脚本、キアヌ・リーブス主演の大ヒットSFアクションサスペンス映画作品「マトリックス」シリーズをモチーフに製作されたSFアクションドラマオムニバス・アニメーション映画作品「アニマトリックス」の「プログラム」と「ワールド・レコード」の監督や脚本も手掛けている川尻善昭さんを監督に日米で共同製作されたホラーアクションアニメーション映画化作品です。菊池秀行さんの小説は一作も読んだことありませんが、本作の他に同じ『吸血鬼ハンターD』シリーズの第一作目を基にOVA化された「吸血鬼ハンターD」と本作と同じく川尻善昭さんが監督を務めているSFホラーOVA作品「魔界都市<新宿>」は観たことがあります。オリジナルの英語版・日本語字幕無しを観ています。

(上述の通り本作の原作小説も読んだことはありませんが、)絵コンテも担当している川尻監督やキャラクターデザインと作画監督を手掛けている箕輪豊さんをはじめとしたスタッフは、闇の支配者に怯える荒涼とした世界、蒼白く冷たくて温かく耽美華麗な世界観(、原作の世界観・雰囲気)と天野喜天野喜孝孝さんによるキャラクター原案を見事にアニメ映像化しているやに思います。

原作によるところも多いやに思いますが、登場人物と舞台や登場人物の設定は興味深く、描写もしっかりなされていますし、プロットもまずまずですし、展開のテンポもバランスも好くて、見せ方、特に見せ場の盛り上げ方が巧い気がします。川尻監督の独特のセンスが活きている気もします。主人公の言わずと知れた孤高のダンピール("貴族"と呼ばれる吸血鬼と人間の混血児/ウェズリー・スナイプス主演のアクション・ホラー映画作品「ブレイド」シリーズのブレイドのようなダーク・ヒーロー)・バンパイアハンター"D"の端整で妖しく、血の宿命を背負った哀しい魅力も然ることながら、深く強く...美しく哀しい...愛に生きんとする"D"が救出を依頼される"エルバーン家"なる資産家の令嬢"シャーロット”と彼女を誘拐した永遠の暗闇と血の乾きの苦しみ、哀しみと痛みと共に生きる"貴族マイエル=リンク"、もう一組"マイエル=リンク”を追うプロフェッショナルで剛毅な凄腕のバンパイアハンター、"マーカス兄妹"、"D"の左手に寄生する口うるさく、おせっかいで臆病だけど頼りになる魔物、"人面疽"や"マイエル=リンク”と"シャーロット"の護衛をする妖人の棲処バルバロイの最強戦士3人などの登場人物の魅力にも惹かれるものがあります。

独特のアクショナブルさを感じる気がします。"D"や"マーカス兄妹"と"マイエル=リンク"、"妖人"やゾンビ"らとの対決シーン、特にかつてその残忍さ故に同族である"貴族"からも畏れられた血の伯爵夫人、"カーミラ"の居城チェイテ城内で繰り広げられる壮絶な闘いは、見応え十分やに思います。クライマックスでは"レイラ”と共に心の中で"Come on! You can make it! Come on! Fly away!"と願い叫び涙してしまいます。願い信じれることによって、あらゆる呪縛からの束の間の開放感(自由)とカタルシスを得られ、得る気がします。ラストで約束を果たした"D”が魅せる微かに笑みを帯びた蒼く眩しい眼差しと遠のく馬の背に揺られる後ろ姿に"人面疽"が"D"に言う言葉"You're not so bad... you just dress bad"は素敵やに思います。確かに"D"の装束は暑苦しく感じなくもないやに思います。

愛情は時として人を純化も鈍化も、強めも、盲目にも、狂わせも、苦しめも、救いもする厄介で尊いものなのでしょう。

"マイエル=リンク"と"シャーロット”の愛情による二人の自由と平和と幸福への想いは、宿命、運命、誇り、執念、復讐、恨み、呪い、悪意、邪心、苦痛、苦悶、哀しみや絶望を希望、慈悲、救済や開放へと昇華させるやに感じます。

allcinema ONLINE 映画データベース

先日肺炎による呼吸不全で亡くなられた文学座の俳優、北村和夫さんのご冥福を心よりお祈り致します。

NYヤンキース松井秀喜選手、日米通算2000本安打おめでとうございます!ロジャー・"ザ・ロケット"・クレメンスもヤンキース復帰で花を添えてくれました。松井選手の勇姿、精一杯のプレーと活躍と彼の念願でもあるワールドシリーズ制覇を果たされんことを切に期待し、願いたと思います。

慣れないことをした疲労からか、週末に軽い顔面痙攣を起こしてしまい、未だに瞼や頬がヒクついています。ウィルス感染が原因ではないとのことです。筋肉痛も酷く、動くのが億劫です。
posted by ウォルター at 00:08| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月01日

「千年女優/MILLENNIUM ACTRESS」

「千年女優/MILLENNIUM ACTRESS」
2001年制作 Anime 日本
監督/原案/脚本:今敏 演出:松尾衝 プロデューサー:真木太郎 企画:丸山正雄 脚本:村井さだゆき 撮影監督:白井久男 美術監督:池信孝 音楽:平沢進 音響監督:三間雅文 作画監督:本田雄、井上俊之、濱州英喜、小西賢一、古屋勝悟 色設定:橋本賢
声夫の出演:折笠富美子、 小山茉美、荘司美代子、飯塚昭三、佐藤政道、小野坂昌也、津田匠子、鈴置洋孝、片岡富枝、徳丸完、京田尚子、山寺宏一、津嘉山正種、 石森達幸、麻生智久、遊佐浩二 、小形満、肥後誠、坂口候一、浅野るり、サエキトモ、木村亜希子

本作も私が最も好きな映画作品の一本です。以前このブログの投稿記事でも取り上げたマイケル・ベイ監督、ユアン・マクレガー、スカーレット・ヨハンソン主演SFアクション・サスペンス映画作品「アイランド」を制作したドリームワークスにより世界配給されております。宮崎駿監督映画作品「千と千尋の神隠し」と共に文化庁メディア芸術祭で大賞を受賞しているのをはじめ第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞と余り聞き馴染みはありませんが、第6回ファンタジア映画祭最優秀アニメーション映画賞芸術的革新賞を受賞しております。同監督映画作品「東京ゴッドファーザーズ」と共に第74回アカデミー賞長編アニメ賞ノミネート候補作品に選出されてもおります。以前は監督の今敏さんと現代芸術家の村上隆さんを間違えることがありました。

かつての日本映画と日本映画界へのオマージュと映画への想いが込められているように感じられ、次元・時間軸を巧みに操った多層的、壮大で彩りあるストーリーと映像表現・美で綴る映画絵巻に正に魅了されてしまいます。画が語りかけてくるようでもあります。狂気めいた純真さ漂う千年の時空を超えたかのような深く強い想いが薄ら恐ろしくも美しいです。比較するのは適当でないやも知れませんが、上述の同時期に製作され、米国の第73回アカデミー賞で前年より創設された長編アニメ賞を受賞した宮崎駿監督アニメ映画作品「千と千尋の神隠しよりも本作の方が映像作品としては優れているやに感じ、好きです。「千と千尋の神隠し」も素敵な作品と思います。こちらも同時期に製作、公開された映画作品「女優霊」”リング”シリーズ中田秀夫監督、麻生久美子さん主演映画作品「ラストシーン」とも相通ずるような切なく愛おしいノスタルジックさが、古き時代のことなど知る由もないことばかりな筈なのにも関わらず、心の琴線に触れるようで何ともたまらない気持ちになるのが好いのです。
そして何といっても音楽の好さです。元P-MODELのギタリスト、平沢進さんが手掛けられた音楽は正に作品・画と融合し、その血となり骨となり素晴らしいと思います。今敏監督&平沢進さんはデヴィッド・リンチ監督&アンジェロ・バダラメンティのコンビのような相性の良さを感じます。

*今回も以下は特にとりとめのない記事となってしまいました。
冒頭主人公の"藤原千代子”が月からロケットで飛び立つ映画のシーンと巻き戻されるビデオの彼女の想いの時の刻みが印象的で象徴的にも感じます。

"千代子”は引退後同じく鎌倉に隠棲していると伝えられる原節子さんがモデルなのでしょうか。

大ファンである往年の大女優"千代子”のドキュメンタリー制作のため30年前人気絶頂の中、突如として引退をし、隠遁の日々を送っている彼女を取材する映像製作会社社長"立花"とカメラマン"大滝"とのかけあいと"大滝"の関西弁での楽屋落ちというのか突っ込みなのかぼやきなのかが面白いです。声を演じられている役者さんたちの声は役にピッタリハマっていて、その演技も素敵と思います。

"千代子”にとって辛きことは現実にあり、心躍らせることは希望や想いの輪廻なのか堂々巡りなのかにあり、彼女の現実に積極的に関わるのは主に敵役とおぼしき人たちの妬み、欺き、酷虐と贖罪などと微かに顔も覚えぬ陽炎のような彼の人やに思えます。"あやかし"という言葉の響きと"いい歳して勝手に死ぬ権利があると思うのかい!?"の台詞が印象的です。翻弄する運命の皮肉と残酷さによって生ざれる儚い夢、果てしない想いと愉しみ...幸か不幸かはいざ知らず、想いは人を突き動かし支え苛むものなのやにも感じさせられます。

執念ともいえるかの情念が薄ら恐ろしくもあります。時代(=過去・歴史?)も織り込まれているやに思います。

悲運の過去の中をいつの日か(未来)へ向かって時を駆け抜けた一人の女優"千代子”は「時をかける少女」やにも思えます。走るシーンも印象的です。映画は人生のようで、人生は映画のようです。

誰しもが抱き得る(儚き)想いと地味ともいえるやのスチュエーションをドラマティックで壮大なスペクタクルに仕立て魅せているという観方からも秀逸な(脚本、演出の)作品やに思います。

静かで怒濤のラストは正しくクライマックスで圧巻です。"千代子”の台詞には"寅さん”ではないですが、”それをそれを言ったらオシマイだよ"というような触れても、あからさまにもして欲しくない核心というか、真理というかを突きつけられたような、裏切られたような衝撃を受け、愕然とした気持ちになりつつ、何故か感じ入ってしまいます。そしてエンディングテーマに止めを刺されます。条件反射で涙が止めどなく溢れ、嗚咽をもらしてしまいます。哀れともとれるやも知れませんが、その生を全うした哲学者のようでもあるやに感じられたりします。

永遠のあの日の自分たりえぬ時の流れの中で変わらず強まる切なく憎々しくも愛おしき彼の人と自らへの想い。そして明日という希望に向かってのもう一つの想い。 

そもそも人間は切ない生き物なのやも知れませんし、それでも...だからこそ明日に希望を見出そうともするのやも知れません。あらゆる仕方で...。

捨てる神あれば拾う神ありというか、他者に捨てられたとて自らを捨てさえせず、自らと誰がしか何がしかに捧げられれば...。

「BSアニメ夜話」第7弾にて「千年女優」が取り上げられます。放送は1日目にあたる8月7日(月) 23:00〜23:55 BS2(NHK衛星第二テレビジョン)です。
出演者は、BSマンガ夜話ホームページによりますと現在のところ未定との事ですが、お馴染みの岡田斗司夫さん、氷川竜介さん、里匠アナウンサーと中川翔子さんをはじめ本作の脚本を担当された村井さだゆきさん、荻野目慶子さんと山本晋也さんとのことです。楽しみであります。

allcinema ONLINE 映画データベース

切ないばかりなのもアレですが、どうも切ない作品が好きなようです。
posted by ウォルター at 16:39| ☁| Comment(0) | TrackBack(3) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月01日

「イノセンス」

「イノセンス」
2004年製作 Anime 日本
監督/脚本:押井守 演出:西久保利彦、楠美直子 プロデューサー:石川光久、鈴木敏夫 原作:士郎正宗 美術監督:平田秀一 音楽:川井憲次 主題歌:伊藤君子『フォロー・ミー[Maxi]』 キャラクターデザイン:沖浦啓之 デジタルエフェクトスーパーバイザー:林弘幸 ビジュアルエフェクト:江面久 プロダクションデザイナー:種田陽平 メカニックデザイン:竹内敦志 ラインプロデューサー:三本隆二、西沢正智 レイアウト:渡部隆 音響監督:若林和弘 作画監督:黄瀬和哉、西尾鉄也
声の出演:大塚明夫、田中敦子、山寺宏一、大木民夫、仲野裕、榊原良子、武藤寿美、竹中直人

人にとって、いのち、自己の存在・実在と”GHOST”とは、そしてそのありようは、との非常に希有にして興味深くも難解めいた哲学的コンセプトと綿密な設定に基づき構成された問題意識を投げかける作品と感じます。

膨大な情報量で構成された映像には(にもも関わらず)、その美しさに圧倒され、魅了されてしまいます。クラシカルな車やドッグフードを買いに行った雑貨屋なのかコンビニエンスストアなのかでの銃撃戦でガラス変が飛び散るシーン、極東の北端、択捉経済特区の塔婆のように林立する摩天楼と大聖堂のごとき佇まいのロクスソロス本社ビル上空をカモメが舞い飛ぶ中、飛行機で旋回するシーン、そして特に中華風のお祭りの山車行列が川を練り行くシーンは色鮮やかで華麗で実物があったとしてもそれ以上に芸術的で感動さえ覚えます。

リドリー・スコット監督映画作品「ブレードランナー」において映像表現されたSF近未来の世界観というのは一つの分岐点にあったことを再認識させられました。

本作については、もはやジャンルやカテゴリーを超越した押井守監督の"GHOST IN THE SHELL" WORLDを表現した映画作品といった感じです。しかし、それにしても希有に過ぎるというのか、斬新過ぎるというのか、広く共感を得られるには時代を先んじ過ぎている嫌いがあるやに思われ、受け入れ難いというか正直、難解で分からないとの印象を持たれる方は多いように見受けられます。観る側に認識されやすいか否かは別にして、明確なコンセプトに過度なまでに忠実に作られているとの印象は強く受けますが、映像表現はさることながら如何せん台詞に偉人の言葉や聖書の引用があったりと、難解でもありますので...。

私的には押井守監督の"GHOST IN THE SHELL" WORLDに浸れている気がしますし、結構エンターテイメントしている作品であるとも捉えております。一応犯罪捜査や謎解きにもなっております。

今回は前映画作品「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」で主人公であった”少佐”でなく”バトー”さんが主役です。

鑑識課員or検死官”ハラウェイ”の言葉に象徴されるような前提条件を付した概念提起の台詞は好いと思いますが、これも何某か象徴的なところがあってのことなのでしょうか。犬はいつまでも犬ですが、子供はいつまでも子供ではありません。ロクスソルス社の製造工場である船に潜入した際の”バトー”さんの走り方が好きです。どなたかモデルがいるのでしょうか。”バトー”さんの飼い犬、”ガブリエル”は可愛いです。少佐との再会シーンもさり気なくも観ているこちらには感慨深く、らしくて好いです。”少佐”は大変興味深いキャラクターと思いますが、何故か余り魅力的には感じられません。孤独な哀愁を感じますが、それはどうしようもなくも自覚・自発的に感じられるからでしょうか。”石川”さんの髪型は面白いです。

”バトー”さんの声を演じられている大塚明夫さんはTVドラマ『ケータイ刑事 銭形零 ファーストシリーズ』でのゲスト出演も好かったです。”少佐”の声を演じてられる田中敦子さんは大人の女性の魅力を感じさせる綺麗な声優さんと思います。”トグサ”さんの声を演じられ「山ちゃん」の愛称で声優のみならず俳優、タレント、司会者と多岐に渡り活躍されている山寺宏一さんには、今再びスパイク・スピーゲルの声を演じる機会が訪れることを願っております。”ハラウェイ”の声を演じられている榊原良子さんの声を聞くとどうしても、アニメ『機動警察パトレイバー』シリーズの”南雲しのぶ”さんを想起してしまいます。”荒巻課長”の声は映画の大木民夫さんよりもTVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズの阪脩さんの方が好きです。”キム”の声を演じている竹中直人さんは好いです。彼は映画「機動警察パトレイバー2 the Movie」に続き2作目の押井監督作品への出演です。

伊藤君子さんのしっとりと哀愁を帯びた歌声の主題歌と挿入歌、川井憲次さんの雅楽風な独特の音楽も素敵です。観賞後即、劇場売店でサントラCD購入してしまいました。川井憲次さんは何故に映画作品「ブラッディ・マロリー」の音楽を担当されたのでしょうか。菅野よう子さんファンとしては、彼女の音楽でも観てみたいです。

プロデューサーのお一人、鈴木敏夫さんは公開前、テレビのプロモーション番組か何かでアカデミー賞長編アニメーション賞を狙えるとおっしゃっていたように記憶しておりますが、鑑賞しての印象は、視覚効果賞の方が妥当ではなどとも思ったりしました。押井監督もそちらの方がどちらかというと受賞を素直に喜びやすいかとも思いました。実際には残念ながら何れの賞にもノミネートされませんでした。それは、まあどうということはないですが...。

エンターテイメント作品としての観点からは、同時期に公開された同じ士郎正宗さん原作の「APPLESEED アップルシード」の方が安直に(?)楽しめました。原作と比較される方の中にはご不満の向きもあろうかと思いますが...。

公開初日に劇場へ観に行った際、上映終了後、思慮をめぐらせている時に後ろの席の若い女性連れが「訳分かんなくて、面白くない」と話しておりました。伝わり難いやも知れませんが、昔、ジョン・レノンファンの私が彼の息子であるジュリアン・レノンの初来日コンサートを日本武道館まで観に行った時に、公演終了後、これまた後ろの席の女性連れが「ポール・ヤングの方が全然イイ!」と言っていたのを聞いたのと同じような釈然とせず受け入れ難い思いを抱き、反論したくも仕方ないのかなとの思いをしました。帰りの駅までの道すがら30歳前後と見られるご夫婦連れが、観返すと面白さが分かるのかもネと話されていたのを耳にしホッとする思いがしたりもしました。

”鏡は悟りの具にあらず、迷いの具なり”と”だって私は、人形になりたくなかたんだもの”との台詞が印象的です。

現在我々人は、その営みの中で、自らの姿、そして自らが何者かを映す鏡となり得る対象を過剰に求める人が増え、その度合いも高まる傾向にあるのでしょうか...。

何れにしましても前作同様、何回も観れる(観返す毎に度発見があるような)類いの私好みの作品であることは間違いありません。現に劇場観賞後、即DVDを予約購入し、今まで数度見返しております。

*今回はいつも以上にまとまりのない投稿記事ですが、以下は特に支離滅裂な戯言です。
不死の願望と不死なるものに抱く憧憬と恐れの念、自己投影もしくは究極の共感行為として他者との同化もしくは他者への成り代わり。実現不可能な自己実現作業の代替者としての対象。何もせず、意思さえ持たないことの可能性、自由と完全さへの憧憬。
自己意識において無な対象であるからこそ抱くことのできる絶対的共感の享受・授受の期待と願望。人にとって人の社会にあって他者と共感出来るか否かは重要な命題の一つ。そのことによる人としての安定度もしくは、如何にあれるかということ。共感対象の広範・多様化。人が通常認識・掌握している科学とはその時代での我々の意識・思考の範囲内で純粋科学はその範疇にのみにない。
自己=脳とするならば、その中においてさえ意識・思考の及ばぬフィールドが広範に存在する。"GHOST"は...。
本能的意識や感覚は如何にあるか。"GHOST"のささやきは...。
人は時として神に願い、すがろうとするだろうが、神になろうとする者は少なかろうし、好ましからざる考え。何をするのも自由だなどと思っていたら尚更。全てではないが、健全不健全に関わらず人は夢や希望を追い求めることによる進歩の結果として、自らがつくり上げる混沌としたこの世の恐怖や不安に常に苛まれることとなっている側面がある。そしてその恐怖や不安を払拭するのもまたこれ夢や希望でもある。

私には"GHOST"のささやきが足りない気がします。

allcinema ONLINE 映画データベース

「BSアニメ夜話」第6弾にて「イノセンス」が取り上げられます。放送は3日目にあたる5月4日(木) 23:00〜23:55 BS2(NHK衛星第二テレビジョン)です。出演者は、お馴染みの岡田斗司夫さん、氷川竜介さんと里匠アナウンサーをはじめ石川光久さん、瀬名秀明さん、中川翔子さん、ほかとのことです。

”少佐”を思(想)うが故にポッカリと穴が空いたかのように感じられる”バトー”さんのもの悲く寂しげな心が切なくて、伊藤君子さんがしっとりと澄みやかで哀愁を帯びた声でもの悲しく切々と歌うもの悲しく切ない思いの歌に涙してしまうのやもしれません。寅さんを思うさくらのようにも思ったりしますが、悲しいかな博さん、満男君、おいちゃんやおばちゃんが傍らにいないのです。せめてたこ社長や源公がいてくれたらと思います...。
posted by ウォルター at 20:11| 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月08日

「耳をすませば」

「耳をすませば」
1995年製作 Anime 日本 
監督:近藤善文 プロデューサー:鈴木敏夫 原作:柊あおい『耳をすませば』(集英社文庫/りぼんマスコットコミックス) 音楽:野見祐二 主題歌:本名陽子 脚本/絵コンテ/製作プロデューサー:宮崎駿 
声の出演:本名陽子、高橋一生、小林桂樹、露口茂、立花隆、室井滋、山下容莉枝、佳山麻衣子、中島義実、飯塚真弓、高山みなみ、岸部シロー、笛吹雅子、江川卓、中村晴彦 

過ぎ去った時は取り戻せはせず、時は刻々と過ぎていきます。人それぞれ青春時代の過ごし方は異なりますし、充足感や後悔の度合いも様々と思われます。本作を観てこんな青春時代を過ごせていればなぞとも思いましたが、そこには後悔はなく、むしろ漠然とですが頑張って生きていかねばとの感化と元気を得ました。主人公の様にはなれ(なら)なっかったでしょうし、なれ(なり)ませんが何か清々しい気分にはなれました。立花隆氏が声を演じられた主人公”零”のお父さんが結構好きだったりしましす。

allcinema ONLINE 映画データベース

狸は犬科で泳ぎが上手いそうです。
posted by ウォルター at 01:17| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞映画について(アニメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする